「X-Pro2+XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR」のセット。
先日、ひょんなことから『富士フイルム X-Pro2』を借りて使用する機会が訪れた。おおっ、この3月に発売されたばかりの、Xシリーズのフラッグシップモデル(X-T1の上)じゃないか!
従来モデル「X-Pro1」の大きな特長は、光学ファインダーと電子ビューファインダーが切り換えられる「ハイブリッドビューファインダー」。それが後継モデルの「X-Pro2」では、装着レンズ以外の画角が確認できるブライトフレームシミュレーション機能などが搭載された「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」に進化している…って、名前長いな(笑)。また、アイポイントが14mmから16mmになったり、視度補正ダイヤルも搭載されたりと、基本的な仕様も高まっている。
X-Pro2と一緒に借りたのは、これも2月に発売されたばかりの超望遠ズームレンズ『XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR』。14群21枚のレンズ構成で、EDレンズ5枚、蛍石レンズに匹敵するスーパーEDレンズ1枚使用…といった贅沢な光学設計により、クラス最高レベルの高画質を実現している、とのこと。「全長210.5mm・重さ1375g」という、決して軽快とは言えないレンズだが、APS-Cサイズ対応の高性能な超望遠ズーム(35ミリ判換算で152-609ミリ相当)としては、悪くない数値だと思う。ちなみに、35ミリ判対応の「タムロン SP150-600ミリF/5-6.3 Di VC USD」だと「全長257.8mm・重さ1951g」という仕様になる。このタムロン製品でも、十分小型軽量な製品なんだよなあ…。
ISO感度機能(確認窓)を組み込んだシャッターダイヤルが斬新…というか懐かしい。1970年代あたりのMF一眼レフっぽい雰囲気だよね。電源レバーなどは、もう少し高級感が欲しいところ。
ボディサイズが「幅140.5×高さ82.2×奥行45.9mm」のX-Pro2は、主力モデルのX-T1と比べると、幅の大きさとフラットな形状(ペンタ部のような出っ張りがない)のせいで、かなり大柄な印象を受ける。う〜ん、特に正面から見ると「デカっ!」って感じるな…。でも、手にしていろいろ操作してみると、マグネシウム合金製ボディの堅牢性や剛性感が実感できて好印象。
ほかのXシリーズと同様、背面部のリアコマンドダイヤルやセレクターファンクションボタン(十字キー)の外観や使用感などは、少々物足りなさを感じた。端的に言えば “高級機らしからぬ感触” なのよね。まあ、ボク個人の印象だけど…。ISOダイヤル内蔵のシャッターダイヤルや、露出補正ダイヤル。これらのパーツの材質感や操作性はイイ感じ。
XF100-400ミリの最短撮影距離は、ズーム全域で「1.75m」という仕様。”すごくアップで撮れるレンズ” ではないが、超望遠域をカバーする製品としては悪くない。
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(290ミリで撮影) シャッター優先オート F5.2 1/250秒 WB:オート ISO640 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(400ミリで撮影) シャッター優先オート F5.6 1/2000秒 WB:オート ISO640 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
太陽反射が強烈なガラス製のドーム。だが、非常にクリアな描写を得ることができた。
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(400ミリで撮影) 絞り優先オート F11 1/680秒 WB:オート ISO200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
超望遠特有の “引き寄せ効果” と “圧縮効果” を利用して捉えた特急列車。かっこいい。
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(400ミリで撮影) シャッター優先オート F5.6 1/2000秒 WB:晴天 ISO1250 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
APS-Cサイズのカメラとしては、かなり高感度性能も良さげである。このISO6400の描写を見ても「これなら十分使えそう」と感じる。
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(100ミリで撮影) 絞り優先オート F8 1/680秒 −0.3補正 WB:電球 ISO6400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ) 三脚
Xシリーズの新フラッグシップモデル「X-Rro2」が借りられたのはウレシイけど、一緒に借りることができたレンズが “XF100-400ミリ1本だけ” ってどうなのよ!? 広角端152ミリ相当って…相当ツライよ。ダジャレもツライ(笑)。
でも、そこはそれ。「もーっ、望遠〜超望遠の視点で被写体を探すわ!」と開き直るしかない。実際、そういう覚悟で臨めば、意外と違和感なく撮影を楽しむことができた。…むしろ違和感があったのは、望遠寄りの画角じゃなくて “大きさと重さ” のほうかな? いや、1日目や2日目あたりはまだイイよ。でも、3日目くらいになると、さすがに嫌になってくる(笑)。「あ〜、XF27ミリF2.8のような軽快なレンズ1本だけ持って出かけたいヨ」…という欲求が沸き上がってきたからねぇ。
そんな “大きさと重さの苦労話” はさておき、XF100-400ミリを使って感心したのは、クラス最高を謳う “5段分の手ブレ補正” の効果の高さ。下に掲載しているのは、夕暮れ時の公園のSL。そのヘッドライト部分をシャッター速度「1/15秒」に設定して、望遠端で手ブレ補正をONとOFFにして撮り比べてみた(※手持ちの状態で5カット撮影し、その中から最もブレが少ないカットを選んで部分切り出し)。
望遠端「609ミリ相当」で手ブレが防げる速度の限界を「1/500秒」くらいだとすると、この「1/15秒」はちょうど5段分遅い速度になる。そのブレ補正能力は、掛け値ナシに優秀だった。手ブレ補正ONでも手ブレを起こしたカットもあったが、それでも5カット中3カットくらいは合格点。ちなみに、手ブレ補正OFFの方は全滅だった(当たり前だけど)。
今回借用した「富士フイルム X-Pro2+XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR」の組み合わせで、動物園の動物たちの姿や、走る電車や自動車の勇姿などで “超望遠の視点の醍醐味” を味わうことができた。もちろん、単に超望遠で撮れるだけでなく、X-Pro2ボディとXF100-400ミリの連携による “ハイクォリティな描写” にも感心。それに、コンパクトな1.4倍テレコンバーターを加えると、もっと超望遠撮影が楽しくなるヨ!
XF100-400ミリに既存の1.4倍テレコンバーター「フジノン テレコンバーター」XF1.4X TC WRを組み合わせれば、140-560ミリ(213-853ミリ相当)の撮影も可能になる。
560ミリ(テレコンバーター併用)
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR+テレコンバーターXF1.4X TC WR(560ミリで撮影) シャッター優先オート F8 1/1000秒 WB:オート ISO500 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
400ミリ(レンズ単体)
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR(400ミリで撮影) シャッター優先オート F7.1 1/1000秒 WB:オート ISO400 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR+テレコンバーターXF1.4X TC WR(560ミリで撮影) シャッター優先オート F8 1/1000秒 WB:オート ISO400 4000×6000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)
<span class=”cap”◆富士フイルム X-Pro2 XF100-400ミリF4.5-5.6 R LM OIS WR+テレコンバーターXF1.4X TC WR(560ミリで撮影) シャッター優先オート F8 1/1000秒 WB:オート ISO3200 6000×4000ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)