機材レポート

“EOS基準” の画像調整機能、ついに搭載される!!『キヤノン パワーショット G7 X Mark II』

キヤノン PowerShot G7 X Mark II(撮影:吉森信哉)
新画像処理エンジン「DIGIC7」の搭載により、総合性能が比較的に高まった『キヤノン パワーショット G7 X Mark II』。グリップが設けられたシャープな印象のボディデザインも、これまでのG7Xとは異なるポイント。

キヤノン PowerShot G7 X Mark II(撮影:吉森信哉)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II(撮影:吉森信哉)
EOSでお馴染みの仕上がり設定「ピクチャースタイル」。オート、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル…など、8種類のプリセット項目を搭載。そして、これもEOSでお馴染みの階調補正機能「オートライティングオプティマイザ」も搭載している。どちらもRAW+JPEGで使用可能。

 小型軽量設計ながら、センサーやレンズが優秀で、一眼カメラ顔負けの上質な写真が撮れる。ボクはそんなコンデジに惹かれてしまう。まあ、現在のところ「ソニー サイバーショット DSC-RX100」を気に入って使い続けてるいるから(2012年の発売日に購入したモノ)、その手の新製品が登場しても、あまり気にしないようにしている。そう、気にしないフリ。購入資金のアテがないからね(笑)。

 そんな”高級コンデジ自粛中”のボクだけど、どうしても気になる製品もある。その代表格が『キヤノン パワーショット G7 X Mark II』である。このカメラがなぜ気になるのか? それは、一眼レフEOSシリーズでお馴染みの仕上がり設定「ピクチャースタイル」機能が、キヤノンのコンデジで初めて搭載されたから。

これまでのキヤノンのコンデジには「マイカラー」という色調整機能が搭載されてきた。だが、この機能が使えるのは、画質モードがJPEGのみの場合。RAW+JPEGなどに設定すると使用できない。また、マイカラー以外にも「ダイナミックレンジ補正」や「暗部補正」などの画像調整機能も、RAW絡みの画質モードにすると使えなくなる。どんなに描写性能や機能の高さを謳うカメラでも、こういう仕様だと正直言って興ざめ。言いたかぁないけど、ソニーのRX100シリーズとかは、最初からこの手の調整機能を搭載してるんだよなぁ。

ということで、EOS並の画像調整が可能になった「パワーショット G7 X Mark II」の登場を評価したい。ちなみに、階調補正機能「オートライティングオプティマイザ」も搭載していて、これもRAW+JPEGで使えるよ。

実際のピクチャースタイルの選択に関しては、汎用性の高い「オート」の満足度が高かった。このあたりの傾向も、EOSシリーズに近いかな? 風景撮影などで鮮やかな仕上がりを求める場合でも「風景」でなく「オート」でOKな場合が多いと感じるのだ。

ピクチャースタイル:風景
キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(24ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F4.5 1/1250秒 WB:太陽光 ISO160 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

ピクチャースタイル:ニュートラル
キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(24ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F4.5 1/1250秒 WB:太陽光 ISO160 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

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キヤノン PowerShot G7 X Mark II(撮影:吉森信哉)
サイズは105.5×60.9×42.2mm(幅×高さ×奥行き)。バッテリーとメモリーを含む重さは約319g。手にすると良い意味での”重み”を感じる。ボディ全体やダイヤル類などの質感も高い。

 「1/1.7型」の約2.7倍の面積の「1.0型」CMOSセンサーを採用。コンパクトなボディに24-100ミリF1.8-2.8の大口径ズームレンズを搭載(※焦点距離は35ミリ判換算の値)。こういった基本仕様は、前モデル「パワーショット G7X」から継承している。

 だが、画像処理エンジンは「DIGIC6」から「DIGIC7」に進化。これにより、低ノイズ化、より強力なブレ補正、追尾・検出性能の高精度化、撮影間隔の短縮…といった、多方面に渡る実写性能の向上を実現している。あっ、レンズの絞り込み過ぎによる回折現象の改善も、この「DIGIC7」搭載で実現されたんだよね。

可動式の液晶モニターは、従来からの「上方向180度」に加えて「下方向45度」にも動くようになった。この仕様変更もウレシイ。これならハイアングル撮影にも便利ですわ!

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
ピクチャースタイル「オート」は、鮮やかさが求められる風景撮影にも向いたモード。
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(24ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F4.5 1/800秒 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(100ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F2.8 1/1000秒 +0.3補正 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
ほかの”1.0型センサーのパワーショット”と同様、マクロ域での絞り開放付近の撮影だと少しソフトな描写になる。…けど、以前に使ったG1X Mark IIほどじゃないかな。
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(100ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F2.8 1/1250秒 +1補正 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(28ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F5.6 1/800秒 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(50ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F5.6 1/320秒 −0.7補正 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(100ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F2.8 1/200秒 +0.3補正 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(100ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F2.8 1/200秒 −0.3補正 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO200 3648×5472 JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
色鮮やかさと同時にメリハリ感も欲しい場面だったので、ピクチャースタイルを「風景」に設定して撮影した。
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(85ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F4 1/200秒 −0.3補正 ピクチャースタイル:風景 WB:オート ISO400 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

キヤノン PowerShot G7 X Mark II 作例(撮影:吉森信哉)
◆キヤノン パワーショット G7 X Mark II(35ミリ相当で撮影) 絞り優先オート F4.5 1/640秒 ピクチャースタイル:オート WB:オート ISO125 5472×3648ピクセル JPEG(※オリジナルデータ)

 シャツのポケットに収納…はキビシイかもしれないが、一眼レフボディや交換レンズを携行するバッグの隙間には楽に収納できる『キヤノン パワーショット G7 X Mark II』。その携行性の良さや利便性の高さは、いろんな撮影シーンで実感できるはず。携行性重視なら弟分(妹分?)のパワーショット G9Xもアリだろう。だけど、このG7 X Mark IIには”望遠側も明るい高性能ズーム”や”上下可動式の液晶モニター”といった魅力的な特長があるからね。

 初めに述べたとおり、画質モードに関係なく使用できる画像調整機能の「ピクチャースタイル」や「オートライティングオプティマイザ」の搭載が何よりもウレシイ。ああ、これでようやくEOSシリーズと同じ感覚の”絵作り”ができるようになるよー。