機材レポート

最新Gシリーズ2モデル、実写チェック!!『パナソニック LUMIX DMC-GX8+LUMIX DMC-G7』〜後編〜

パナソニック LUMIX GX8/LUMIX G7
左:パナソニック LUMIX DMC-G7+LUMIX G VARIO 14-140ミリ/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S
右:パナソニック LUMIX DMC-GX8+LUMIX G X VARIO 12-35ミリ/F2.8 ASPH./POWER O.I.S

パナソニック LUMIX GX8/LUMIX G7
寸法の “高さ” を比較すると、DMC-GX8は約77.9mmで、DMC-G7はわずかに高い約86.2mm。だが、数値上では低いDMC-GX8ボディは、ペンタ部(実際には内蔵フラッシュ部だが)の出っ張りがなくて全体的にフラットな形状のため、DMC-GX8よりも大柄でボリューミーに感じられる。

 え〜、年末のバタバタ(ドタバタか?)の影響で遅くなったけど『パナソニック LUMIX DMC-GX8』と、同『LUMIX DMC-G7』の2モデルの実写チェック”〜後編〜”いってみよーっ! 前回の予告どおり、今回は “操作性や画質などの違い” を中心にチェックするよ。

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パナソニック LUMIX G7
背面側:DMC-G7

パナソニック LUMIX GX8
背面側:DMC-GX8

背面側の比較だと、いちばん大きい違いは “ファインダー接眼部の位置” かな。DMC-G7は一眼レフ風に “中央寄り” で、DMC-GX8はレンジファインダー機風に “左端” 。これは優劣がつけにくい部分だけど、利き目が右目の人だと、DMC-GX8はファインダーを覗くと、カメラが大きく右手側にずれてくる。まあ、ボクの場合は利き目が左目だから割と自然なので、余計にそう感じるのかも…。

背面に並ぶ操作ボタンやレバーを見ると、機能内容や配置は基本的には共通しているが、一部のファンクションボタン(Fn)やLVFボタンなどは、レイアウトの関係(?)で配置が違っている。

意外だったのが、それらのボタンの操作フィーリングが微妙に違うこと。DMC-G7のボタンは、押し込みのストロークが浅い。一方、DMC-GX8のボタンは、押し込みのストロークが深め(というか普通)なのだ。まあ、どちらかと言えば、DMC-GX8のフィーリングの方が好みかな、ボクの場合だと。

パナソニック LUMIX G7
前後ダイヤル:DMC-G7

パナソニック LUMIX GX8
前後ダイヤルと露出補正ダイヤル:DMC-GX8

上面の右手側に注目すると、前後に配置されるダイヤルの位置や機能の違いが気になってくる。

DMC-GX8は、前後ダイヤルとは別に、モードダイヤル外周に「露出補正ダイヤル」が配置されている。だから、露出補正操作をする際には、後ダイヤルではなくこのダイヤルを使用する。こういう単独の露出補正ダイヤルは “視認性が高い” というメリットもあるけど、DMC-GX8だとグリップを握った状態から操作しようとすると、ちょっと遠いんだよね、位置が。あと、±3EV以上の補正をする際に “露出補正ダイヤル+後ダイヤル” という方法になるのも(カスタムのダイヤル設定で可能になる)、スマートさに欠ける気がする。どうせなら、露出補正ダイヤルの機能(設定状態)がキャンセルされて、後ダイヤルだけで±5EVまでの補正が可能になるカスタム設定があれば便利なのにねえ。

なお、DMC-GX8の前後ダイヤルの回転操作フィーリングは良好。それと比較すると、DMC-G7の前後ダイヤルの回転は、少々軽すぎる印象を受けた。

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クマのぬいぐるみに着せた、服とバッジの部分を同ピクセル(480×480)で切り出して、高感度時の画質をチェック!

