フィルム時代のクラシカルなデザインを採用したフォクトレンダー SL IIsシリーズ4本目となる中望遠レンズ「APO-SKOPAR 90mm F2.8 SL IIS」が登場した。標準レンズ並みのコンパクトサイズを実現したこのレンズを「ニコン Df」に装着して、早朝の港をスナップ。キレのある描写が手軽に楽しめた。
コンパクトでクラシカルなデザインと臨場感まで描く光学性能を融合
昭和40年代の交換レンズをオマージュした「APO-SKOPAR 90mm F2.8 SL IIS」。さっそく「ニコン Df」に付け、早朝の気仙沼漁港へ向かった。この時期は冷え込むと氣嵐 (けあらし) が発生し、雰囲気のある写真が撮影できる。中望遠レンズでありながら全長は41mmしかなく、漁港で働く人たちにカメラを向けても、威圧感を与えないのがいい。
氣嵐が漂う漁港の雰囲気をイメージどおりに
カツオ船が何隻も入港し、賑わいを見せる気仙沼漁港を90mmの自然な距離感で撮影。この朝は冷え込んだため、港には氣嵐が漂っていた。船体のシャープな描写と船を包み込む氣嵐の柔らかな描写が、早朝の漁港の雰囲気を高めてくれた。
水揚げ作業の臨場感をキレとボケで描く
カツオの水揚げが始まると、手作業でベルトコンベアに載せられ、シャワーで洗浄されてサイズごとに種分けされる。このレンズのボケ味は、作業している人たちの臨場感を残しながら、ピント位置はカツオの鮮度まで伝わるほどの描写力だ。
スムーズなMF操作で写真を撮る楽しさが味わえる
鏡筒には金属部材を採用し、スムーズなMF操作が楽しめる。ピント位置の描写はシャープで、自然な発色だ。今回はほとんど開放で撮影してみたが、ボケ味も素直で気に入っている。絞りF4くらいまではほぼ円形絞りになるので、開放からF4までで撮影するのがオススメ。また、CPUを内蔵しているので、「ニコン Df」ならフォーカスエイドも使える。Dfやフィルム一眼レフで使いたい中望遠レンズだ。
「ニコン Df」に似合うクラシカルなデザイン
90mmの中望遠レンズでありながら、標準レンズ並みに小さく、両手にすっぽりと収まる。シルバーリムを「ニコン Df」のシルバーボディに装着したが、クラシカルな雰囲気がとてもよく似合っている。
軸上色収差を抑えたアポクロマート設計
7枚のレンズのうち、5枚に異常部分分散ガラスを採用したアポクロマート設計により、軸上色収差を抑え、キレのあるシャープな画質を追求。フィルムからデジタルまで優れた描写が得られる。
デザイン性を重視した専用フードを用意
高品位なレンズデザインにマッチしたフジツボタイプの専用フードをオプションで用意している。レンズのサイズ感を損なわず、ほどよいシェード効果を発揮する。
フォクトレンダー APO-SKOPAR 90mm F2.8 SL IIS
シルバーリム |
ブラックリム |
発売日 2021年11月30日
希望小売価格 74,800円 (税込)
カラー シルバーリム、ブラックリム
マウント ニコンF (Ai-S / CPU内蔵)
レンズ構成 7群7枚
最短撮影距離 0.9m
最大撮影倍率 1:8.1
絞り羽根 9枚
フィルター径 φ52mm
最大径×全長 φ66.3×41.0mm
質量 260g