伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2024年1月号 アザーショット【前編】
これまでなかった超広角領域へ。フルサイズミラーレス用AFレンズ最超広角をカバーする「RF10-20mm F4 L IS STM」と、RF-Sマウント初の超広角ズーム「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」。これまでの常識を覆すサイズ感や描写性能を持つ、注目の10mmスタート超広角ズームをチェックした。
前編では「RF10-20mm F4 L IS STM」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2024年1月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- キヤノン RF10-20mm F4 L IS STM 実写チェック
- キヤノン RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM 実写チェック
キヤノン RF10-20mm F4 L IS STM
[マウント] キヤノンRFマウント [最大径×長さ] 約φ83.7×112mm [重さ] 約570g [レンズ構成] 12群16枚 [最短撮影距離] 0.25m [最大撮影倍率] 0.12倍 (20mm時) [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター] 後部ゼラチン式
参考価格 376,200円 (税込)
1秒前後の夜景写真が画面周辺までぶれずに撮れる
これがAFレンズとしては世界最広角のフルサイズ10mmの世界。都庁前広場を囲む都議会棟と都庁舎を一画面に収められるだけでなく、周辺ブレに強い手ブレ補正機能で、1秒前後のスローシャッターでも手持ちでぶれないのは魅力だ。
ゴーストは出にくくフレアもごくわずか
新宿御苑の手向山 (カエデ)。樹の内側から撮影すると、伸びた枝や葉っぱが芸術的な形になる。超広角ならではのデフォルメ効果だ。ゴーストは出にくく、太陽の周辺と左下に淡いフレアが確認できる程度だ。
画面全体で解像に乱れは見られない
最短撮影距離はズーム全域で25cm。ワイド端絞り開放でモミジの葉っぱにググッと迫ってみた。さすがに、超広角なので周辺は引っ張られたように変形するものの、不快な解像の乱れは感じない。後方のボケも自然で滑らかな部類だ。
ぶれている葉以外は非常にシャープな描写
河口湖の紅葉回廊で、一番見ごろのエリアを世界最広角の10mmで撮影。見上げる高さの紅葉と地面を横位置で収めることができた。一部、風で揺れている葉はぶれているが、それ以外は非常にシャープに写っている。
周辺解像は絞り開放から安定していて乱れがない
ビル内のツリーと窓ガラスのリフレクションがフォトジェニックなので、少しアンダー目の露出で撮影。うっかり夜景用のホワイトバランスを戻し忘れたが、ブルーの色調はこのカットにむしろ効果的。絞り開放でも周辺の解像は非常に安定していて、像の乱れもほとんどないのはスゴい。
後編では「RF-S10-18mm F4.5-6.3 IS STM」の描写力をチェックします。
本記事で紹介した以外の実写作例と詳しい解説は『CAPA』2024年1月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。