
2025年12月19日に発売されるソニーの新型フルサイズミラーレスカメラ「α7 V」。「α7 IV」から大幅に進化を遂げ、新開発の部分積層型COMSイメージセンサーにより、AFが被写体を追随しつつの最大約30コマ/秒のブラックアウトフリー高速連写が可能になりました。連写機好きの筆者としてはその進化の度合いを試すべく、発表後すぐに実機をお借りして、2025年12月7日に開催された「令和7年度 百里基地航空祭」に持ちこんで実写を行ってみました。

「α7 V」の進化点
詳細は『CAPA』2月号 (2025年12月19日発売) をチェックしてほしいのですが、第5世代となったα7シリーズは大きな進化を遂げています。新開発の部分積層型CMOSイメージセンサーと、AI処理機能を内蔵した画像処理エンジン「BIONZ XR2」を採用。高精度なAI被写体認識 (リアルタイムトラッキング) を行いながら、最大約30コマ/秒のブラックアウトフリー高速連続撮影が可能です (電子シャッター時)。シャッターを切る前から記録するプリ撮影にも対応しています。
被写体認識は、「α7 IV」では、人物・動物・鳥だったのに対し、「α7 V」は人物・動物・鳥・昆虫・車/列車・飛行機に対応。また、車/列車・飛行機・昆虫では被写体全体または先頭部や頭部を認識して追随するということで、今回「飛行機」を被写体に選んでみました。
航空祭での撮影は、基地内への三脚等の持ち込みは禁止され、超望遠レンズを持ち上げ大空に向かって手持ちで振り回すことになります。そんな撮影においては、中央最大7.5段、周辺最大6.5段のボディ内5軸手ブレ補正が有効です。対応する手ブレ補正機構内蔵レンズと組み合わせれば、より効果を発揮します。
ほかにも進化ポイントはたくさんありますが、高速連写での動体認識とリアルタイムトラッキング性能を中心に、高速連写で大空を舞うブルーインパルスの演技や機動飛行中の機体をどう捉えるか、実写撮影体験をレポートします。

レンズは「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を使用しました。本記事内のカメラボディが写っている写真以外は「α7 V」で撮影しています。
すべての世代に大人気のブルーインパルス

茨城県小美玉市百里にある航空自衛隊百里基地は、首都圏に所在する唯一の戦闘航空団を擁する基地です。ここ数年は毎年12月に航空祭が開催され、多くの航空機ファンが訪れます。F-2、F-15の機動飛行、UH-60J救難ヘリコプターやU-125A救難捜索機による捜索救助のデモンストレーションなども行われ、超望遠レンズ付きのカメラを持った写真ファンでいっぱいです。なかでも松島基地所属のアクロバット飛行チーム「ブルーインパルス」の曲技飛行は大人気※。開門と同時に最前列がすぐに埋まってしまうほどの人気ぶりです。
※毎年行われるわけではありません。

被写体認識はもちろん「飛行機」に。電子シャッターにして「Hi+」連写モードに設定し、約30コマ/秒で狙います。ブルーインパルスの演技には、一瞬で複数の機体が交錯するようなシーンがあるので、演目によってプリ撮影をオンにしています。
「Fn」ボタンで現れる表示から各項目をコントロールホイールで選んでいけばOK。プリ撮影のさかのぼる秒数などは、メニュー画面から設定する必要があります。連写の設定は、コントロールホイールの左側を押してドライブモードを選択します。

編隊を組んで飛行するブルーインパルスの機体をしっかりと認識。



機体を横から撮るような状態では、機体の先頭部を認識して追随してくれます。



最大約30コマ/秒で絶好の瞬間も逃さない

ブルーインパルスのアクロバット飛行は、ループ、ロール、ターン、背面飛行とさまざまで、それらを組み合わせた課目がいくつもあり、天候条件などによって飛行内容が変わってきます。ブルーインパルスをずっと撮っている人は課目を熟知しているので、機体の次の動きがわかるのですが、筆者はまだ勉強不足で追いかけるのが精いっぱいです。
それでも会場のアナウンスを頼りに、ブレイクの瞬間や複数の機体が重なる瞬間などを狙ってみました。「Hi+」の高速連写で撮影していけば、きっとお気に入りのタイミングが撮れるはず。それでも、あまりのスピードに画角に収められないときもありますが、そこは勉強と、撮って慣れるしかないと思います。

被写体が物体で遮られるようなケースもテスト
この日は天候に恵まれ雲ひとつない青空で、AFにとっては被写体を捉えやすく、トラッキングしやすい状態でした。なので、ブルーインパルスのスモークと重なった状態や、建物などの障害物に入った状態はどうだったかを紹介しておきます。
スモークの中はまったく問題なし。多少霞がかかったような状態でも被写体を認識してピントを合わせてくれます。



また、細いラインのようなものであれば、途切れることなく追随を続けます。

ただし、建物のようなものに隠れてしまうと、いったんAFは外れて、また画角に入ると再度認識となりました。

ソニー α7 V FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS シャッター優先オート 1/1600秒 F6.3 ISO100 WB : オート 448mm
縦横無尽に飛び回る航空機を狙って、「α7 V」+「FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS」を振り回し続けて、さすがに腕が疲れました。それにしても「α7R V」と同等以上の被写体認識性能と「α1 II」に迫るAFと連写性能を備える「α7 V」は、高速連写機へと進化しており撮影していてとても楽しかったです。野鳥撮影やサーキットでのモータースポーツ撮影も試してみたいと感じました。
また毎度おなじみですが、ファインダー内の映像はATOMOSの「NINJA」をホットシューに取り付けて録画したものをキャプチャしています。超望遠の被写体をモニターを見ながら追うのはかなり難しく、後半は「NINJA」を外して、ファインダーを覗いて夢中で撮影していました。カメラ・写真ファンの皆さんもそうだと思いますが、お気に入りの被写体を撮影しまくるのは本当に楽しいですね。この日の撮影枚数は約7000枚。いや~、やっぱり連写は気持ちいいですよ。
