伊達淳一のレンズパラダイス『CAPA』2024年6月号 アザーショット【前編】
フルサイズミラーレス用レンズとしては、驚くほど軽量コンパクトでコスパ抜群のパナソニック「LUMIX S 100mm F2.8 MACRO」と「LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.」。春を彩る風景で、この2本のレンズが小型軽量化により画質性能に影響がないのかチェックしてみた。
前編では「LUMIX S 100mm F2.8 MACRO」の描写力を実写作例で検証する。
伊達淳一カメラマンがさまざまなレンズを使い倒しレビューする『CAPA』の人気連載「レンズパラダイス」。本記事では2024年6月号の「レンズパラダイス」に掲載しきれなかったアザーショットとインプレッションを紹介します。
- LUMIX S 100mm F2.8 MACRO 実写チェック
- LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S. 実写チェック
LUMIX S 100mm F2.8 MACRO
[マウント] Lマウント [最大径×長さ] 約φ73.6×82.0mm [重さ] 約298g [レンズ構成] 11群13枚 [最短撮影距離] 0.204m [最大撮影倍率] 1.0倍 [絞り羽根枚数] 9枚 [フィルター径] φ67mm
参考価格 120,780円 (税込)
解像性能は高くそれでいてボケは滑らか
フルサイズミラーレス用の100mm F2.8等倍マクロとしては世界最小・最軽量なので、バリアングルモニターによる手持ち撮影でも快適。絞り開放から解像性能が高いだけではなく、前後のボケが硬すぎず階調豊かに滑らかにぼけるのが特徴だ。
AFは高速だが不規則に動く被写体を追うのはまだ難しい
従来と同じ大きさで約3倍の推力を実現するデュアルフェイズリニアモーターの採用で、フォーカス駆動は高速。ただし、蝶のように不規則に動き回る被写体は、被写体検出&トラッキングで追い続けるのは、像面位相差AF搭載の「LUMIX S5II」でもまだ難しく、1点AFで狙ったほうが確実だ。
ボケに色付きもなく非常に柔らかい
色収差は非常に少なく、前後のボケにも色付きはほとんどなし。逆光で光る花びらのハイライトにもパープルフリンジは出ていない。前後のボケも非常に柔らかく、背景は美しいグラデーションとなる。
小さな花粉の粒まで克明に描写
沈んだ色になりがちな曇天の桜を、LUMIXならではの色と階調の良さを信じて、プラス2段の大胆な露出補正でハイキー仕上げに。ピントが合っている雄しべは、花粉のツブツブまでしっかり再現されていて、フワフワぼけた写真のアクセントになっている。
毛並みの解像も高くボケのつながりも滑らか
多摩動物公園のモルモット。少し距離が離れていて、これ以上近くに寄れなかったが、中途半端な撮影倍率でも細かな毛並みまでしっかり解像。床のテクスチャーや散らばった枯れ草の微ボケを見ても、ボケのつながりが滑らかなことがよくわかる。
後編では「LUMIX S 28-200mm F4-7.1 MACRO O.I.S.」の描写力をチェックします。
本記事で紹介した以外の実写作例と詳しい解説は『CAPA』2024年6月号でご覧ください。
※参考価格は記事公開時点の量販店価格です。