苦労して撮影した写真データ。しっかりバックアップをとっているでしょうか。自分は大丈夫だと思っていても、ハードディスクの故障やウイルス感染などにより、データがそっくり消えてしまうことは少なくありません。失って初めて実感するバックアップの重要性。ブルーレイドライブをうまく活用すると、バックアップのお悩みを解決できます。
カメラマンの高原マサキさんも、ブルーレイの便利さを知るひとり。
「撮影データのバックアップは、プロにとっても悩ましいテーマ。複数のハードディスクにバックアップしても故障の不安は残るし、保管場所にも困ります。また、クラウドサービスは利用コストが大きく、データの損失や漏洩の問題がつきまといます。ブルーレイは書き込みに時間がかかるものの、長期保管の安全性が高く、かさばらず、保管しやすいのが便利ですね」
保存性に優れたブルーレイは容量ごとに使い分けると便利
「えっ! まさかデータが消えるなんて」
写真データが突然失われたときの落胆は、想像を絶するものがあります。そんなとき明暗を分けるのが、日ごろのバックアップ。
撮影後に、メモリーカードからハードディスクへデータをコピーするだけでは安心とは言えません。ハードディスクやSSDは高速で読み書きは快適ですが、故障によるデータ損失、誤った操作による上書き消去、ウイルス攻撃などの危険が常につきまとい、大切なデータがそっくり失われることも……。
バックアップの基本は、同じデータを複数の場所に保存すること。さらに、性質の違うメディアを用い、保管場所を変えておけば万全といえます。
下記の表は一般的なデータ保存方法の特徴をまとめたものですが、すべて完璧なものは存在しません。それぞれの性質をよく理解し、うまく組み合わせることが安全かつ費用を節約するコツといえます。
ブルーレイディスクは、高速な読み書きはできませんが、保存性に優れるのが特徴です。通常のブルーレイでは理論上は100年の保存が可能とされているほか、より耐久性を高めた規格「M-DISC」は、数百年の保存、高温や高湿度でも耐えうる性能を持っています。ディスク容量も25〜128GBがあるので、1回の撮影データを1枚に収めたり、ジャンル別に保存したりといった使い分けも可能です。
ブルーレイディスクメディアの種類と「M-DISC」とは?
書き込みが可能なブルーレイディスクメディアには、1回の書き込み可能な「BD-R」と、何度でも書き換えが可能な「BD-RE」がある。
また、25GB(Single Layer:1層)、50GB(Dual Layer:2層)、100GB(Triple Layer:3層)、128GB(Quadruple Layer:4層)の容量のものがあり、それぞれ「SL(または省略)」「DL」「TL」「QL」と呼ばれている。これらのほか、米国Millenniata社による高耐久性(耐光、耐熱、耐湿に優れる)ディスクの「M-DISC(Millennial Disc)」がある。
物理的に凹みを作って記録するため、1回の書き込みのみ可能。書き込みには対応ドライブが必要だが、読み込みはドライブの種類を問わない。また、パイオニア製の最新シリーズは、すべて「M-DISC」の読み書きに対応する。
ブルーレイによるバックアップのコツ
バックアップのコツ その1:ハードディスクを基本に複数箇所へ保存する
撮影後にパソコンに取り込んだデータは、まずは外付けハードディスクドライブ(HDD)に保存しておけば、万一パソコンが故障しても別のパソコンから読み出せる。そのうえでブルーレイにバックアップすれば、より安全性が高くなる。
クラウドサービスは、無料で利用できる容量が少なく、写真データを保管することを考えると大容量の年間契約が必要になり、個人では負担が大きい。
バックアップのコツ その2:後から内容がわかるようジャンル別にディスクを分けると便利
書き込んだブルーレイは、収録した内容がわかるようにラベルを貼っておくのはもちろん、保管の際もひと工夫しておくと後から写真を探しやすくなる。ここでは2つの方法を挙げておこう。
なお、1回のみ書き込み可能な「BD-R」へは、Windowsのみ専用ソフトを使わずに追記書き込みができる(下記「データ書き込みのポイント」を参照)。
① 撮影日ごとにディスクを分ける
旅行や撮影ロケから帰ったら、そのつどブルーレイにバックアップする方法。ため込むことがなく、結果的に安全かつ手間がかからない。写真データの容量によって、ディスクを使い分けるとムダが少ない。
