機材レポート

写真は撮ってから構図を決める時代へ!「Antigravity A1」じっくり実写レビュー

Insta360から登場した「Antigravity A1」。360°カメラを搭載した全く新しいコンセプトのドローンを、ドローングラファーのSILK DRONEさんが延べ3日間じっくりと使い込みレポートしてくれた。最終回は、実際に撮影した映像を交えながら、編集ワークフローを解説する。

Antigravity A1 レビュー

作例と編集ワークフロー ─ 撮ってから創る革命

通常のドローンでは撮影不可能な「追い越し」ショット。360°撮影だからこそなせる技だ。

映像制作の視点からすると、「Antigravity A1」の真骨頂は “全周撮れている” ことにある。つまり、飛ばす時に画角を気にする必要がないのである。編集画面を収録した映像を見てほしい。

これはPC用の無料ソフト「insta360 studio」を使用している。撮影した映像のさまざまな編集ができ、後からトラッキングをかけることも可能だ。そして特筆すべきはその精度。画面では小さな点ほどのバイクを認識し、ドローンが追い越すまで途切れることなくトラッキングしているのだ。

上の映像の画角を調整した完成映像 (4K) がこちら。

ドローンがバイクを追い越している。通常のドローンでカメラを後ろに向けながら前進して追い越すなんて、神業的な操縦技術が必要だ。しかし「Antigravity A1」なら、ただ通り過ぎるように飛ばし、後から “視点” を後ろに回すだけで、このように映画のような追い越しショットが完成する。

通常のドローン撮影で最も難しいのは、3次元の操縦 (前後・上下・左右) をしながら、被写体をフレームに収め続けること。しかし「Antigravity A1」は “とにかく被写体の近くを狙って飛ばす” だけ。あとは編集でどうにでもなるのだ。

屋内でも安全・確実に。編集で視点を操れば、複雑なカメラワークもワンテイクで完了する。

もう一つ、屋内撮影の作例を見てほしい。パイロットは安全確保のため、進行方向 (前方) だけを見て操縦する。しかし、360°カメラが全てを記録しているため、後から「右の棚を見せる」「パイロットの顔を映す」といった視点変更が自由自在となる。

通常なら3〜4回に分けて撮影し、カットを繋ぐようなシーンでも、「Antigravity A1」ならワンテイクで撮りきり、編集で視点を切り替えるだけでノーカットの映像作品が仕上がる。一度撮ってしまえば、あとはクリエイティブ次第。これが「Antigravity A1」がもたらす映像革命だ。

写真は「撮ってから構図を決める」時代へ。

「Antigravity A1」は動画だけでなく、写真 (スチル) においても革命をもたらした。360°カメラなので、撮影時は構図を気にする必要はない。とりあえず撮っておいて、後からPCソフトやスマホアプリで一番いい構図を探して切り出すだけだ。

Antigravity A1 レビュー

 

画像はDNG (RAWデータ) 形式で記録されるので、切り出した後に「Adobe Lightroom」や「Adobe Photoshop」などで仕上げれば、通常の空撮写真と遜色ない、いや、それ以上に自由で美しい写真が完成する。4:3でも3:2でも、縦構図でも自由自在。サクッと撮っておけば、あとはどうにでもなる。まさに写真の革命だ。

 

なお、編集はPC用の「Insta360 Studio」だけでなく、スマホアプリでも可能だ。アプリに取り込めば自動編集機能があり、素材を選ぶだけでAIがいい感じの動画を作ってくれる。編集知識がなくても、ボタン一つで作品が完成する。

Antigravity A1 レビュー

単なる“飛ぶカメラ”ではない、撮影プロセスそのものを変えるデバイス。

「Antigravity A1」は、単に “飛ぶカメラ” ではなく、撮影のプロセスそのものを変えるデバイスだ。通常のドローンでは高度なテクニックが必要な “背面飛行” のような映像も、これなら誰でも簡単に撮れてしまう。これからどんな使い方が生まれてくるのか、私たち自身も非常に楽しみにしている。

 

Antigravity A1 レビュー
〈撮影協力〉キウイフルーツカントリージャパン