伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2023年7月号 アザーショット ④
キヤノンのミラーレスカメラ「EOS R8」は約461g※とフルサイズ機としては驚くほど軽量だ。ただボディ内手ブレ補正は非搭載なので、常用標準ズームはレンズ内手ブレ補正搭載で、望遠ズームと組み合わせた際に焦点距離域に空白域が少ないことが望ましい。そうした観点から4本のRF標準ズームレンズをピックアップし、特徴や描写性能をチェックしてみた。
今回は、広角24mmから望遠240mmまでカバーする高倍率ズームレンズ「RF24-240mm F4-6.3 IS USM」をチェックする。
※バッテリー、メモリーカードを含む。
- RF24-50mm F4.5-6.3 IS STM 実写チェック
- RF24-105mm F4-7.1 IS STM 実写チェック
- RF24-105mm F4 L IS USM 実写チェック
- RF24-240mm F4-6.3 IS USM 実写チェック
キヤノン RF24-240mm F4-6.3 IS USM
[マウント] キヤノンRFマウント [最大径×長さ] φ80.4×122.5mm [重さ] 約750g [レンズ構成] 15群21枚 [最短撮影距離] 0.5m (24mm時) [最大撮影倍率] 0.26倍 (240mm時) [絞り羽根枚数] 7枚 [フィルター径] φ72mm
参考価格 148,500円 (税込)
レンズ補正後の画像に乱れは感じない
24mmスタートの高倍率ズームで、「EOS R8」と組み合わせるには大きく重いレンズだが、別途、望遠ズームも持って歩くことを考えれば、トータルではむしろ軽量。デジタルによるレンズ収差補正を前提とした設計で、補正なしではワイド端の四隅がけられてしまうが、補正後の実写ではその影響はほぼ感じられない。周辺まで非常にシャープな描写だ。
幅広いシーンに対応できるのが強み
テレ端は240mmと、70-200mmズームよりも望遠に強く、ナノUSMなのでAFも速い。「EOS R8」のAF&トラッキング性能なら、動く被写体もアップで狙うことが可能だ。また、ワイド端が24mmと広いので、被写体がすぐ近くまで迫ってくるシーンでも対応できるのも強みだ。
寄りにはやや弱いが、にじみや色ズレは少ない
ワイド端で50cmとあまり寄れないのは弱点だが、テレ端は78cmまで寄れる。ズームすれば望遠レンズならではの圧縮効果と大きなボが期待でき、背景をすっきり整理し、密集感のある花のクローズアップ撮影が可能。白い花を拡大してみてもにじみや色ズレはなく、解像性能も高い。
※参考価格は記事執筆時点の量販店価格です。