写真家・桃井一至がManfrotto三脚の魅力に迫る
マンフロットが三脚を作り始めて半世紀。写真から動画ユーザーまで、今なお高い人気を誇るマンフロット三脚の魅力を紹介しよう。
オシャレで安心感の高い老舗ブランドの三脚システム
欲しい撮影アクセサリーの代表格である三脚。イタリア発のブランドとして、人気のマンフロット三脚がこのたび50周年を迎えた。
マンフロットは1960年代にフォトジャーナリストのリノ・マンフロットが創業。その後、技術者のジルベルト・バットッキオと力を合わせて事業を発展させた。現在では三脚、バッグ、スタジオ用品など、豊富なアクセサリーをそろえ、世界中のフォトグラファーに愛されている老舗ブランドだ。
特徴的なのは、アイデアを盛り込んだ高い機能性と使いやすさを兼ね備えたユニークなデザイン。原色の赤をあしらったアクセントやエンブレムを盛り込むあたりが、美意識の高いイタリア家具やファッションなどを彷彿とさせてくれる。これらの一貫したアイデンティティーも衰えない人気のひとつだろう。ロングセラーの定番製品も多数あり、長年培われてきた道具としての高い安心感にも心惹かれる。
近年、カメラの手ブレ補正技術の向上で、三脚は軽視されがちだが、単に手ブレを防ぐ役割だけでなく、安定した構図で複数枚撮影したいときにも有用。言うまでもなく本格的な夜景や星景、はやりのNDフィルターなど、長時間露出を多用する撮影には欠かせないアイテムだ。また動画ユーザーに向けては、素早い水平出しや滑らかなパン操作などを考慮した機能が盛り込まれた製品が豊富に用意されている。
ここではマンフロット三脚の中でも、ミラーレスユーザーにちょうどいい、オススメの4製品を紹介する。マンフロット三脚を撮影の相棒にしてみよう。
軽量コンパクトだけどフルサイズ機にも対応「Manfrotto befree GTカーボンT 三脚キット」
桃井さん愛用モデル
コンパクトに折りたためる旅撮影の相棒です!
使い勝手の良いトラベル三脚を探していたときに、倒立収納式で収まりもよく、剛性も満足いくものだったので即購入。フルサイズ機+大口径望遠ズームの組み合わせまで、おおむね安心。脚を展開してセンターポールを半分程度伸ばせば、だいたい目の高さだ。脚部はツイストロックを採用。
愛用のスーツケースにピッタリサイズ
格納高は43cmで、機内持ち込み可能な愛用のスーツケース (33L) にピッタリ。ストラップ付き専用ケースも同梱されているので、旅のスタイルに応じて使い分けられる。
ボール雲台にフリクション機構を搭載
外周のメインノブで自由に構図を決められる。中央にあるフリクションコントロールノブは、緩める (−側) とボールが軽く動き、締める (+側) と重くなり微調整しやすい。
超望遠レンズまでしっかり支える定番三脚「Manfrotto 055プロカーボン4段三脚+XPRO自由雲台+MOVEキット
桃井さんイチ推しモデル
本格的に写真撮影を楽しみたいユーザーに好適!
適度な重量で安心感が倍増。クルマ移動が中心でフルサイズ機や中判カメラ、超望遠レンズを多用するなら、このクラスがオススメ。クイックパワーロックやMOVEクイックリリースシステムによる雲台交換など、サイズを感じさせない取り回しの良さも魅力だ。
少ない力で操作できるレバーロックシステム
クイックパワーロックと呼ばれるレバーをつかめば、それほど力を入れなくても、解除とロックが可能。丸みを帯びた形状は、デザイン性だけでなく、手も痛くならない優れもの。
センターポールを倒して自由にセッティング
センターポール底部のボタンを操作し、引き抜くようにして倒せば、すぐ水平にセットできる。乗り出すように脚から離れてカメラを固定したいときや料理撮影、複写などで重宝する。
MOVEクイックリリースシステム搭載
写真用と動画用の雲台を素早く交換
あらかじめMOVEクイックリリースプレートに種類の違う雲台やジンバルなどを取り付けておけば、ワンタッチでスピーディーに交換できる。写真と動画で使い分けることも自由自在。
ムービー撮影に挑戦したいミラーレスユーザーにオススメ!
Manfrotto befree live カーボンT 三脚ビデオ雲台キット
コンパクトで持ち運びしやすく、旅行やアクティブなV ロガーにオススメ。センターポール上部にレベリング (水平出し) 機構を備え、フルードビデオ雲台により滑らかに操作できる。
Manfrotto MVH500AHビデオ雲台+レベリング付きアルミ三脚
190Xビデオ専用アルミ3段三脚にフルードビデオ雲台を組み合わせた本格派。特にセンターポールの下端をねじって、ロック/アンロックを行なうレベリング機構は秀逸。
三脚がなければ撮れない写真がある
滝の流動感を低速シャッターで演出
滝や渓流などの水の表情を捉えるには、三脚が便利。高速シャッターによる迫力のある飛沫から、低速シャッターで糸のように流れる水の表情まで、構図を変えずに撮影できる。
カメラを三脚に固定して最高の瞬間をキャッチ
構図をしっかり決めてカメラを三脚に固定。人やクルマの動きに応じて、変化する街の様子を連続で撮影すれば、あとは人の配置など、バランスの良い一枚を選択するだけ。
桃井一至 (Kazushi Momoi)
写真家。撮影ジャンルを問わないため、ポケット三脚から見上げるくらいの大型三脚まで多数所有。最近はカーボン三脚の軽さがうれしい。公益社団法人 日本写真家協会 (JPS) 会員。
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〈協力〉ヴィデンダムメディアソリューションズ株式会社