◆撮像素子:有効513万画素1/1.8型CCD ◆レンズ(35ミリサイズ換算):28~85ミリF2.5-4.3 ◆撮影モード:A,M ◆液晶モニター:1.8型TFTカラー液晶 ◆ISO感度:64~1600 ◆記録メディア:SDカード、内蔵メモリー(16MB) ◆記録方式:JPEG、TIFF ◆電源:専用充電池、または単3形電池2本 ◆大きさ・重さ:113.6×58×29㍉・205㌘ ◆発売期日:2004年5月 ◆価格:7万円
3年前の春、ボクはデジタルCAPA(現在のデジキャパ!)の特集の撮影のため、1泊2日で静岡県の大井川鐵道などを訪れた。特集内容は「旅カメラ」。そんでもって、取り上げたカメラは、キヤノンIXYデジタル500、コニカミノルタDiMAGE G600、リコーCaplio GX、の3台である。その特集の中で、ボクは“旅カメラの条件”について、こう述べている。
「まず、適度にコンパクトで携帯性が良いのは必須条件。その上で、高画素で便利な機能が搭載されている機種が良い。さらに、各操作がシンプルで明快ならもっと良い。 ピント合わせ、露出、ホワイトバランス、などが“オートまかせ”で安定しているかもチェックしたい。マニュアル設定も必要だが、旅を快適に続けるには、できるだけオートが安定しているカメラの方がありがたい」…と。
これらの条件に照らし合わせると『リコーCaplio GX』は、必ずしもトップにランクされる機種ではない。だが、このカメラには、他の2台にはない大きな魅力がある。それは「広角28ミリをカバーする」という点である(※35ミリ判換算の値)。この事による“表現の拡大”や“利便性の向上”は、とても大きい。事実、この特集の撮影で最も多用したのがCaplio GX。そう、無意識のうちに…ネ! 特集の記事中でも、最終的にその点を強調した。
現在だと、パナソニックなども「広角28ミリカバー機」を発売しているが、当時はコンパクトデジカメで28ミリまでカバーする機種は限られていた(現在でも多くはないが)。だが、この『リコーCaplio GX』の魅了は、それだけではない。露出制御方式には絞り優先とマニュアルを採用、MF撮影可能、機能の呼び出しやカスタマイズが可能なADJ.ボタン、ホットシューを装備…などなど。そして、レンズ設計もかなり気合いが入っている。こうやって「初代GX」をチェックしてみると、現在注目されているGX100にも通じる“本気で撮るための仕様”が随所に見られるんだよね。
山中に広がる茶畑の様子を、広角28ミリの画角で写し込む。こうやって対象物にググッと寄ることで、広角らしい遠近感が出てくる。ちなみに、AWBのままで撮影したが、茶葉の緑色が鮮やかに再現された。多くのカメラで見られる“黄色っぽさ”が出ていないのがイイ(2004年5月撮影)。