富士フイルム XF70-300mmF4-5.6 R LM OIS WR
スペック
[マウント] 富士フイルムXマウント [最大径×長さ] 約φ75×132.5mm [重さ] 約580g [レンズ構成] 12群17枚 [最短撮影距離] 0.83m [最大撮影倍率] 0.33倍 [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ67mm参考価格 106,710円 (税込)
動物園や野鳥撮影ではもう少し焦点距離がほしいところ
多摩動物公園のレッサーパンダ。換算450mm相当のテレ端での撮影だが、これでも比較的手前に来ているタイミング。動物園や野鳥の撮影では、少しでも望遠で撮影できるレンズが有利だ。このズームはテレコンも装着できるが、すでにISO5000まで感度アップしていて、これ以上高感度にしたくなかったので、テレコンは使わずに撮影している。
高倍率ズームと比べわずかに明るく画質も上
多摩動物公園のチーター。レッサーパンダよりは放牧場が明るいが、動きが速く、被写体ブレを抑えるためには少しでも速いシャッタースピードを切りたいところ。ほんのわずかではあるが、開放F値的には高倍率ズームよりは有利で、絞り開放画質もわずかに上。毛並みが細い線で描写されている。
解像性能が高く、高感度でも崩れは少ない
多摩動物公園のアムールトラ。ここも冬の夕方は日が陰ってきてかなり暗くなるのだが、被写体ブレを抑えるシャッタースピードを確保しようとすると、アッという間にISO6400まで感度アップしてしまう。高感度NRでトラの胴体の毛並みが少し溶け気味だが、レンズの解像性能が高いので顔の毛並みやヒゲの解像はしっかり維持できている。色収差もほとんど目立たない。
輝度差が大きくてもフリンジはほとんど出ない
城南島海浜公園から羽田空港に着陸する旅客機を撮影。光る海面が機体に反射してメタリックに輝く瞬間を狙ってみた。光の鏡面反射や輝度差の大きな境界部分にもフリンジがほとんどなく、APS-Cミラーレスとしては極上の描写。機体のリベットまでしっかり解像している。
手ブレ補正機能の効きも高く、細部までシャープ
明るく見えるかもしれないが、すっかり陽は沈んで薄暮の時間帯。テレ端450mm相当でシャッタースピード1/18秒の手持ち撮影でもまったくぶれていない。地面からの空気の揺らぎも少なく、感度を抑えて撮影していることもあり、機体の接合部分の細い線までしっかり確認できる。
駅に進入する列車をしっかり追従
最近のカメラならそれほどむずかしい動体ではないかもしれないが、駅に入ってくる電車をAF-Cで連写。連写カットのほとんどが車体の前部にビシッとピントが来ている。空気の揺らぎの影響もあるが、後ボケは少し二線にぼけている領域もある。
二線ボケ傾向は少なく、背景はうるさくならない
このレンズの最短撮影距離はズーム全域で83cm。70~300mmズームとしては近接撮影に強い部類なので、ペットや花などのクローズアップ撮影にも適している。テレ側でもコントラストの高い描写で、シャドー部もしっかり締まる。柔らかいボケではないが、光が反射している部分以外は二線ボケ傾向は少なく、うるさいボケにはなりにくい。
葉の水滴や葉脈までリアルに再現
水面に浮かんでいる落葉がフォトジェニックだったのでパチリ。葉っぱに付いた水滴が妙にリアルに写っている。浮かんでいる葉っぱはユラリと動いているので、少し感度を上げて速いシャッタースピードで撮影。葉脈までクッキリと解像している。
テレコンを使用してもコントラスト低下は見られない
1.4倍テレコンを使用して換算630mm相当で撮影。空気の揺らぎの影響を多少受けているものの、テレコンを装着した絞り開放テレ端とは思えないほどシャキッとした描写で、ピント面がにじんだりコントラストの低下も感じない。開放F8になるが、明るいシーンや被写体ブレの心配がないシーンには威力を発揮する。
高感度NRによる画像低下も極めて少ない
近くの川のカルガモ。毛繕いが一段落して羽ばたいた瞬間を連写して、幸運にも被写体ブレしなかったカットをチョイス。すでに日陰で暗くなっていて感度をISO2500まで上げているが、コントラストは高く輪郭がシャープにエッジ立つレンズなので、高感度NRによる解像感低下もごくわずかで済んでいる。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。