機材レポート

速攻実写! 11月発売の超望遠ズームレンズ「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」でゴルフを撮ってみた

パナソニックは、Lマウントの超望遠ズームレンズ「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」を2025年11月20日に発売する。発表早々にゴルフトーナメントのひとつ「パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ2025」(大阪・泉ヶ丘カントリークラブ) の会場で試すことができたので、操作感を交えて紹介しよう。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

光学性能と携帯性を両立させた超望遠ズーム

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
希望小売価格は305,800円 (税込)。レンズフード、三脚座が付属する。

「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」は、LUMIX Sシリーズレンズとして最長となる焦点距離500mmまでの5倍ズームレンズ。UEDレンズ、EDレンズ、UHRレンズを各2枚ずつ採用した12群19枚構成で、最小絞りはF29〜40と、通常のレンズよりも絞り込んで撮ることができる。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

長さ約196.1mmで質量約1285gと、携帯性も兼ね備えた超望遠ズームになっている。最短撮影距離は広角端で0.8m (最大撮影倍率0.16倍)、望遠端で1.5m (最大撮影倍率0.36倍)。絞り羽根は11枚、フィルター径は82mmだ。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

超望遠レンズというと白レンズのイメージが強くあるが、「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」はボディも三脚座も黒色。モータースポーツや飛行機、鉄道などの撮影シーンだけでなく、野鳥や野生動物の撮影にも配慮した結果かもしれない。AF駆動には高速・高精度で静粛性に優れたデュアルフェイズリニアモータを採用している。従来型リニアモーターの約3倍の推力を実現する新型アクチュエータだ。ちなみに三脚座はアルカスイス互換となっている。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

光学ズームとクロップズームを組み合わせたハイブリッドズームに対応

別売の1.4×テレコンバーター「DMW-STC14」、2×テレコンバーター「DMW-STC20」に対応しており、望遠端500mmの焦点距離が1.4×テレコンバーター装着時には700mmに、2×テレコンバーター装着時には1000mmになる。

さらに、カメラのクロップズーム機構にも対応しているので、光学ズームとクロップズームを組み合わせた「ハイブリッドズーム」撮影が可能。フルサイズ機の「LUMIX S1II」や「LUMIX S5II」に2×テレコンバーターを装着した状態でクロップズームを使用した場合、最大2105mm相当の焦点距離で撮影することが可能だ。

実写作例

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
コース脇から720mm相当のクロップズームで撮影したプレー中の選手たち。撮影時にはファインダー右下に焦点距離が表示される。

ただし、テレコンバーターは構造上、焦点距離150mm以上でしか使用できないようになっている。そのため、テレコンバーター装着時に100mm側にレンズが移動しないようにできるズームリミットスイッチが配置されている。撮影に使用できる広角端は1.4×テレコンバーター装着時は210mm相当、2×テレコンバーター装着時は300mm相当からになるので注意が必要だ。撮影の手軽さを考えると、テレコンバーターを着脱するよりも「ハイブリッドズーム」に切り替えて撮る方が便利だろう。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
ズームリミットスイッチ

「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」は光学式手ブレ補正 (O.I.S.) を搭載している。さらにカメラのボディ内手ブレ補正 (B.I.S.) と連動する「Dual I.S.2」に対応しており、望遠端で7段分の補正効果を発揮する。焦点距離が延びるほど補正角が大幅に減少するというのが一般的だが、「Dual I.S.」では補正効果が難しい望遠域でも高い補正効果を得ることができ、高周波の早く小刻みな手ブレから、低周波のゆっくりとした大きな手ブレまで、高精度に検知して補正する。

実写作例

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
ファインダー像がブレない状態で被写体を追うことができるので、被写体の動きをしっかり確認しながらシャッターを切ることができた。ハイブリッドズームを使って600mm相当で撮影。

操作感

レンズの先端側にフォーカスリング (コントロールリング)、マウント側にズームリングが設けられており、その間にズームリングの回転トルクを調整するための「タイトスムースリング」がある。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

「タイトスムースリング」にはロックやクリックは設けられていないが、適度な固さがあるので撮影中に動いて操作感が変わってしまうようなことはなかった。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

鏡筒のマウントに近い部分には、シーンに応じて「FULL / LIMIT」を切り換えできるフォーカススイッチ、AF/MFスイッチ、O.I.S.モードの切り換えスイッチが設けられている。O.I.S.モードは、MODE1が通常の撮影時のモード、MODE2は流し撮りに適した手ブレ補正モードで、自動で流し撮りの方向を検出して補正してくれる。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
上からフォーカススイッチ、AF/MFスイッチ、O.I.S.モード切り換えスイッチ。

 

左手でホールドした際に親指が当たる部分には、カスタマイズが可能なフォーカスボタン (Fnボタン) が設けられている。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

「LUMIX S1II」と組み合わせると重量は2kgちょっと (ボディ約800g+レンズ約1285g) となる。500mmクラスの5倍ズームレンズとしては軽いほうだ。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.
広角端100mmの状態の「LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.」。

 

ズームリングの回転角はけっこう大きく、ホールドした状態で広角端100mmから望遠端500mmまで一気に回すのは難しい。また、インナーズームではないため、500mm側ではレンズの全長は1.5倍くらいになってしまうが、フォーカスブリージングや重心移動は少なく抑えられている。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

実写作例

300mmで撮影したティーショット。できるだけ選手を正面から狙える場所を探し、前ボケを生かして撮ってみた。開放絞り値が大きく被写界深度が深めだが、ボケはなめらかでうるさい感じはしない。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

フェアウェイでプレイする選手をグリーン脇から600mm相当で撮影した。焦点距離が500mmまであって、さらにハイブリッドズームも使えるので、焦点距離をあまり心配せずに色々なシーンを狙えるのは便利だ。薄曇りだったのでいやな影が出ることもなく、グリーンも自然な感じで描写されている。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ2025

「パナソニックオープンゴルフチャンピオンシップ2025」は、パナソニックグループと毎日放送が主催する男子ゴルフトーナメント。2025年9月25日〜28日の4日間、大阪府堺市にある泉ヶ丘カントリークラブで開催された。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

大会のオリジナルグッズを販売するコーナーをはじめ、会場のあちこちでパナソニックのロゴが来場者を出迎えていた。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

LUMIXを紹介するブースも出展されていて、Tシャツやピンバッジ、手ぬぐい、各種キーホルダーなどが販売されていた。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

 

ブースではLUMIXのミラーレスカメラやコンパクトデジタルカメラ、テクニクスの完全ワイヤレスイヤホンを実際に体験できるようになっていた。

LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S.

パナソニック LUMIX S 100-500mm F5-7.1 O.I.S. 主な仕様

対応マウント Lマウント
対応撮像画面サイズ フルサイズ
焦点距離 100〜500mm
開放絞り F5〜7.1
最小絞り F29〜40
画角 24°~5.0°
レンズ構成 12群19枚 (UEDレンズ2枚、EDレンズ2枚、UHRレンズ2枚)
絞り羽根枚数 11枚 (円形虹彩絞り)
最短撮影距離 W端 0.80m、T端 1.50m (撮像面から)
最大撮影倍率 W端 0.16倍、T端 0.36倍
フィルター径 82mm
最大径×長さ φ92.0×約196.1mm (レンズ先端よりレンズマウント基準面まで)
質量 約1285g (レンズフード、フロントキャップ、リアキャップ、三脚座を除く)
付属品 レンズフード、フロントキャップ、リアキャップ、三脚座