機材レポート

【実写レビュー】開放F0.95の明るさで圧倒! フレアも味方に付けた個性派レンズ「LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO」

超大口径F0.95を実現したAPS-Cミラーレス用のMF単焦点レンズ「LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO」が発売された。フルサイズ機に負けない大きく滑らかなボケと、フレアまで味方につける個性的な表現が楽しめる。

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO

開放F0.95のずば抜けた明るさが生み出すボケ味は好印象

ユニークなモノづくりで定評のある新興メーカーのラオワ。本製品は35mm換算で約50mm相当のAPS-Cサイズセンサー用の単焦点レンズだが、開放F値がF0.95のずば抜けた明るさで圧倒。手にするとずっしりした重量やひんやりした触感、リング類の滑らかな動きなど、昔ながらの良いレンズを手にした感触に浸れる。

柔らかく大きなボケがスナップを印象的に

F0.95という明るさから、APS-C用でも大きなボケ量が楽しめる。絞り羽根は9枚。ボケ味も素直で柔らかな描写なので、雰囲気を重視するポートレート撮影にもおすすめだ。

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO 作例
ソニー α7R IV LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO 絞り優先オート F0.95 1/125秒 -0.3補正 ISO100 WB : 太陽光 APS-Cモード

二面性のある個性的な描写が楽しめる

描写はクリアなものだが、絞り開放付近では適度なにじみや柔らかさも残り、さらに半逆光から逆光時にはフレアも出やすいので、コントラスト低下などを持ち味として積極的に楽しめる。もちろん、これらは茶化して書いたのでなく大まじめ。本格的な映像用レンズでは、あえてビンテージ風コーティングやコーティングなしの製品で特徴ある表現を重要視する製品もあるほどだ。偶発的な要素も交えて、個性的な二面性が楽しめる。

逆光によるフレアを生かして個性を楽しむ

最短撮影距離の35cmで撮影。半逆光から逆光にかけてフレアが美しい。フォーカスリングは回転角が大きく、MFでも使いやすい。動画向けに絞りリングのクリックがないので、誤操作に注意。

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO 作例
ソニー α7R IV LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO 絞り優先オート F0.95 1/8000秒 + 0.7補正 ISO100 WB : オート APS-Cモード

クリアな描写を追求し動画撮影にもオススメ

レンズ構成は非球面レンズ1枚、特殊低分散 (ED) レンズ1枚、高屈折レンズ3枚を含む9群14枚。フォーカス時に全長変化のないインナーフォーカスを採用。動画ユーザーに嬉しい画角変化 (ブリージング) を抑えた構造も光る。

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO

デザインと効果にこだわった角型フード

取り付けると本体と一体に見えるほど精巧な金属製角型フードを採用。二枚爪により約90°の回転で脱着する。フードに取り付ける角型キャップも付属している。

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO

LAOWA Argus CF 33mm F0.95 APO

発売日 2021年7月30日 (Zマウントのみ8月11日発売)
希望小売価格 73,700円 (税込)

マウント キヤノンRF、ソニーE、ニコンZ、富士フイルムX
レンズ構成 9群14枚
絞り羽根枚数 9枚
最短撮影距離 35cm
最大撮影倍率 0.125倍
フィルター径 φ62mm
最大径×長さ φ71.5×83mm (マウントにより異なる)
質量 約590g (マウントにより異なる)

※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。