機材レポート

レンズキャップは×だが他は◎ダヨ!『キヤノン パワーショットS5IS』

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内蔵ストロボ部のデザインは、どこか「EOS Kissデジタル」シリーズのような雰囲気が漂う。そのシャープなストロボ部の上に、新たにアクセサリーシューが装備された。

 キヤノンの「Sヒトケタ」シリーズは、バリアングル液晶と電子ビューファインダーを備え、光学式手ブレ補正「IS機能」を搭載する高倍率ズーム機である。初代の「S1IS」の基本スペックは、有効画素数320万画素(1/2.7型)・38~380ミリ相当の光学10倍ズーム・1.5型バリアングル液晶…といったところ。その後、「S2IS」~「S3IS」~「S5IS」と進化する。現在の『S5IS』の基本スペックは、有効画素数800万画素(1/2.5型)・36~432ミリ相当の光学12倍ズーム・2.5型バリアングル液晶…と、すべての面において大幅に進化している。

 でも、スナップ式のレンズキャップの作りはいただけないナー。この方式のキャップは、本来なら確実で安全なハズだけど、ストッパー部分の保持力がアマいため、少し力を加えただけで簡単に外れてしまうのだ(個体差のレベルじゃないと思うんだけど)。これは、キャップをしたまま電源を入れた場合に、レンズに負荷をかけないための工夫だと思うけど(その場合、キャップが簡単に外れて鏡胴が繰り出す)、バッグに出し入れする時とか「何だか不安だなぁ」って感じてしまう。思わぬところで外れて、キャップの端とかでレンズ表面をガリッと擦ったりしないか心配になってしまうのよ。こういった“すぐに外れるスナップ式のキャップ”は、現在のソニーの高倍率ズーム機「サイバーショットH7」にも採用されてるけど、ボクは「要・改善点」だと思うけどねぇ。

 え~、付属パーツの細かい部分へのダメ出しが長くなったけど(苦笑)、操作性や描写性能はかなり良好だったネ。レンズ仕様や「0㌢マクロ」といった特長は前モデルの「S3IS」と同じだけど、バリアングル液晶モニターはようやく満足できるスペックになったし(2.0型・11.5万画素→2.5型・20.7万画素)、800万画素センサーと最新の映像エンジン「DIGICⅢ」による描写も、予想どおり…いや、予想以上にイイ感じだったね。もちろん、レンズ性能も関係してくるけど、広角域から最望遠域までシャープで安定した描写だったよ。

 最近の高倍率ズーム機では、28ミリ前後の広角域から500ミリ前後の超望遠域までカバーする「光学18倍ズーム」を搭載する機種も出てるけど、そういった機種は、望遠域のレンズ描写が「いま一歩」と感じる場合が多い。そう考えると、無理にレンズのスペックは上げずに描写性能を確保し、その他の機能を強化(前述の液晶モニターや、アクセサリーシュー搭載、動画モードにも有効な顔認識AF/AEを採用し、ステレオ音声の高品位化…などなど)した、この『パワーショットS5IS』は、かなりトータルバランスが高いカメラに仕上がってると思うね。そう、レンズキャップ以外はね(←クドい!)

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公園でボール遊びをする息子を「300ミリ強」相当の望遠域で撮影する。センサーサイズが小さいため、デジタル一眼レフのようなボケ効果は期待できないが“遠くのモノが大きく撮れる”というメリットは実感できる。 ◆キヤノン パワーショットS5IS 317ミリ相当で撮影 Pモード f4 1/400秒 AWB ISO80(オート) L/S.FINE

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とっても小さなカタバミの花を、このカメラの大きなウリである「0㌢マクロ」で狙った。0㌢マクロ…つまり、レンズ面に接する被写体でもピントが合う。この場面でも、花弁がレンズ前面に接していた。手前の花弁がしなっているのはそのためである(フォーカスは向こうの花弁だが)。 ◆キヤノン パワーショットS5IS 36ミリ相当で撮影 Pモード f4 1/80秒 AWB ISO80(オート) L/S.FINE