  • パナソニック LUMIX G7 作例DMC-G7(部分):ISO400
  • パナソニック LUMIX GX8 作例DMC-GX8(部分):ISO400
  • パナソニック LUMIX G7 作例DMC-G7(部分):ISO1600
  • パナソニック LUMIX GX8 作例DMC-GX8(部分):ISO1600
  • パナソニック LUMIX G7 作例DMC-G7(部分):ISO6400
  • パナソニック LUMIX GX8 作例DMC-GX8(部分):ISO6400
  • パナソニック LUMIX G7 作例DMC-G7(部分):ISO25600
  • パナソニック LUMIX GX8 作例DMC-GX8(部分):ISO25600

現在のパナソニック LUMIX Gシリーズを “センサーの種類” という観点でチェックしてみよう。DMC-G7のセンサーには、有効画素数1600万画素の4/3型LiveMOSセンサーが採用されている。その画素数は、GMシリーズやGX7(GX8の前モデル)やGF7と同じである。なお、DMC-GH4には “ビミョーに多い” 1605万画素の4/3型LiveMOSセンサーが採用されている。

これに対して、DMC-G7のセンサーは、有効画素数2030万画素の4/3型LiveMOSセンサー。過去のモデルも含め、マイクロフォーサーズ機では最高画素数となるセンサーを採用しているのだ。

ということで、両者の描写(画質)の違いが気になってくる。今回は “高感度描写の違い” を、画像の一部分を同ピクセルで切り出してチェックしてみた(ISO400から1段飛ばしで最高感度のISO25600まで)。

画素数が多いぶん、DMC-GX8の方が像は大きくなるが、ISO6400までは細部の描写はあまり違いがないように見える。だが、最高感度のISO25600になると、DMC-GX8の方は細部のアマさがより顕著になり、シャドー部の締まりの悪さも目立ってくる。…とはいえ、DMC-GX8の高感度画質は “高画素化された割には健闘している” という見方もできるだろう。まあ、どちらのモデルも画質を考慮したらISO1600くらいに止めておくのが賢明だろうね。

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角ばったボディデザインだが、手にすると意外と軽快で扱い易い『パナソニック LUMIX DMC-G7』。

パナソニック LUMIX G7 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-G7 LUMIX G VARIO 14-140ミリ/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S(92ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/200秒 −0.7補正 WB:晴天 ISO500 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

パナソニック LUMIX G7 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-G7 LUMIX G VARIO 14-140ミリ/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S(140ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/200秒 −0.3補正 WB:オート ISO800 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

パナソニック LUMIX G7 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-G7 LUMIX G VARIO 14-140ミリ/F3.5-5.6 ASPH./POWER O.I.S(14ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/60秒 WB:晴天 ISO800 4592×3448ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

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90度可動のチルト機構を持つ、高解像ライブビューファインダーを搭載する『パナソニック LUMIX DMC-GX8』。ぞのファインダーを上から覗き込む撮影スタイルは、何となく二眼レフを彷彿とさせる。ということで、アスペクト比「1:1」に設定して、二眼レフ気分を味わってみた。

パナソニック LUMIX GX8 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-GX8 LUMIX G X VARIO 12-35ミリ/F2.8 ASPH./POWER O.I.S(16ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/250秒 −0.7補正 ISO200 3888×3888ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

パナソニック LUMIX GX8 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-GX8 LUMIX G X VARIO 12-35ミリ/F2.8 ASPH./POWER O.I.S(18ミリで撮影) 絞り優先オート F5.6 1/60秒 −0.3補正 ISO320 3888×3888ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

パナソニック LUMIX GX8 作例
◆パナソニック LUMIX DMC-GX8 LEICA DG MACRO-ELMARIT 45ミリ/F2.8 ASPH./MEGA O.I.S 絞り優先オート F4 1/160秒 +0.3補正 ISO200 3888×3888ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

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DMC-GH4やDMC-GX8のような強い個性はないが、機能の充実ぶりやコストパフォーマンスの高さが魅力の『パナソニック LUMIX DMC-G7』。できるだけ出費を抑えながら、4K動画や4Kフォト、空間認識AFを活用した高速動体撮影…といった、ハイレベルな撮影が楽しめるモデルである。

マイクロフォーサーズ最高画素数の新型センサーを採用。そして、クラシカルデザインのボディに最新機能を数多く搭載する”羊の皮を被った狼”的な『パナソニック LUMIX DMC-GX8』。じっくり撮って良し! アクティブに撮って良し!! …という、多彩ぶりが光る実力派モデル。内蔵フラッシュが搭載されていない点を除けば、機能面でDMC-G7に勝る点は多くあるが、劣る点はあまりないのである。

…では、どちらを選べば良いか? まあ、どちらも高機能なモデルなのは間違いない。あとは、予算やデザインや作りの好みとか、内蔵フラッシュやボディ内手ブレ補正機能の有無、こういった点が選択のポイントになるかなぁ。