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箱根駅伝・青学が4連覇!先頭ランナーをキヤノンEF200-400mmレンズで追った

新春の風物詩・箱根駅伝(東京箱根間往復大学駅伝競走)の先頭ランナーを往・復路2日間にわたり追い続けた読売新聞の写真記者に直撃。撮影機材へのこだわりや取材の苦労話などを聞く。写真記者は “長距離ランナーとしての覚悟” も必要だった!?

第94回東京箱根間往復大学駅伝競走(C)読売新聞東京本社
2018.1.3 超望遠ズームレンズが “選手たちの絆” を鮮やかに捉え切った
復路8区。区間賞に輝く激走で戸塚中継所に入る青山学院大学の下田裕太選手。先頭ランナーを追い続ける「共同カメラ車」とランナーとの撮影距離はけっこう変動するのだが、ズーム幅が広く、かつ優れた描写性能を備える EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× が、下田選手の表情をクリアに捉えた。青学は、往路優勝の東洋大学を箱根の山下り(復路6区)で捉えて首位に立つと、その後一度もトップを譲らず、4年連続4度目の総合優勝を果たした。
キヤノン EOS-1D X Mark II EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× 絞りF5 1/1000秒 ISO 320 WB:オート

EF200-400mmで先頭ランナーを追い続けた

読売新聞東京本社 編集局写真部 冨田大介さん

毎年1月2日と3日に開催される箱根駅伝は、TVの生中継によって、学生スポーツの中でもひときわ高い人気を誇る一大イベントだ。出雲駅伝、全日本大学駅伝と並び「大学三大駅伝」のひとつとも称され、新春の風物詩でもある。

それだけに読売新聞社では万全のチーム体制を整えているが、共同カメラ車に乗り込む写真記者は意外にも1人。今年、その大役を担ったのが、写真記者歴15年目を迎えた冨田大介さんだった。
「読売新聞東京本社前のスタートとゴールは何人もの写真記者で狙いますが、レースを追うのは、原則として共同カメラ車と中継所の担当、それに後方集団の走りを受け持つ写真記者による3人での取材でした」

冨田さんは共同カメラ車に乗り込めるとはいえ、撮影位置が限られるため EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× を主力レンズに選んだ。
「当初、コンパクトな EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USM も候補として考えてみたのですが、絶対に被写体ブレは避けたかった。少しでも明るいレンズにしてシャッター速度をかせぎたかったので、EF200-400mmに決めました」

自由度のない共同カメラ車からレースを追った戦友たち

駅伝のコースは東京・大手町から箱根の芦ノ湖畔まで、往路5区・復路5区の計10区間217.1kmに及ぶ。
「延べ約11時間、寒風吹きさらしのトラックの荷台に揺られての撮影です。あまり絵柄に変化はないのですが、先頭が入れ替わるときは絶対に撮り逃せませんし、もしかしたら転倒する選手が出てくるかもしれないので、こちらも気は抜けません」

機動性と性能を兼ね備えた1本

「EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× は使いでのあるズーム域を持ちながら、描写もきわめてシャープ。操作性もよく、トータルバランスが高い次元で取れています」
と冨田さんもぞっこん。箱根の山の区間は日陰も多々あるので、開放F4の明るさも選択の決め手となった。サッカーやラグビーの撮影にも持ち出すなど、お気に入りのレンズだ。

キヤノン EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×

箱根駅伝取材の携行機材

撮影位置が限られるので、大口径Lズーム3本セットに、ランナーの喜怒哀楽をしっかり狙うためのEF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× をラインナップ。16〜560mmという広い焦点域を確保。速いシャッターを切れるよう、レンズの明るさにも留意した。

箱根駅伝取材の携行機材
〈カメラ〉EOS-1D X Mark II、EOS-1D X 〈レンズ〉EF16-35mm F2.8L II USM、EF24-70mm F2.8L II USM、EF70-200mm F2.8L IS II USM、EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×、エクステンダー 1.4× III 〈その他〉スピードライト 600EX II-RT、CFカード(4GB×6枚程度)、ノートPC、Wi-Fiルーター、カメラバッグ(リモワ)、一脚、脚立

 

EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×
1.4×でも良好な画質性能
単焦点レンズに肉薄するほどの高画質も EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4× の美点。最望遠(560mm)時の描写のヌケの良さも十分で、超望遠ならではの圧縮効果も箱根駅伝をドラマチックに描いてくれた。

