機材レポート

プロが使って解説! 写真の仕上がりをレベルアップさせるRAW現像ソフト「SILKYPIX」の新機能とは?

必要なところにだけ効果を与える「部分補正ツール 明瞭度」

画面全体ではなく、必要な部分にだけ効果を与える「部分補正ツール」。作品の完成度を高めるのに必須のツールだ。今回そこに追加されたのが「明瞭度」と「シャープ」。よく似た機能だが「明瞭度」は被写体の質感再現の調整、「シャープ」は被写体の解像感の調整だ。

「明瞭度」を強めると被写体のディテールがくっきりし、弱めると柔らかい雰囲気になる。例えば、建物の壁の質感を強調したいなら「明瞭度」を強くし、人物の肌を柔らかく再現したいなら「明瞭度」を弱めるとよい。部分補正ツールは、指定した部分以外には影響を及ぼさないのもメリット。

人物の肌を柔らかい印象に

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

ここでは人物の肌を柔らかくしてみる。まず、①「部分補正ツール」を起動し、②ブラシを選択。調整したい部分をなぞる。ぼかし量やブラシサイズの変更も可能だ。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
①部分補正ツール ②ブラシ

 

スライダーの一番下、「明瞭度」のスライダーをマイナス側に動かす。画像を部分拡大して行うと作業しやすい。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

■Before

「明瞭度」を変更していないオリジナルの写真。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

矢印

■After

顔の部分だけ「明瞭度」を下げた。肌が柔らかくなり、優しい雰囲気の写真に仕上がった。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

<拡大比較>

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
オリジナル
SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
「明瞭度」を下げた写真

部分的にシャープを適用できるようになった「部分補正ツール シャープ」

これまで画面全体だけだった「シャープ」も、部分補正ツールにより部分的に適用できるようになった。画面にメリハリをつけて、印象的に仕上げられる。特にピントを合わせた部分を際立たせるのに効果的だ。

菜の花を際立たせて立体感を出す

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

菜の花に迫って撮影した写真。部分補正ツールのブラシで、ピントを合わせた部分をなぞる。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
「ブラシの新規追加」ボタンを選択

 

「効果」タブを選択し、「シャープ」のスライダーで調節する。「明瞭度」と同じく、画面を拡大すると作業しやすい。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
「効果」タブを選択

■Before

「部分補正ツール」を使用していないオリジナルの写真。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

矢印

■After

「部分補正ツール」でピントを合わせた花をシャープにした。オリジナルと比べてくっきりした印象になった。ただしシャープのかけ過ぎは不自然になるので、さり気なく使用するのがコツだ。

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー

<拡大比較>

SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
オリジナル
SILKYPIX Developer Studio Pro 11 レビュー
「シャープ」適用後

初めてのRAW現像にもオススメ! これまでのRAW現像から1歩も2歩も進んだ処理ができる

SILKYPIX Developer Studio Pro 11」は、RAW現像エンジンの改良をはじめ、強化された合成機能や部分調整機能などにより「高画質」と「追い込み」が大きくレベルアップしている。なんとApple ProRAWにも対応し、iPhone 12 Pro、12 Pro MAXで撮影したRAW画像から「ポートレート」「肌」「空」と自動で領域を選択、領域ごとに部分調整も可能となる

※2022年1月27日に、iPhone 13 PRO、13 Pro MAXにも対応した。

豊富な機能が直感的な操作で扱えるため、これまでのRAW現像から1歩も2歩も進んだ処理を行えるだけでなく、初めてRAW現像をする人にもオススメしたいソフトだ。作品制作がより楽しく、よりスムーズになること間違いない。

なお、2022年1月27日にMac版が発売された。これでMacユーザーもSILKYPIX最新版の高機能と高画質を活用できる。シリアルNo.はOSの区別なく使用可能なので、より便利に利用できるだろう!

SILKYPIX Developer Studio Pro 11

価格 (税込)

ダウンロード版 新規ライセンス価格
22,000円 (税込)

ダウンロード版 アップグレード価格

  • SILKYPIX Developer Studio Pro9 / Pro10から : 8,800円
  • SILKYPIX Developer Studio Pro8以前のProシリーズから : 11,000円
  • SILKYPIX Developer Studioシリーズから : 13,200円
  • バンドル製品から : 17,600円

※バンドル製品は、デジタルカメラや交換レンズ付属のSILKYPIXシリーズ。

動作環境

Windows

  • Microsoft Windows 11 / 10 / 8.1 64bit版 (Windows 10のタブレットモードには非対応)
  • Intel Core 2 Duo以上 または AMD Athlon 64 X2以上のプロセッサー
  • DirectX 10以上に対応したグラフィックボード
  • 4GB以上のRAM (8GB以上推奨)
  • 20GB以上の空き容量のあるハードディスク (選択コマの合成実行時は50GB以上の空き容量が必要となる場合がある)
  • 1024×768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ

macOS

  • macOS 10.15 / 11 / 12
  • Intel Core 2 Duo 以上のプロセッサー
  • 4GB以上のRAM (8GB以上推奨)
  • 20GB以上の空き容量のあるハードディスク (選択コマの合成実行時は50GB以上の空き容量が必要となる場合がある)
  • 1024×768以上の画面解像度をサポートするディスプレイ

→「SILKYPIX Developer Studio Pro 11」の詳しい情報はこちらをチェック!

 

〈協力〉株式会社 市川ソフトラボラトリー

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