2021年10月26日から販売を開始した、Apple新型チップ「M1 Pro」「M1 Max」を搭載した最強の「MacBook Pro」。ノートPCとしての性能や旧製品との比較などはパソコン専門誌にお任せして、ここでは「デジタルカメラの相棒としてふさわしいノートPCなのか?」といった視点でのファーストインプレッションをお届けしたい。
使ってみたのはハイスピードM1 Maxチップ搭載の「MacBook Pro」
今回Appleからお借りしたのは、M1 Maxの16インチ「MacBook Pro」。カスタマイズ注文できるデフォルト設定の基本モデルといえば理解してもらえると思うが、M1 Max搭載の中では一番リーズナブルなモデルだ。それでも419,800円 (税込) と高価なノートPCであることには違いない。
基本性能は10コアCPU、32コアGPU、32GBの内蔵メモリに、M.2 NVMe内蔵SSD 1TBになる。インターフェースには久しぶりに復活したMagSafe 3電源コネクタ、そして最新のThunderbolt 4対応USB Type-C端子が全部で3基、HDMI端子1基、UHS-II対応のSDXCメモリーカードスロット1基、ハイインピーダンスヘッドフォンにも対応する3.5mmヘッドフォンジャック1基、そしてMacBook史上最高となる高解像度3456×2234ピクセルの16.2インチワイド「Liquid Retina XDR」ディスプレイ採用となっている。付け加えておくこととして、内蔵メモリは64GBまで、内蔵SSDは8TBまでカスタマイズすることができる。
まずは重さをチェック! ハイエンドモデルだが意外と軽い
さて、それではさっそく「MacBook Pro」の検証を始めたいと思う。まずは重さからだが、ごらんの通り約2145gと、パソコンバッグに入れてもそれほど重くなくて良い感じだ。
付属の充電器とケーブルは約337gと、こちらはチョット重い感じだが、まぁ合格レベル。
この電源ケーブルは、従来のApple製品の中でも断線に配慮した丈夫なケーブルで好感がもてる。
また、同梱の140W USB Type-C電源アダプタは最近流行のGaN (窒化ガリウム) 技術を採用し軽量化を図ったモデルで、140W出力でありながらこれだけ小型軽量なのには、ちょっとビックリさせられる。
内蔵SSDの速度をチェック! これはかなりの速さ
それでは、「MacBook Pro」を起動して内蔵SSDの速度をベンチマークしてみよう。リード 6698MB/s、ライト 6083MB/sと、今までのどのノートPCより速い結果になった。これはPCI-e Gen4x4の高速なM.2 SSDを内蔵している証だ。
そして「MacBook Pro」ご自慢のインターフェースを正面左側から紹介しよう。左奥から久しぶりに復活したMagSafe 3電源コネクタ、最新Thunderbolt 4対応USB Type-C端子が2基、そしてマイク端子内蔵の3.5mmヘッドフォンジャック1基となっている。
正面右側は、右奥からHDMI端子1基、最新Thunderbolt 4対応USB Type-C端子1基。そしてUHS-II対応のSDXCカードスロット1基は、大容量1TBのSDXCカードにも対応している。
内蔵カードスロットと外付けカードリーダーで転送速度比較
ここで、この内蔵カードスロットのベンチマークを計ってみた。1つはUHS-II V90対応SDXCカード256GBで、リード 217MB/s、ライト 183MB/sという結果に。
もう1つはUHS-I V30対応の大容量SDXCカード1TBで、こちらはリード 86MB/s、ライト 71MB/sという結果になった。内蔵SDXCカードスロット自体がなくなる傾向にあるので付いているだけ嬉しいのだが、もう少し高速ならなお良かった。
そこで、専用のカードリーダーを使って同じカードをベンチマークしたのがこの結果だ。
やはりカードからの取り込みは、USB Type-C端子接続で専用カードリーダーを使用したほうが速いことがわかった。
ついでに最新のミラーレスカメラに多く採用されているCFexpress Type-Bカードも、Thunderbolt 3カードリーダー、USB3.2 Gen2x2カードリーダー、USB3.2 Gne2カードリーダー全てでテストしてみたが、「MacBook Pro」に搭載された最新のThunderbolt 4対応USB Type-C端子接続でどれも高速に転送できることが確認できた。
そしてこのThunderbolt 4端子を使って外付けSSDに画像を保存する速さは、一度味わったら元に戻れないほど高速で便利だった。
ディスプレイの鮮やかさと解像感がアップ
新しい「MacBook Pro」に搭載されているディスプレイは「Liquid Retina XDR」と名づけられた16.2インチで高解像度・高輝度パネルを採用。従来のRetinaディスプレイに比べ、今まで以上に鮮やかで解像度が高く、まるで4Kテレビを見ているような感じがする。
また、液晶パネル上部にWEBカメラがあるので、その部分だけは「ノッチ型」のデザインになっている。そして一番気になる色域は、ハリウッドの7大映画スタジオが提唱するデジタルシネマ向けDCI-P3色域に調整されている。まぁ簡単に言うと、映画を見ることを想定した調整で出荷されているということだ。
なので、デジタル写真のRAW現像を行なったり顔料インクを使用するプリンターとのカラーマッチングなどを行なう場合は別途測色センサーを購入し、Adobe RGB色域にキャリブレーションする必要がある。なお、デジタルカメラを使用して4K&8K動画等を撮影編集するなら購入したままでも問題ないレベルだ。
自腹購入決定! デジタル写真を楽しむうえで持っておきたい1台
さてさて、最後になってしまったが、約3分の4K/60p 4:2:2 10bit動画を画質や色調整をして音楽を入れ、MP4形式に書き出した。これが超高速で、17.75秒で終了してしまった。ちなみに筆者の持つIntelプロセッサの16インチ「MacBook Pro」では、同じ作業に42.50秒かかったことを付け加えておく。
M1 Maxの16インチ「MacBook Pro」は高価なノートPCだが、デジタル写真を楽しむうえで1台は持っておきたいスーパーノートPCだった。筆者もさっそく注文したいと思う。