今回取り上げるのは、3種類のコンパクトな単焦点レンズ。その中で、最も薄くてコンパクトな「M.ZUIKO DIGITAL 17ミリF1.8」を装着したオリンパス OM-D E-M5。小振りなバッグにも楽に収納できる”省スペースな組み合わせ”である。
昨年の12月、当ブログで、オリンパスの新しい大口径望遠ズーム「M.ZUIKO DIGITAL ED 40-150ミリF2.8 PRO」の実写レポートをお伝えした。その際、ほかのレンズも3本ほど借用していたので、今回はそれらのレンズの実写レポートをお伝えしよう。その3本は、いずれも小型軽量なOM-Dボディにマッチする”小振りで粋な単焦点レンズ”である。
まずは『M.ZUIKO DIGITAL 17ミリF1.8』。35ミリ判換算で「34ミリ相当」の画角が得られる広角レンズで、記念撮影や気軽なスナップ撮影などに適している。そう、24ミリ相当や28ミリ相当ほどの強い広角効果(画角の広さ、遠近感強調、など)は得られない代わりに、被写体な周囲の状況を自然に見せることができるのだなー。開放F値が「1.8」と明るめなのもイイね。
また、開放F値が明るいレンズの割には「全長35.5mm・重量120g」という小振り&軽量設計なのも魅力。ちなみに、同じような仕様(全長や重量)のレンズとして、標準レンズの「M.ZUIKO DIGITAL 25ミリF1.8」を挙げることができるが、広角派のボクの場合は『M.ZUIKO DIGITAL 17ミリF1.8』の方を選択するだろうな。
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL 17ミリF1.8 プログラムオート F5 1/500秒 −1補正 WB晴天 ISO200 4608×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL 17ミリF1.8 絞り優先オート F2.2 1/13秒 −0.7補正 WB電球 ISO400 4608×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
3本の単焦点レンズの中で、最も軽量な「M.ZUIKO DIGITAL 45ミリF1.8」。その重量、わずか116g。フィルター径もひときわ小さい37mm(17ミリF1.8は、重量120g・フィルター径46mm)。
次のレンズは『M.ZUIKO DIGITAL 45ミリF1.8』。製品キャッチフレーズは「ママのためのファミリーポートレートレンズ」。そのフレーズに相応しい、小型軽量で扱いやすい”大口径中望遠レンズ”である。そして、前出の17ミリF1.8よりも2万5000円近く安いリーズナブルな価格設定も魅力的なところ。
キャッチフレーズだけ見ると”ほんわかムード”の製品だが、その光学性能や操作性は結構ハイレベル。90ミリ相当の中望遠画角も、なかなか通好みである。17ミリF1.8との組み合わせもイイ感じ。34ミリ相当+90ミリ相当…か。その昔、ボクは「ライカM6+ズミクロンM 35ミリF2+エルマリートM 90ミリF2.8」という組み合わせを好んで使っていた。何となく、その組み合わせを思い出したよ。
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL 45ミリF1.8 絞り優先オート F1.8 1/40秒 +0.7補正 WB蛍光灯 ISO400 4608×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL 45ミリF1.8 絞り優先オート F1.8 1/100秒 WBオート ISO200 3456×4608ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
120ミリ相当の望遠マクロ「M.ZUIKO DIGITAL ED 60ミリF2.8マクロ」。一眼レフ用のマクロレンズを見慣れた目には、かなりの”ほそほそレンズ”に映る。う〜ん、もう少し径が太い方が安定(ボディ装着時の外観バランスや、構えた際の安定感)すると思うけどな、個人的には。
最後は、望遠マクロの『M.ZUIKO DIGITAL ED 60ミリF2.8マクロ』である。上のブツ写真のキャプションでも触れてるけど、コレ、ちょっと細すぎない?(笑) もちろん、それだけ”コンパクト&軽量”につながるワケだけど、もちーっと鏡筒が太い方が、カメラホールド時にバシッと安定すると思うのよ。
でも、画角が”120ミリ相当”と、通常の中望遠マクロよりも望遠寄りなのは大歓迎! そのぶん、小さな被写体でもワーキングディスタンス(被写体とレンズ先端までの距離)を長く保ちながらアップで撮れるし、箱型状の被写体を撮る際にも、不自然なパース(遠近描写)が生じにくいし。
でもって、細細(ほそほそ)の頼りなさげなルックスだけど、防塵・防滴仕様になっている。だから、同仕様のE-M1やE-M5ボディと組み合わせれば、シビアな自然環境下でも安心して使える。こういった特長は、ネイチャー派カメラマンには嬉しい限り。もちろん、無限遠から等倍(35ミリ判換算では2倍)まで、その描写性能はハイレベルである。
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL ED 60ミリF2.8マクロ 絞り優先オート F2.8 1/500秒 +0.7補正 WB晴天 ISO200 4608×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆オリンパス OM-D E-M5 M.ZUIKO DIGITAL ED 60ミリF2.8マクロ 絞り優先オート F2.8 1/320秒 +0.7補正 WB晴天 ISO200 4608×3456ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
「標準ズーム+望遠ズーム」や「高倍率ズーム1本」。こういったズーム主体のレンズ構成でも、今回取り上げた3本のような”小振りな単焦点レンズ”も一緒に携行したい(携行時の負担もかなり少ないはず)。そうすれば、ズームとは違う大きなボケ効果が得られたり、光量が乏しい場面で自然光撮影が楽におこなえたり、本格的なマクロ撮影が楽しめたりする。そういう、ズーム操作による画角変化とは異なる”描写の違い”も、交換レンズを駆使する醍醐味なんだよねー。