【ローリングシャッター歪みCheck】電子シャッター時の歪みはどのくらいなのか?
キヤノン公式の製品情報ページを調べてみたが、「EOS R6 Mark III」のセンサーは「有効画素数最大約3250万画素のフルサイズCMOSセンサー」という記述しかなく、積層センサーでもなければ、裏面照射型センサーでもなさそうだ。これは従来の「EOS R6 Mark II」も同様だが、それでも電子シャッター撮影時のローリングシャッター歪みは、積層センサー搭載機にはかなわないものの、裏面照射型センサー搭載のフルサイズミラーレス機よりも歪みが抑えられている。
一般的に、画素数が増えると各辺のピクセル数が多くなり、読み出しスピードが変わらなければ、それだけ全部のデータを読み出し終わるまでの時間が増える=ローリングシャッター歪みが大きくなる。それだけに、約2540万画素から約3250万画素に画素数が増えた「EOS R6 Mark III」のローリングシャッター歪みが大きくなっていないか不安視している人も多だろう。
そこで、USB扇風機によるローリングシャッター歪みチェックを行ってみた。画素数が増えているにもかかわらず、ローリングシャッター歪みは「EOS R6 Mark II」とまったく同じ。新型になってローリングシャッター歪みが少なくなるのを期待していた人には残念な結果かもしれないが、画素数が増えてもローリングシャッター歪みが大きくなっていないのは、しっかり進化している証。それに、前述したように積層センサー搭載のフルサイズ機を除けば、ローリングシャッター歪みの少なさではトップクラス。部分積層センサー搭載の「ニコン Z6III」や「パナソニックL UMIX S1II」(画質優先時) にほぼ匹敵する性能だ。
ただ、ピクセル等倍に拡大してみると、回転している扇風機の輪郭 (高速で上下に移動している部分) がギザギザしているのは、歴代EOS R5 / R6シリーズと同じで、読み出しスピードを高速化するため、複数ラインの同時読み出しをしている副作用と思われる。ただ輝度差が大きく色補間が難しい単色部分以外は、それほど目立たない感じだ。
■「全く同じ」と言っていいほど近似した2機種のローリングシャッター歪み


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