フォクトレンダーからキヤノンRFマウントに最適化されたMF標準レンズ「NOKTON 50mm F1 Aspherical RF」が登場した。開放F1の超大口径に加え、電子接点を持ち、カメラとの通信を実現した注目のレンズだ。
キヤノンユーザー待望の超大口径MF単焦点レンズ
CP+2023でお目見えし、多くのEOS Rシステムユーザーの注目を集めた「NOKTON 50mm F1 Aspherical RF」が発売された。国内レンズメーカーとして初のRFマウントレンズで、しかもカメラとの通信が可能な電子接点を備えている。
鏡筒はこれまでのノクトンと同様に総金属製。ダイヤパターンを採用するフォーカスリングと絞りリングの作りは緻密で繊細だ。特にフォーカスリングの操作性は圧倒的な滑らかさで、写真を撮る喜びが味わえる。もちろん光学系についても隙はなく、GA (研削非球面) レンズの採用などにより、その写りは大いに満足できる結果だった。
これまでサードパーティー製のRFマウントレンズといえば、中国製の接点の無いものがほとんどだっただけに、本レンズの登場はとても嬉しい。
注目ポイント
高品位なデザインの重量級MFレンズ
MFレンズではあるが、開放F1の超大口径のため標準レンズとしては鏡筒が太い。総金属製で重量もそれなりにあるが、作りは高品位だ。写真には写っていないが、金属製の専用フードが付属する。
撮影に便利なカメラ機能が使える
電子接点により、Exif情報やボディ内手ブレ補正、3つのフォーカスアシスト (拡大表示 / ピーキング / フォーカスガイド) に対応する。ただし、カメラ内の光学補正には対応しておらず、レンズの持つ描写特性をそのまま生かす仕様だ。
大径の研削非球面レンズを第1面に搭載
レンズ構成は7群9枚。非球面レンズを2枚使用し、第1面にGA (研削非球面) レンズを採用。GA レンズの製造は手間がかかるが、高屈折ガラスが使用でき、レンズ構成をシンプルにできる。
実写作例
溶けるようなボケと合焦面のキレを両立
開放F1で撮影。超大口径でMFのためピント合わせに気を遣うものの、合焦面のシャープネスは高く、画面全体のコントラストも良好だ。ボケ味は柔らかく、合焦面からナチュラルに、しかも溶けるようにぼけていく。
F5.6に絞り込むとキレキレの描写に
絞り込むと解像感はさらに向上する。画面周辺部までキレが良く、周辺減光もまったく気にならないレベルである。ポートレートや風景など、被写体とじっくり対峙して絞りをコントロールするような撮影に使いたい。
フォクトレンダー NOKTON 50mm F1 Aspherical RF
発売日 2023年10月26日
希望小売価格 264,000円 (税込)
マウント キヤノンRFマウント
レンズ構成 7群9枚
絞り羽根枚数 12枚
最短撮影距離 0.45m
最大撮影倍率 1:6.9
フィルター径 67mm
最大径×全長 φ79.3×64.0mm
質量 650g