飛鳥の田園地帯に広がるナノハナ畑をバックにして…。今回の奈良取材では、複数のデジタル一眼レフを使用した。でも、メインカメラが何であろうと、ボクの旅には、IXYデジタル90のような“軽快なコンパクトデジ”が欠かせない。
少し間が空いちゃったけど、IXYデジタル90の後編いきます! この春は取材で地方に行く機会が多かった。前回(前編)は、南九州取材の時の話&写真。今回は、その後の奈良取材での話&写真デース。
飛鳥の集落で、ふらりと小さな路地に踏み込む。そこで出合った白ワンちゃん。最初は「ワンワンワン!」と吠えまくっていたが、ゆっくり近づいたら、次第にフレンドリーになってきた。ほ〜ら、ボクらはもう友達さ(笑)。
奈良はボクの大スキな場所である。特にスキなのが飛鳥(明日香村)。ここには石舞台古墳や亀石など、古代ロマンを感じさせる遺跡や出土品が多くあるけど、個人的にはそういうモノは、あまり撮り続けたいとは思わない。ボクにとっては、この土地の“素朴な農村風景”の方が魅力的なんだよね〜。
一面のナノハナ畑…じゃなくて、ぽつんぽつんと空地(?)も目立つ。でも、そういう風景の方がリアルな感じがしてスキ。ナノハナの黄色や点在するカゴの青色を強めるため、マイカラーを「くっきりカラー」に設定。
さて、このIXYデジタル90の大きなウリは、3.0型の大型液晶モニターだけど、大きいだけじゃボクの心は動かないよ(笑)。まず、高精細であること。これは「約23.0万画素」のスペックなので問題ナシ。そして、明るさやコントラストや色再現。これらの点も良好である。特にメリハリがあるのがイイ。新採用の「クリアライブ液晶」が効いている。ただし、明るい屋外では、どうしても暗く見えてしまう(キヤノン機に共通する弱点だが)。そういう場合には、「LCDブースター機能」が効果的。操作もいたって簡単。DISPボタンを約1秒押し続けるだけである(再度押すと通常の明るさに戻る)。この機能を使用すれば、かなり視認性は高まる。
タッチホイール(十字キー)の上に、独立した再生ボタンがある。ココがIXYデジタル90のキモ!! 撮影と再生チェックを繰り返すほど、そのありがたさを実感する。
飛鳥坐神社(あすかにいますじんじゃ)の近くで見かけた、微妙テイストの手描きの看板。毎年2月に、この神社で催される『おんだ祭り』のワンシーンですな。この祭り、ユーモラスでちょっとエッチ…らしい。これは望遠端で撮ったもの。ん〜、少しソフトな描写かな。
そして、同時デビューのIXYデジタル10にはない「独立した再生ボタン」を装備しているのががイイ。これによって、撮影とチェック(再生)の切り替えが、とてもスムーズになる。撮影中にモードのダイヤルやスイッチをカチカチ切り替えるのって、けっこう面倒だからね(違うポジションとかに入っちゃうし)。移動中に「さっき撮ったアノ写真、見たいナ〜」と思った時も、電源ボタンじゃなくて再生ボタンを押す。そうすると、レンズも繰り出さない。でもって、そのまま終了するなら再生ボタンもしくは電源ボタンを押す。撮影に移行したい場合はシャッターボタンを押す。う〜ん、わかりやすい!!
ISO感度をオートに設定していても、シャッターボタンを半押しすると、実際の感度が表示される。これは便利な機能だね。そして、その感度は「Exifリーダー」などでも確認できる(従来機は表示されなかった)。
飛鳥坐神社の横の道で、夕方の光景を撮る。こういった素朴な風景がスキなんだよね〜。ホワイトバランスはオートだけど“夕方の色味”を出した絶妙な色再現が得られた。
気になる描写性能は「まずまず」といった感じかな。以前使ってたIXYデジタル700ほどのキレは感じないし、少し前に使っていたIXYデジタル800ISほど細部描写が自然じゃない。まあ、700はセンサーサイズが大きかったし、800ISは画素数が少なかったから、単純には比較できないけどね。それでも、現在発売されている同クラス(1/2.5型で700万画素台のセンサーを採用)のライバル機と比べると、画質はかなりイイ線いってると思う。ISO感度オートで内蔵ストロボを発光させると、ポーンとISO200くらいまで上がってるけど、特にノイズ感は気にならない。でも、同じ感度でもノンストロボだと、ノイズ感が少し目立つんだよね。不思議〜!
山の麓(ふもと)にある岡寺を目指す。その途中の山道で、味のある標識を見つけた。大半は日陰部分だが、画面上には日向部分も入っている。そのハイライト部の階調が、思った以上に描写されていた。
正直なところ、IXYデジタル90を使っていると、700や800ISが懐かしくなることもある。「こういう場面だと、700はもっとシャープに描写するよなあ」とか「800ISはISO200くらいで細部描写が怪しくなる事はなかったよなぁ」…と。でも、そういう以前の機種に戻りたいとは思わない。前述の3.0型液晶モニターや独立再生ボタンなどに加え、フェイスキャッチテクノロジーを代表とする各種機能の充実ぶりは「やはり最新のIXYデジタルは違う!」と感心させてくれるからね。