機材レポート

DJI Osmo Action 6 実写レビュー! アクションカメラの枠にとどまらない自由度の高いカメラに進化した

2024年秋に発売されたDJIのアクションカメラ「Osmo Action 5 Pro」は大型センサー搭載、低照度に強いなどの高性能により人気を誇った。それから約1年。新たなアクションカメラ「Osmo Action 6」が、さらなる進化を遂げて登場した。

Osmo Action 6 レビュー
DJI Osmo Action 6 (2025年11月18日発売)

 

もっともシンプルな構成の「Osmo Action 6 スタンダードコンボ」が61,270円、バッテリー3個と多機能バッテリーケース、1.5m延長ロッド付属の「Osmo Action 6 アドベンチャーコンボ」が77,440円 (いずれも税込)。バイク用コンボやVlog用コンボなども用意されている。

Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action 6 スタンダードコンボ
Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action 6 アドベンチャーコンボ

 

進化のポイントは、まず「可変絞り (F2.0〜F4.0)」に対応したこと。低照度環境下でもさらに優れた性能を発揮する。また、1/1.1インチ スクエアCMOSセンサーを搭載。「4Kカスタムモード」で撮影すれば、縦横どちらの映像でも撮影後に書き出すことが可能だ。内蔵ストレージは有効50GB (microSDカードも使用可能)。DJIの他モデルと同様に、本体のみでDJIマイクシリーズを2台までBluetoothで接続できる。

Osmo Action 6 レビュー

 

「Osmo Action 5 Pro」の完成度は高かったが、可変絞り、別売のマクロレンズなどにより、「Osmo Action 6」はアクションカメラの枠にとどまらない、さらに自由度の高いカメラに進化したことを実感することができた。

Osmo Action 6 レビュー
マクロレンズ装着時

日陰でもよく粘り、暗部を表現

バイクに搭載して、日中に撮影。順光の昼なら設定などしなくても、画質、ブレ補正ともにまったく問題ない映像が撮れる。初冬の地味になりがちな都会の景色も、解像度のある美しい映像を見せてくれる。

感心したのは、映像では意外なほど陰になる部分が細部まで表現されていたこと。右に回り込むようにカーブして、バイクは日陰に入った。肉眼では冬の逆光らしく真っ黒な印象となり、途中で諦めて辞めようかと思ったほど (ドラレコの画面は真っ黒だった) なのだが、あとで再生するとけっこう写っていたので驚いた。13.5ストップというダイナミックレンジの恩恵なのだろうか。

さらに低照度に強くなったスーパーナイトモード

 

評判の良かった「Osmo Action 5 Pro」のスーパーナイトモードよりも、さらに細部のディテールまでよく再現している。シャープさもアップしているように見える。

Osmo Action 6 レビュー
「Osmo Action 6」のスーパーナイトモード

 

標準モードでもパッと見ではきれいな夜景だが、よく見るとノイズが発生している。低照度環境ではやはりスーパーナイトモードが安心だ。

Osmo Action 6 レビュー
「Osmo Action 6」の動画モード

 

「Osmo Action 5 Pro」のスーパーナイトモードは比べると少し地味に感じるが、こちらも十分優秀だ。

Osmo Action 6 レビュー
「Osmo Action 5 Pro」のスーパーナイトモード

可変絞りをF4にすると点光源に光芒を出せる

スーパーナイトモードで「可変絞り」の設定を「スターバースト (F4)」にすると、絞り羽根を生かして、点光源に光芒を付けることができる。イルミネーションや工場夜景に使うと面白い効果が期待できそう。

Osmo Action 6 レビュー
スターバースト (F4)
Osmo Action 6 レビュー
大口径 (F2.8)

こちらは、たまたま写っていた大きめの光芒。カメラの液晶モニターが小さいため、現場ではなかなか確認できないのが悩ましい。

Osmo Action 6 レビュー

アクセサリーでさらに便利に使える

マクロレンズで寄れるようになると世界が広がる

レンズ保護カバーを外すことで、別売アクセサリーのマクロレンズを装着できる。レンズを装着すると自動でマクロモードとなる。11cmから75cmまでの間で、フォーカスリングを手動で調節する。

Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action 6 マクロレンズ 27,390円 (税込)

 

標準レンズでもけっこう近くのものを撮ることはできるが、マクロだとより被写体に接近して撮れるようになるので、ペットや料理、花などの撮影に便利。背景などをわずかにぼかせる効果もある。

