パナソニックのフルサイズミラーレス「LUMIX S5」が「LUMIX S5II」に生まれ変わった。高い写真の表現力と新たなAF・手ブレ補正の高操作性を両立したというその性能を、コムロミホさんが淡路島への撮影旅で体験してきたので紹介しよう。
軽快に使える「LUMIX S5II」で旅の記憶を高画質に描く
今回、「LUMIX S5II」を持って淡路島へと旅に出かけた。「LUMIX S5II」は基本性能が大きく進化。新開発のセンサーと、ライカと共同開発した新世代の画像処理エンジンを搭載することで、解像感、発色の美しさ、高感度性能が大きく向上している。今回訪れた淡路島の洲本は、夜になると街灯も少なく真っ暗だったが、ISO12800で撮影してもノイズが目立ちにくく、さらに解像感もしっかりと残っていた。
磨き上げられた画質と豊かな階調表現
神戸と淡路島をつなぐ明石海峡大橋を撮影。橋や船のディテールを細かく描写し、青い空のグラデーションも階調豊かに表現されている。キットレンズ「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」は広角端が20mmのため、旅スナップや風景撮影と相性がいい。
発色の美しさが秀逸
約5万本の松が砂浜に沿って生い茂る慶野松原へ。ちょうど夕日が落ち、海や空が真っ赤に染まっていた。その美しさを表現したいと思い、フォトスタイルを「ヴィヴィッド」に設定し、鮮やかさをプラス。また松がシルエットになるように、露出補正を−1/3に設定。手前の松をフレーミングすることで、奥行きのある写真に仕上げることができた。
シャッターチャンスを逃がさない高速・高精度AF
そして最も進化したのがAF性能。従来のコントラストAFに加え、ついに像面位相差AFを搭載。より素早く、より正確に、安定したピント合わせが可能になった。静止画と動画両方にメリットが得られる。
新搭載の像面位相差AFによりチャンスを逃さない!
従来のコントラストAFに加え、新しく搭載された像面位相差AFにより、さらに正確で素早いピント合わせが可能になった。橋を背景に猫が歩いているという絶好のシャッターチャンス! 動物認識AFをONにすることで、猫にピントが合った写真を簡単に撮影することができた。
手ブレ補正が進化! 手持ちのスローシャッターも動画も安心して撮影できる
手ブレ補正も進化。静止画はスローシャッターでもブレにくく、動画は手持ち撮影によるブレを補正。歩きながらの撮影でも、ブレを補正しスムーズな動画を撮影できる点には驚かされた。
強力な手ブレ補正で夜の手持ち撮影もOK
F22に絞って街灯の光を光条にしたことにより、幻想的な夜の雰囲気に仕上がった。絞り込みによりシャッター速度が1秒になったが、強力な手ブレ補正のおかげで、三脚を使用せずに手持ちでシャープに撮影することができた。
新しい「フォトスタイル」でオリジナルの表現にできた
LUMIXは「フォトスタイル」により多彩な絵づくりの写真や映像撮影ができるが、「LUMIX S5II」には「リアルタイムLUT」が追加された。あらかじめ好みのLUT※を登録しておくことで、その絵づくりを適用した写真や動画を撮影できる。LUTにはさまざまな種類があり、自分で作ることも可能なので、より思い通りの表現を楽しめるはずだ。
※ルックアップテーブル。映像の色を変換するためのプリセットのこと。
写真の表現力を広げてくれる「リアルタイムLUT」
「LUMIX S5II」にLUTを登録することで、さまざまな表現を撮って出しで楽しめるようになった。こちらの写真はいつも動画編集時に使用しているオリジナルのLUTを使用。漁港の風景をドラマチックなワンシーンへと仕上げることができた。
何気ないシーンも「L.モノクロームD」で味わい深い写真に
フォトスタイルの「L.モノクロームD」を選び、粒状を「強」に設定した。何気ないワンシーンも深みのあるモノクロで表現することで味わい深い写真に仕上げることができる。朽ちてきた建物や枯れ木と、生い茂る笹の葉の対比が面白いと思い、このシーンを撮影。カラーだと色に目がいくが、モノクロだと質感をしっかりと伝えることができるため、この対比を強調することができた。
ノイズが減り高感度画質が大きく進化
暗くなった商店街の一角を撮影した。ISO12800で撮影しているが、ノイズが目立ちにくく、被写体の解像感もしっかりと残っている。前機種の「LUMIX S5」と比較してみても、高感度性能は大きく進化しているように感じる。
静止画と動画、両方の撮影が手軽に楽しめる
「LUMIX S5II」は静止画も動画も両方とも楽しみたい方にピッタリなカメラに仕上がっている。使い方次第でさまざまな楽しみ方ができるので、ぜひ「LUMIX S5II」で自分なりの表現を見つけてもらいたい。
小型・軽量だから “旅カメラ” にオススメ
「LUMIX S5II」の魅力は、高画質と小型・軽量を両立していること。荷物をあれこれ持ち運びたくないときや、今回のように1泊で旅に行くときなど、身軽に撮影を楽しめるのが嬉しい。
ダブルレンズキットは「LUMIX S 20-60mm F3.5-5.6」と「LUMIX S 50mm F1.8」で構成されている。この2本の組み合わせがあれば、さまざまな表現を楽しめそうだ。「LUMIX S5II」からLUMIX ユーザーになるという方には最適だ。
スナップに欠かせない「LUMIX S 50mm F1.8」
漁港に置いてあった網を単焦点レンズの「LUMIX S 50mm F1.8」で撮影。今回からダブルレンズキットに追加になった本レンズだが、スナップには欠かせないレンズだろう。繊細に細かなディテールを表現しながらもボケの美しさを得ることができるため、網にあたる光がキラキラと丸ボケになり、幻想的な一枚に仕上がった。
LUMIX S5II
画像処理エンジン 新ヴィーナスエンジン
AFシステム 像面位相差AF (779点) + コントラストAF (315点)
連写性能
メカシャッター : AFS・MF 約9コマ/秒、AFC 約7コマ/秒
電子シャッター : AFS・AFC・MF ともに約30コマ/秒
手ブレ補正 5軸補正 (Dual I.S.2 対応)
ファインダー 約368万ドット有機EL (倍率約 0.78 倍)
液晶モニター 3.0型 約184万ドット (タッチパネル、フリーアングル)
動画性能 6K/30p対応
幅×高さ×奥行 約134.3×102.3×奥90.1mm
質量 約740g (バッテリー、SD メモリーカード1枚を含む)
→「LUMIX S5II」の詳しい情報はこちら
ハーフマクロまで楽しめる! 新・超広角ズームがまもなく発売
「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」は、超広角ズームレンズでありながらもハーフマクロまで楽しめるユニークなレンズ。最短撮影距離の15cm付近まで近づけば、被写体のディテールを表現しながらも背景が広く写るため、臨場感のあるスナップ写真を撮ることができる。
LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO
最短撮影距離 0.15m
最大撮影倍率 0.5倍 (28mm時)
フィルター径 77mm
絞り羽根枚数 7枚 (円形虹彩絞り)
最大径×長さ φ84.0×約89.8mm
質量 約345g
→「LUMIX S 14-28mm F4-5.6 MACRO」の詳しい情報はこちら
〈協力〉パナソニック株式会社