高性能なレンズに与えられるAPO-LANTHAR (アポランター) の名を冠したマクロレンズが、ライセンス契約の下でニコンZマウントに最適化。Zユーザー待望のMF標準マクロレンズ「フォクトレンダー MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical」が登場した。
光学性能を追求し、大柄だが操作はスムーズ
35mmフルサイズ対応のニコンZマウント用マクロレンズ。標準域といえる焦点距離だが、光学性能を追求したアポランターであることや、繰り出し量が大きいマクロレンズであるため大柄だ。
鏡筒には金属を使用し、重さも618gあり、手にするとずっしり感が伝わってくる。ピントはMF専用。最短撮影距離まで1周近く回転するが、スムーズで操作しやすい。
近接時の高い解像力と質感描写が好印象
最短撮影距離31cm、最大撮影倍率0.5倍で小さな花を撮影。フローティング機構が採用され、近接時でも解像力が非常に高く、花びらの質感再現も良好だ。標準域のマクロレンズとしてはヘビー級だが、それだけの性能を持つ。
色収差のないクリアな描写性能
50mmより少し長めの焦点距離なので、中望遠レンズで撮影している感覚に近い。植物を前ボケに入れて、絞り開放で奥行き感を表現した。自転車のフレームを見ると、金属の感触が伝わってくるようだ。色収差もまったくない。
さすがのシャープさ! マルチに使えるマクロレンズ
描写は絞り開放から、さすがアポランターと思わせるシャープさだ。高解像度の「Z 7II」でもまったく甘さはない。最大撮影倍率は0.5倍だが、通常は十分だろう。
絞り羽根は10枚でボケは素直。ただし円形ではないため、絞ったときの点光源のボケは角張る傾向にある。接写はもちろん、風景やネイチャーからポートレートまで、マルチに使えるマクロレンズだ。
色収差補正にこだわった光学設計を採用
8群10枚のレンズ構成のうち、6枚が異常部分分散ガラス、1枚が両面非球面レンズという贅沢な作り。色収差を抑えたシャープな描写を追求したことで、APO-LANTHARの名前が付けられた。
フォクトレンダー MACRO APO-LANTHAR 65mm F2 Aspherical
発売日 2022年11月24日
希望小売価格 137,500円 (税込)
マウント ニコンZマウント
レンズ構成 8群10枚
絞り羽根 10枚
最短撮影距離 0.31m
最大撮影倍率 0.5倍
フィルター径 φ67mm
最大径×全長 φ78×88.8mm
質量 618g