バイクに固定できる「サクションカップ マウント」

バイクのガソリンタンクなどに吸盤でカメラを固定できるマウント用アイテム。バイクの中央にカメラを安定した状態で装着できる。ツルッとした表面部分にしっかり設置すれば、吸盤はバイクでも不安なく使えるほど強力に吸い付く。

Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action サクションカップ マウント 5,170円 (税込)

リモコンで録画ボタンが押しやすくなる

DJI製品の多くは手を動かすジェスチャー操作で録画開始が可能だが、これはバイクでは難しい。また、本体を固定していて録画ボタンが使いにくいといった状況では、リモコンがあると操作しやすくなる。Bluetoothで接続も簡単だ。内蔵GPSで走行データを記録して、「DJI Mimo」アプリで動画上にオーバーレイ表示することもできる。

Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action GPS内蔵 Bluetoothリモコン 11,330円 (税込)

小型カメラはグリップがあると使いやすい

本体の小さいアクションカメラを手持ちで使う場合、グリップがあると非常に撮影しやすくなる。録画ボタンを親指で操作できるし、バッテリー内蔵なので長時間使用が可能となるのは助かる。折りたたみの脚でミニ三脚としても使える。

Osmo Action 6 レビュー
Osmo Action 両方向バッテリーハンドル 16,060円 (税込)

8K動画に対応するファームウェア公開

「Osmo Action 6」に、さらにまたひとつ魅力が加わった。8K動画撮影に対応したのだ。2025年12月23日に公開された最新ファームウェアにアップデートすることで対応できる。これでさらにきれいに、思い出を映像として残せるはずだ。

DJI Osmo Action 6 主な仕様

撮像素子 1/1.1インチCMOSセンサー
レンズ 視野角155°
開放絞り F2.0〜F4.0
最短撮影距離 0.2m
ISO感度 静止画 ISO100~25600、動画 ISO100~25600 (スーパーナイトモード ISO51200)
電子シャッター速度 静止画 1/8000秒〜30秒、動画 1/8000秒〜1/X秒 (X=フレームレート設定値)
静止画解像度 最大7168×5376ピクセル
デジタルズーム 静止画 最大2倍、動画 最大2倍
動画仕様
8K (16:9) 7680×4320@24/25/30fps
4K カスタム 3840×3840@24/25/30/48/50/60fps
4K (4:3) 3840×2880@100/120fps
4K (4:3) 3840×2880@24/25/30/48/50/60fps
4K (16:9) 3840×2160@100/120fps
4K (16:9) 3840×2160@24/25/30/48/50/60fps
4K (9:16) 2160×3840@100/120fps
4K (9:16) 2160×3840@24/25/30/48/50/60fps
2.7K (4:3) 2688×2016@100/120fps
2.7K (4:3) 2688×2016@24/25/30/48/50/60fps
2.7K (16:9) 2688×1512@100/120fps
2.7K (16:9) 2688×1512@24/25/30/48/50/60fps
2.7K (9:16) 1512×2688@100/120fps
2.7K (9:16) 1512×2688@24/25/30/48/50/60fps
1080p (16:9) 1920×1080@100/120/200/240fps
1080p (16:9) 1920×1080@24/25/30/48/50/60fps
1080p (9:16) 1080×1920@100/120/200/240fps
1080p (9:16) 1080×1920@24/25/30/48/50/60fps
スーパーナイト
4K (16:9) 3840×2160@24/25/30/48/50/60fps
2.7K (16:9) 2688×1512@24/25/30/48/50/60fps
1080p (16:9) 1920×1080@24/25/30/48/50/60fps
最大動画ビットレート 120Mbps
静止画フォーマット JPEG/RAW
動画フォーマット MP4 (HEVC)
ディスプレイ フロント 1.46インチ 342×342ドット タッチスクリーン、リア 2.5インチ 400×712ドット タッチスクリーン
手ブレ補正機構 EIS (電子式映像ブレ補正)
防水性能 EIS (電子式映像ブレ補正)
内蔵ストレージ 防水ケースなし 20m、防水ケース使用時 60m
記録メディア microSDカード (最大1TB)
長さ×幅×高さ 72.8×47.2×33.1mm
重量 149g

 

〈文・撮影〉稲葉利二