ボクの場合、この『パナソニック LUMIX DMC-FZ1000』は、1.0型の大型センサー採用や「25-400ミリ相当/F2.8-4」の高倍率(望遠側に強い)高性能ズームレンズを搭載している点に惹かれて購入した。…そして、デジタル一眼のフラッグシップモデルの「LUMIX DMC-GH4」と同様に”4K動画記録が可能”な「4K PHOTO」機能を搭載している、という点にも惹かれた。まあ、「LUMIX DMC-GH4」は予算的にキビシイし(苦笑)。
ボクは、特にデジカメの動画機能を重視するタイプでもないけど(使用頻度もそう高くないし)、撮影した動画から約800万の静止画が切り出せるのは魅力的だよなぁ。そう、動画自体のクォリティ以上に”高品位な静止画が切り出せる動画モード”として興味があったんだよねぇ。さあ、どんなモンかな、この「4K PHOTO」は。
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先日、このDMC-FZ1000とDMC-GH4の「4K PHOTO」に関係するファームウェアのバージョンアップ(Ver2.0アップデート)が公開された。このバージョンアップにより、「4K PHOTO」時に必要だったメニュー設定(記録方式、画質設定、輝度レベル)が不要になる。
また、従来(Ver2.0アップデートの前)の「4K PHOTO」では、4K動画の仕様により、切り出す静止画のアスペクト比も「16:9」のみだった。それが、今回のバージョンアップによって、静止画撮影の設定と同じように「4:3」や「3:2」や「1:1」で動画が記録でき、そこから同アスペクト比の静止画が切り出せるようになったのである。ああ、これはボクのために考えられたような内容ですわ(笑)。
また、今回のバージョンアップによって、切り出したフレーム(静止画)ごとのExif情報も記録されるようになった。あ〜、これも便利だわ〜。ちなみに、そのExif情報の内容は、撮影日時、露出モード、ISO感度、解像度(記録画素数)、シャッタースピード、絞り値、露出補正値、レンズ焦点距離、ホワイトバランス、色空間情報…など。よし、さっそくバージョンアップしてみよう!
「4K PHOTO」の静止画切り出し操作はいたって簡単。動画撮影中に一時停止(十字キーの上押し)と前後のコマ送り(十字キーの左右)で切り出しフレームを選んだら、あとは十字キー中央の「MENU/SET」ボタンを押す。はい、これで完了!
これらの機能や仕様以外にも、今回のアップデートによって、マーキング機能(動画撮影中にFn1ボタンでマーカーを付けて、再生時に素早く切り出す場所に移動できる。1つの動画に40カ所までマーキング可能)や、MP4フォーマットに「4K/23.98p」記録を追加、シャッター音を追加、などが可能になった。
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〈動画1〉Sモード・1/1000秒に設定
〈動画2〉Sモード・1/250秒に設定
http://www.youtube.com/embed/OepzSV-bm3Y
〈4K PHOTO〉動画1(Sモード・1/1000秒)から切り出し
パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 592ミリ相当で撮影 シャッター優先オート F4 1/1000秒 +0.3補正 WBオート ISO250 3502×2336ピクセル JPEG 三脚使用
〈4K PHOTO〉動画2(Sモード・1/250秒)から切り出し
パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 592ミリ相当で撮影 シャッター優先オート F4 1/250秒 +0.3補正 WBオート ISO125 3502×2336ピクセル JPEG 三脚使用
後から静止画を切り出す「4K PHOTO」を前提にした動画撮影では”シャッタースピードの設定”が大きなポイントになる。…と言うのも、すでにDMC-FZ1000を購入して「4K PHOTO」を体験した知人から「高速シャッターに設定しないとブレが目立つよ」という話を聞いていた。もちろん、動きのない被写体なら、そんなに高速シャッターは必要ないだろうが、そういう被写体だと「4K PHOTO」の真価は発揮されないよねぇ。
ということで、動画露出設定を「S」モードに設定して、シャッタースピードの設定値を変えながら(1/2000秒〜1/250秒の間で)、風に揺れるコスモスを撮影してみた。ちなみに、カメラは三脚に据えた状態で、手ブレ補正はOFF、フォーカスモードはMF。…でもって、動画再生時に”風による揺れ”が見られる瞬間を選んで静止画を切り出してみた。
この「4K PHOTO」機能を使用する場合、メーカーではシャッタースピード”1/2000秒以上”設定を推奨しているようだが、たしかに1/250秒くらいだと、切り出した画像を拡大してみると、わずかに被写体ブレが気になるかも…。1/1000秒設定で撮影した動画から切り出した画像だと、被写体ブレはほとんど気にならなかった。ちなみに、1/250秒設定で撮影した方は、絞りが1段ほど絞られた状態になっている。
〈4K PHOTO〉動画1(Sモード・1/1000秒)から切り出し
パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 592ミリ相当で撮影 シャッター優先オート F4 1/1000秒 +0.3補正 WBオート ISO250 3502×2336ピクセル JPEG
「Sモード・1/1000秒」の設定で撮影した動画では、途中からハチが飛んできて花に留まっている。おおっ、これぞまさに「4K PHOTO」向きのシーン! ということで、ハチが留まる直前の3カットを静止画として切り出して、さらに一部分をトリミング。そして、次の”花に留まる直前”の静止画を切り出した。こういうシーンを静止画撮影で捉えるのって超難しいからねー。
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〈動画3〉Sモード・1/1000秒に設定
〈動画4〉Sモード・1/60秒に設定
http://www.youtube.com/embed/GzhhG8HLbCc
〈4K PHOTO〉動画3(Sモード・1/1000秒)から切り出し
パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 37ミリ相当で撮影 シャッター優先オート F2.8 1/1000秒 WBオート ISO800 3840×2160ピクセル JPEG 三脚使用
〈4K PHOTO〉動画4(Sモード・1/60秒)から切り出し
パナソニック LUMIX DMC-FZ1000 37ミリ相当で撮影 シャッター優先オート F5 1/60秒 WBオート ISO125 3840×2160ピクセル JPEG 三脚使用
次は、電車が走行(通過する)シーンを撮影する。シャッタースピードの違いを顕著に見せるため、ここでは1/1000秒と1/60秒を比較してみる。
うむ、やっぱ1/1000秒設定だとシャープに切り出せるね(フロント部分には微妙なブレが見られるが)。ただし、太陽光が当たらない夕方撮影のため、ISO感度は少々高めのISO800に。その結果、切り出した静止画も少々ノイズ感がある。まあ、そんなに極端じゃないけどね。
一方、1/60秒設定だと大きくブレてしまうので、ブレ効果を狙った撮影じゃなければNG。ただし、動画自体の再生では、1/1000秒設定よりも1/60秒設定で撮影した方が、動きが滑らかな印象を受ける。
…ということで、静止画切り出し(4K PHOTO)が前提の4K動画撮影では”Sモードで高速シャッターに設定”を心がけたいところ。被写体や撮影スタイル(被写体の動きの速さ、三脚の有無、など)にもよるだろうが、日中の屋外撮影では”1/1000秒以上に設定”を目安にするとイイかも(ボク個人の印象だけど)。
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デジタル一眼「LUMIX DMC-GH4」の半分以下の投資(※レンズを含めると)で「4K動画」や「4K PHOTO」が堪能できる、超ハイスペックなコンデジ「LUMIX DMC-FZ1000」。今回の「4K PHOTO」で切り出した静止画をA4サイズにプリントしてみたが、十分に満足できるクオリティだったヨ。