「α1 II」にほれ込み、今は生粋のソニーファンという日本を代表するスポーツ写真家の水谷たかひとさん。女子ホッケーチーム「ソニーHC BRAVIA Ladies」を、「α1 II」の高性能を遺憾なく発揮し撮り下ろしてくれた。
ソニー α1 II × 水谷たかひと
スポーツを5010万画素で撮れるのはこのカメラの特権だ
「α1 II」は私にとって、ひとつの理想形に到達したカメラだ。有効約5010万画素の圧倒的な画像と、どんな被写体でも捉えたら離さないAIによるAFが、素晴らしい相乗効果を生み出している。有効約5010万画素の画質はとにかく高精細で、これはクロップやトリミングに対する余裕をもたらしてくれた。
スポーツはどれだけ超望遠レンズを使っていても、あと少し焦点距離が欲しくなることがある。そんなときクロップボタンを押すだけで、さらにアップの写真を写すことができる。そしてクロップした画像でもまったく問題のない高画質だ。
認識性能が向上したAFにより選手の一瞬の動きを確実に捉えた
試合中にボールを打つ寸前の、スティックを豪快に振るシーンを狙った。AIがほかに惑わされることなく選手を的確に追尾。拡大すると、まつ毛や眉毛の質感までしっかり描き切ってくれていた。また高速のスイングでローリング歪みが出そうなところだが、まったく歪みは見えない。
優秀なトラッキングAFをカスタマイズでさらに自分好みに
人物が複雑に交差するようなシーンでも、一度AFが被写体を認識すれば、狙った選手をトラッキングし続けてくれる。私はフォーカスエリアを縦長にカスタマイズ。これで人物に対するAFの精度が上がり、前後左右の選手にピントが逃げることがない。こうしたカスタマイズで自分好みのカメラに育てていけるのも「α1 II」ならではの魅力だ。
AIプロセッシングユニットの効果は色表現でも絶大
AIプロセッシングユニットの効果はAFで語られることが多いが、ホワイトバランスにも絶大な効果がある。今回の写真は、ユニフォームがピンク、ピッチはブルーという難しい条件。光線状態も随時変化する。こうした条件の中でも、色転びの少ない、的確な色を表現してくれる。JPEGの撮って出し画像でまったく不足がないのは、忙しいスポーツ撮影では大変に助かる。
また、高感度画質が良いことにも触れておきたい。ナイターや室内といった条件でも、ノイズが少なく、質感を保持してくれる。個人的にはISO10000まで普通に使用できると考えている。
そうした余裕が積み重なることで、「α1 II」は撮影時の写真家の負担をとても軽減してくれる。それにより「こんな雰囲気で撮りたい」「こういう瞬間を切り取りたい」といった、イマジネーションにさらに多くの意識を向けることができるようになるのだ。
ソニー α1 II 主な仕様
有効画素数 静止画時 最大約5010万画素、動画時 最大約4200万画素
撮像素子 35mmフルサイズ Exmor RS CMOSセンサー
マウント ソニーEマウント
検出方式 ファストハイブリッドAF (位相差検出方式 / コントラスト検出方式)
測距点数 静止画時 最大759点 (位相差検出方式)、動画時 最大759点 (位相差検出方式)
認識対象 オート、人物、動物、鳥、昆虫、車、列車、飛行機
ISO感度 静止画撮影時 ISO 100~32000 (拡張 : 下限ISO 50、上限ISO 102400)、AUTO (ISO 100~12800、上限 / 下限設定可能)、動画撮影時 ISO 100~32000相当、AUTO (ISO 100~12800相当、上限 / 下限設定可能)
シャッター速度 電子シャッター 1/32000~30秒、メカシャッター 1/8000~30秒、バルブ、動画撮影時 1/8000~1秒
ファインダー 0.64型 約944万ドット OLEDビューファインダー (倍率 約0.90倍)
液晶モニター 3.2型 約210万ドット 4軸マルチアングル液晶モニター
手ブレ補正 イメージセンサーシフト方式5軸補正
中央8.5段、周辺7.0段 (CIPA2024規格準拠、ピッチ/ヨー/ロール補正性能、FE 50mm F1.2 GM 装着時、長秒時ノイズリダクションオフ時)
カードスロット SD (UHS-I/II対応)、CFexpress Type Aカード用マルチスロット ×2
大きさ (幅×高さ×奥行き) 約136.1×96.9×82.9mm
質量 約658g (本体のみ)、約743g (バッテリー、メモリーカードを含む)
- 水谷たかひと (Takahito Mizutani)
- 1990年に東京総合写真専門学校卒業と同時に渡仏。さまざまなスポーツイベントを撮影し、3年後に帰国。拠点を日本に移し、スポーツ競技やアスリートたちを追いかけている。日本スポーツ写真協会 (ANSP) 会長。国際スポーツプレス協会 (AIPS) 会員。株式会社マイスポーツ出版代表取締役。2023年シーズンより「ソニーHC BRAVIA Ladies」のオフィシャルフォトグラファーに就任。
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〈協力〉ソニーマーケティング株式会社