2025年7月15日の23時に世界同時発表されたソニー「RX1R III」。7月18日から予定されているというソニーストアでの展示よりも先に実機に触れる機会を得たので、細部のこだわりなどについてさっそくレポートしたい。
外観は、先代と同じZEISS ゾナーT*35mm F2レンズを搭載することもあって、パッと見は大きく変わらないように感じる。しかし、よく観察するとデザイン、機能、操作性ともに大きくブラッシュアップされていることがわかる。

外寸は幅113.3×高さ67.9×奥行87.5mmと、まさに手のひらサイズ。バッテリー・メモリーカード込みの重量は約498gに収めるなど軽量性を追求する一方で、使用バッテリーについては先代よりも容量を大幅アップ。「RX1R III」よりもボディサイズの大きなα6000シリーズと同じ「NP-FW50」バッテリーの採用に加え、USB Type-CケーブルによるPD給電が可能になった点はユーザーにとってかなり心強いはずだ。

凸凹がなくなりスッキリとしたボディ上面には、従来どおりモード切替ダイヤル、シャッターボタン&電源スイッチ、露出補正ダイヤル、C1ボタンが並ぶ。「RX1R III」には画角をワンタッチで35mm → 50mm → 70mmに切り替えられるステップクロップ機能が新たに追加され、C1ボタンにその役割が与えられている。ステップクロップで撮影した画像はJPGデータとしてはそのままの画角で保存されるが、RAWデータは35㎜画角で保存され、現像時に広くトリミングできるのがうれしい。



レンズ鏡筒のフォーカスリングと絞りリングの中間にはマクロ切り替えリングが設けられ、センサー面から最短20cmでの近接撮影ができる点もこのカメラの特徴。テーブルフォトだけでなく、花などの被写体についても開放F2のボケを生かしながらZEISSレンズの描写を楽しむことができる。


ボディの塗装については、これまでのツヤありのブラックではなく、ソニーのデジタルカメラでは初採用というマットブラックを採用。塗装のテクスチャーに加え、レンズ根元のシナバーリング (オレンジ色のリング) が控えめな意匠になったことも相まって、先代モデルと比べるとかなり落ち着いた印象を受ける。


定評の高いゾナーT* 35mm F2レンズが、新採用の約6100万画素フルサイズCMOSセンサーとBIONS XRエンジンとの合わせ技で、「写り」がどのように進化を遂げたのか? については、あらためて実写インプレ記事で紹介する予定だ。