機材レポート

実写レビュー! 2つに分かれる超小型アクションカメラ「DJI Osmo Nano」を使ってみた

DJIといえばドローンの知名度が高いが、最近力を入れているのがアクションカメラ。2024年にスタンダードな「Osmo Action 5 Pro」、2025年は360°カメラの「Osmo 360」を発売。そしてこの秋、新コンセプトのアクションカメラ「Osmo Nano」が発売された。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

カメラ部と液晶ディスプレイ部が分離

最大の特徴は、カメラ部と液晶ディスプレイ部 (多機能ビジョンドック) を分離できること。双方にバッテリーが搭載されており、分離すればカメラ部は52gと小型軽量な極小カメラとなり、録画ボタンも存在する。ちなみにカメラ単体で最大約90分、カメラ+多機能ビジョンドックでは200分の稼働が可能だ。バッテリーは内蔵式なので交換はできない。モバイルバッテリーなどを準備しておくといい。

DJI Osmo Nano 実写レビュー
カメラ 長さ57.3×幅29.5×高さ28mm、52g
多機能ビジョンドック 長さ59.1×幅42.2×高さ22.3mm、72g

 

もう一方の液晶部となるビジョンドックにも録画ボタンがあり、カメラから少し離れても録画などのリモート操作トリガーとして使用できる。分離した状態でも、液晶画面にはプレビュー映像が表示されるので、工夫次第で便利に使えるだろう。ただ、分離した状態で液晶を見ながら撮る方向を決めようとすると、意外と狙いが定まりにくいので注意したい。逆にカメラ単体では、ノールックでの撮影となるので、こちらは事前にテストするなど準備をしておいた方がいいだろう。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

マグネットで簡単に装着できる

DJIお得意のマグネット接続により、着脱も簡単。ビジョンドックは前後どちらの向きでも接続できるから自撮りなどもしやすい。また、それぞれの底部にもマグネットが装備され、鉄部などに固定できる。ただしこれは、そこまで強力な磁石ではないので、激しく動くような場合には使ってはいけない。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

 

カメラ部は、単体では52gと超軽量。カメラの小ささを生かして、付属の磁気ストラップを利用すると服の上などに簡単に取り付けることができる。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

 

付属する磁気ハットクリップで帽子に装着も可能。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

 

撮影した動画はビジョンドックの内蔵ストレージに記録される。ストレージは購入時に64GBと128GBから選ぶことができる。microSDカードも使用可能だが、microSDにデータを直接記録することはできない。カードにエクスポートすることで、内蔵ストレージの空きを増やしたり、外部への移動が可能となる。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

 

スタンダードコンボには、あらかじめ磁気ハットクリップ、磁気ストラップ、ボールジョイントアダプターマウントなどが揃っているから、すぐに使い始めることができる。

DJI Osmo Nano 実写レビュー
希望小売価格は「Osmo Nano スタンダードコンボ (64GB)」が43,890円、「Osmo Nano スタンダードコンボ (128GB)」が48,730円 (いずれも税込)。

いろいろなシーンで実写

「Osmo Nano」は、画質に定評のある「Osmo Action 5 Pro」と同様の1/1.3インチセンサーを搭載。アクションカメラらしくブレの補正は強力だ。

■車に取り付けて撮影

ボールジョイントアダプターマウントで、車のフロントガラスにカメラ部を取り付けた。車のボンネットが揺れており、道路はほぼブレることなく録画できている。

この時はあえてカメラ部単体で撮影。4K/30pで約50分くらいでカメラ部のバッテリーがなくなったが、ビジョンドックを合体させると数分で再び録画できるようになった (ちなみにビジョンドックでカメラ部を充電すると、20分でバッテリー80%まで充電できる)。

■自転車に取り付けて撮影

サスペンションのない自転車はダイレクトに揺れるから、ブレてしまうのでは? と思い、走ってみた。結果は、アスファルトの数センチの段差程度ではブレは吸収されてしまい、相当に荒れた路面でやっと揺れたのがわかる程度だった。

■夜景撮影

「Osmo Action 5 Pro」と同じ大きさのセンサーで、低照度の画質の良さも引き継いでいる。明るい都市夜景程度なら全く問題なくこなしてくれる。

■縦動画撮影

カメラを縦の向きにしておけば、縦動画撮影も簡単。Vlogなどの記録にも使いやすいだろう。

 

超小型軽量カメラとして使える「Osmo Nano」は、撮影する側も撮影される側もストレスがなく、いろいろな場所に持って行くことができる。製品名にActionがないことからも、ハードすぎない使用を考えているように見える。車やバイクに装着するというより、服や帽子の上などに取り付けて、より体に近い状態で使うのに向きそうだ。

DJI Osmo Nano 実写レビュー

 

〈文・撮影〉稲葉利二