今日の「MY標準レンズ」は、専用のメタルフードを取り付けた、ズイコー24ミリF2.8(モノコートタイプ)。撮影前に、こうやって赤い橋の欄干に吊り下げてパチリ。う〜ん、格好良すぎっ!!
久しぶりにオリンパスOM-4TiBLACKを持って出かけてみた。多くのカメラマンと同様、ボクも「デジタルカメラがメイン」なので、こういう銀塩の一眼レフは、愛着は感じるけれど、実際にはどーしても出番が少なくなる。このOM-4TiBLACKも、ほんっと久しぶりの出番だよなぁ。でも、いったん持ち出してみると、やっぱイイんだよね、このカメラは。手に自然となじんで、不思議とホッとした気分になってくる…。でもって、とてもコンパクトなカメラだけど、チタン外装の材質感&表面仕上げが秀逸! 直線を巧みに組み合わせたシャープ&落ち着いたデザインにも惚れ直しちゃう。
【写真右】「狙った被写体にググッと寄れ!」が広角レンズによるアプローチの基本。グワンと寄った橋の赤い欄干が堂々としてマス
【写真左】オリンパスOMの特徴のひとつが、マウント部にあるシャッターダイヤル。カメラを構えたままで、自然に操作できるのがウリ。設定値はファインダー内に表示される
どんなに愛着があるカメラでも、趣味性の強い撮影だと、大きくて重いカメラは途中でイヤになってくる。う〜ん、このあたりは歳のせいですかナ(苦笑)。OMシリーズは「小型軽量」が最大のウリだけど、ただ小さくて軽いだけなら、ここまで愛着は湧かない。今挙げた質感やデザインもあるけど、何といっても「高機能で使いやすいカメラ」だというのがポイント。伝家の宝刀「TTLダイレクト測光」は健在だし、ファインダーもハイレベル。このファインダー倍率の高さ(OM-1や2系よりも低いがあれはちょっと大き過ぎた)明るさは、撮影意欲を高めてくれる。
【写真右】高層マンションで1点めのスポット、青空で2点めのスポット、理髪店の壁の白い部分で3点めのスポット…。これぞ「光を操る」感覚だっ!!
【写真左】巻き上げレバーの指当ての前にあるのが、スポットボタン。シャッターボタン基部には、測光値のメモリーとクリアのレバーがある。また「白は白く、黒は黒く」再現する、ハイライトとシャドーのボタンも装備する。
でもって、最高8カ所まで入力可能な「マルチスポット測光」機能が秀逸!! 使った人ならわかると思うけど、これはイイよ、本当に! たとえば、手前が日陰になった夕方の風景を撮るとする。重点を置くのは光が当たってる部分だけど、日陰部分の階調も無視はできない…。そんなときは「建物と空」の2カ所をスポットで測り「日陰の建物」の1カ所をスポットで測る。そのスポット測光の値の平均値が実際の露出値になる(絞り優先オート時)。こうやって文章で説明すると、何だか難しそうだけど、実際に操作してみると、その値の変化が直感的に把握できちゃうんだよねー。でもって、連続して(複数枚)撮影する際のメモリーロックや、その解除も実に明快なのだ。ファインダー内下部の露出表示も実に明快! 他にもマルチスポット機能を搭載したカメラはあったけど(キヤノンEOS-3とか)、OM-4シリーズのマルチスポットの使い勝手を超える機種は出なかった。
【写真左】巻き戻しクランク基部にある、露出補正ダイヤル。表示はちょっと見づらいが、クリック感が良くて使いやすい。モード切り替えレバーもシンプル
【写真右】夕暮れ時の隅田川。あ、船が来たよ! とっさの撮影だと、マルチスポット測光してるヒィマはない。そこで、水面の明るい部分を1点だけスポット測光してメモリー。その上でプラスとマイナス側に露出補正。こういった操作が直感的におこなえるのも、このカメラの魅力だろうね
あと、従来のOM機は「少しヤワ」という印象だったけど、コイツは防滴&防塵などのプロ仕様なので、かな〜り安心感が高い。個人的には、露出補正ダイヤルが右手側から左手側に移動したのが不満だけど、クリック感などはとても上質。ロック機構がないのも潔くて好きだなぁ…。小型軽量なのに、ボディの質感やデザインが秀逸で、使い勝手も抜群。こんなカメラ、他にはちょっとないね。
24ミリの強いパースペクティブを利用して、吊り橋をダイナミックに表現。ワイヤーじゃなくて「太い支柱をどうフレーミングするか」がミソ!