「ソニー α7 V」が発売されてから1か月以上が過ぎた。発表直後の速報レビューは、ソニーマーケティング主催の撮影体験会という限られた空間と時間でのハンズオンだったので、「α7 V」の性能はじっくり確かめることができなかった。そこで、ダテジュンこと伊達淳一は「α7 V」を自腹購入。さまざまな被写体やシーンを撮影したり、チャート等によるベンチマークテストを繰り返してきた。そんなガッツリ実写でわかった「α7 V」の “強み” と “弱み” を前・後編の2回にわたってレポートする。前編は「AF・連写性能」編。

「α7 IV」から「α7 V」への主な進化点を再確認してみる
従来の「α7 IV」から「α7 V」への主な進化点は以下のとおり。
- 最高約30コマ/秒の高速連写と0.03~1.0秒のプリ撮影機能の搭載。
- 部分積層センサー採用で電子シャッター撮影時のローリングシャッター歪みが低減し、ブラックアウトフリー連写を実現。
- AIプロセッシングユニットの機能内蔵の「BIONZ XR2」を採用し、被写体認識性能が向上。
- メカシャッター撮影時に最大16ストップのダイナミックレンジを実現。
- チルトとバリアングルが融合した4軸マルチアングルモニターを搭載。
- 「BIONZ XR2」によりスタミナ性能が向上。
- フル画角で4K60p動画が撮影可能で、連続撮影時間も大幅に向上。
画素数や基本的な外観デザイン (液晶モニターを除く)、操作性は、従来の「α7 IV」から変わっていない。動体を高速連写しないのであれば、従来の「α7 IV」から買い替える必要はないが、逆に「α1 II」並みの高速連写を渇望していたα7シリーズユーザーにとっては「α1 II」ジュニアと呼んでもいいほどの、どストライクなスペックだ。

チェック① 電子シャッター時のローリングシャッター歪みを比較


「α7 V」は、部分積層センサー採用により電子シャッター撮影時のローリングシャッター歪みを低減。とはいえ、あくまで従来の「α7 IV」と比べればの話。メカシャッターと比べると歪みが目立ちやすいし、フラッシュ撮影ができるのもメカシャッター撮影時のみ。


一方、「α1 II」は、メモリー内蔵積層センサー採用で、ローリングシャッター歪みは一般的なメカシャッターとほぼ同等。電子シャッターでもフラッシュ撮影が可能だ。しかも、約5010万画素と高画素で、約3300万画素の「α7 V」よりもトリミング耐性も高い。価格は「α7 V」の約3倍もする高嶺の花だが、さすがのフラッグシップと納得できる高性能ではある。
そういう意味では実売30万円台で買える「α7 V」は、多くのαユーザーにとって “現実的な高速連写モデル” のベストな選択肢だ。部分積層とはいえ、約30コマ/秒のブラックアウトフリー連写や最大1.0秒のプリ撮影、最高1/16000秒の高速電子シャッター撮影が楽しめるのが強みだ。
「α7 V」3つのシャッター方式での点光源ボケの違い
■メカシャッター

■電子シャッター

■電子先幕シャッター
