機材レポート

キヤノンやニコンとは違ったライトな最高級機今も魅力が色褪せない『ペンタックスLX』

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他のプロ仕様機とはひと味違う、コンパクトなLXボディ。威圧感とは違う“上質な存在感”が漂う…。その独特な存在感&魅力は、発売から27年を経た現在も色褪せていない。

 多くの人が予想していたと思うけど、「カメラグランプリ2007」はペンタックスK10Dが受賞した。そ・こ・でっ、今日は『ペンタックスLX』を取り上げてみマース。…あ、こじつけっぽい?(苦笑) このカメラは、1980年に発売されたペンタックスの最高級機。「LX」はローマ数字では「60」を指す。旭光学(当時の会社名)が創業60周年を記念して開発した“念願のプロ仕様モデル”なのだ。それ以前に発売されていたK2DMDなどもハイスペックなモデルだったけど、モードラ(外付けのモータードライブ)の速度などをみると、まだまだ「プロ仕様」とは呼べなかった(たしか、最高で2コマ/秒くらい)。

 このLXは違う。その仕様&スペックは、まぎれもなくプロ仕様! 世界初「密閉構造」特殊アルミ合金製の堅牢ボディ、マイナス30度の耐寒性、ファインダー交換式、IDMシステムにより最高125秒までの長時間オートが可能(実際にはもっと長くまでイケるけどね)、最高約5コマ/秒のモータードライブLX…などなど、ニコンFシリーズやキヤノンF-1にも負けないスペックなのだなー。それでいて、ニコンやキヤノンのプロ仕様モデルと比べるとかなり小型で軽量。標準ファインダー「FA-1」装着時の重さは「560㌘」。これって、当時のプロ仕様機としては驚異のライトウェイト。LXの数ヵ月前に発売されたニコンF3も軽量化されたモデルだが、それでも715㌘だもんね。

 ペンタックスLXは、ニコンF3やキヤノンNewF-1のように、報道やスポーツの現場でバリバリ活躍するモデルじゃなかった。そういう現場のカメラ選びって、ボディ性能だけじゃなく、交換レンズのラインナップも関係してくるからね。だが、その機動性の高さなどにより、山岳をはじめとする多くのネイチャー派カメラマンの信頼を得ていた。ボク自身は、そんな過酷なフィールドに行くワケじゃないけど「今回は気合いを入れて撮影したい! でも、あまり負担になる機材はイヤ」という撮影旅行に持って行っていた。そういえば、2000年の秋には、廃止間近の「下北交通」に乗り&撮るため、このLXを4泊5日の北東北旅行のお供に選んだっけ…。

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ボクのLXは、露出補正ダイヤルがカラータイプに交換してある(ノーマルは白文字タイプ)。この補正ダイヤルをはじめ、シャッターダイヤルや巻上げレバーなども別タイプに交換できた。こういったカスタマイズが可能な点も、ユーザーにはたまらなく魅力的!