② ジャンルごとにディスクを分ける
風景やスナップ、家族写真や季節のイベントなど、さまざまなジャンルを撮影することが多いなら、この方法が便利。ジャンル別にディスクを分けて、撮影ごとに追記方式で書き込んでいこう。
ブルーレイディスクへの書き込みは、Windows、Macともに、ブルーレイディスクを示すフォルダにデータをドラッグすればOK。
追記方式(何回かに分けてデータを書き込む場合)は、Windowsでは「BD-R」「BD-RE」ともにOSの標準機能で可能だが、Macでは「BD-RE」を使うか、市販の書き込みソフトを使う必要がある。
また、付属のWindows用ソフト「Power2Go」や市販のMac用ソフト「Toast Titanium」などを利用すると、ブルーレイメディアの残量を確認しながら、より高度な書き込みが行なえる。
ブルーレイドライブの紹介
国内メーカーとして定評のあるパイオニアのブルーレイドライブには、外付けドライブ、パソコン内蔵用、ポータブルドライブ(クラムシェル、スロット)など、4タイプ10機種以上のラインナップがある。
最新シリーズは、現在販売中のブルーレイメディアのすべてに対応するほか、4Kコンテンツ 「Ultra HD Blu-ray」の再生が可能なモデルも用意されている。
外付けタイプのドライブ
パイオニア外付けドライブの最上位モデル。
4Kコンテンツ「Ultra HD Blu-ray」再生に対応するほか、BD-R(25GB)で16倍速、BD-R DL(50GB)で14倍速、BD-R TL(100GB)で8倍速、BD-R QL(128GB)で6倍速の記録が可能。
防塵性能を高め、ドライブソフトウェアを改良することにより、ディスクの読み取り性能の悪化を低減する機能を持つハイスペックモデル。
「Ultra HD Blu-ray」の再生はできないが、データの読み書き速度については上位モデル「BDR-X12J-UHD」と同等の性能を持つスタンダードモデル。
外付けポータブルタイプのドライブ(スロットローディング方式)
ボディに高級感のあるラバーコーティングを施したスロットローディング方式のポータブルドライブ。CDジャケットのサイズで持ち運びの際にかさばらない。
コネクタはUSB Type-Cに対応。付属の給電対応ケーブル(「USB Type-C−USB Type-C」)により、電源供給しながら動作できるまた、「USB Type-A−USB Type-C」のケーブルも付属する。すべてのブルーレイメディアとM-DISCに対応。また、4Kコンテンツ「Ultra HD Blu-ray」の再生も可能。
「Ultra HD Blu-ray」の再生以外は、「BDR-XS07B-UHD」と同等のスロットローディング方式のポータブルドライブ。Macに合わせたシルバーのボディ。
「BDR-XS07JM」は、Mac用ライティングソフト「Toast17 Titanium +BD Plug-inを付属。
また「BDR-XS07JL」は、ソフトの付属はなく、付属ケーブルは「USB Type-A−USB Type-C」のみ。
外付けポータブルタイプのドライブ(クラムシェル方式)
ボディの上蓋がオープンするクラムシェル方式のポータブルドライブ。CDジャケットのサイズで230gの超軽量。
通常のUSB給電対応ケーブル(USB Type-A)に加え、USB Type-C変換ケーブル(USB Type-A→USB Type-C)を付属しているので、多くのUSB端子搭載端末に接続することが可能。
すべてのブルーレイメディアとM-DISCに対応。また、4Kコンテンツ「Ultra HD Blu-ray」も再生できる。
■BDR-XD07BK(ブラック)/ R(レッド)/ W(ホワイト)
上蓋がオープンするクラムシェル方式のポータブルドライブで3色のカラーが用意されている。
USB給電対応ケーブル(USB Type-A)に加えて、USB Type-C変換ケーブル(USB Type-A→USB Type-C)を付属しているので、多くのUSB端子搭載端末との接続が可能。
すべてのブルーレイメディアとM-DISCに対応するが、4Kコンテンツ「Ultra HD Blu-ray」の再生には対応していない。
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〈協力〉パイオニア株式会社