 

EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×
スムーズに行なえるレバー切り替え
200~560mmの幅広いズーム域をカバーできるのが魅力。ロックスイッチのスライド後にエクステンダー切り替えレバーで切り替える。慣れればほぼ無意識に行なえるので、便利この上ない。

 

EOS-1D X Mark II
撮影しながら写真のセレクトも
区間ごとに速報カットを送らなければならなかったため、撮影しつつ使えそうなカットにあらかじめ「プロテクト」ボタンで目印をつけていった。箱根駅伝に関わらず、速報が重要視される写真記者の間では定番ともいえるワザだ。

 

箱根駅伝・報道陣の撮影風景
寒風の中、片道5時間の伴走撮影は忍耐力も必須
共同カメラ車に乗り込んだ冨田さん(手前左)。トラックの荷台上のクッションにあぐらをかいた状態での撮影だ。なんと片道5時間以上も同じ姿勢をとらなければならなかった。「休憩はないので前日からできるだけ水分を控えていました。スムーズな運転をしていただけましたけど、けっこう左右に揺れたりして腹筋が鍛えられました(笑)」。写真記者も過酷なのだ。

カメラバッグの中、拝見!

今回の取材に携行した機材がこちら。取材当日のカメラバッグの中には、緩衝材としての役割を兼ねて防寒着も入れておいたそうだ。

冨田さん流・カメラとレンズの使いこなし術

常に揺れている車の上から、走り抜ける選手の表情まで写し止めるには? 箱根駅伝取材時のカメラ設定と、EF200-400mmに内蔵されたエクステンダーの使いどころを冨田さんに聞いた。

利便性だけではない 超望遠ズームの高い総合力

特に大変だったのが復路の6区。箱根の山下りは予想以上にランニングスピードが速く、しかも小刻みなカーブの連続で姿が見えなくなったと思ったら、予想外に近づいた状態で現れるなど、緊張の連続だったという。
「その意味でも、レバーの切り替え操作で200〜560mmとズーム幅を稼げるレンズで重宝しました。天候には恵まれましたけど、日陰に入ったりするとそれなりに暗くなるので、開放F4の明るさもありがたかった。EOS-1D X Mark II との重量バランスも良く、取り回しが楽だったことも助かりました」

ここで、改めてレンズ選びの基準を冨田さんにたずねてみると、「一番は機動性の高さです」と即座に返ってきた。
「やはりシャッターチャンスを逃したくないですからね。もちろん、画質も良好で、開放F値が明るいに越したことはない。要は、扱いやすくイメージどおりの写真を狙えるのがベスト。突き詰めればトータルバランスの良さです」
結果、Lズームを好んで愛用している。

現在、冨田さんはいわゆる “遊軍” として、デスクからの指示だけでなく、自ら取材テーマを企画して追いかけてもいる。実は今回、われわれCAPA取材班がおじゃまする直前にも、群馬県草津白根山の噴火取材や岐阜県白川郷の雪景色撮影など、慌ただしく飛び回っていた。その撮影のスタイルや取材にかける思いが、「機動力が第一」と語るレンズ選びにもしっかりとつながっている。

箱根駅伝・選手たちの激走を追い続けた超望遠ズームレンズ

キヤノン EF500mm F4L IS II USM
キヤノン EF200-400mm F4L IS USM エクステンダー 1.4×
1.4倍エクステンダーを内蔵した超望遠ズームレンズ。ワンタッチのレバー操作でズーム域を200〜400mm(1×)から280〜560mm(1.4×)へ切り替えできるため、1本で200〜560mmの幅広いズーム域をカバー。内蔵エクステンダー使用時も高画質に描写する。シャッタースピード換算で約4段分の手ブレ補正IS機構も搭載している。
http://cweb.canon.jp/ef/lineup/tele-zoom/ef200-400-f4l/

プロフィール

報道カメラマンの現場4
読売新聞東京本社 編集局写真部 冨田大介さん
1978年、山口県生まれ。大学入学のころより写真に興味を抱き、とりわけプリントなど暗室作業に熱中する。読売新聞東京本社に2003年入社。本社編集局写真部に配属の後、北海道支社、東京本社、東北総局を経て、2017年6月に現部署に戻る。趣味はDIY。

 

 

〈協力〉東京写真記者協会 〈取材〉金子嘉伸 〈取材撮影〉山田高央
第94回東京箱根間往復大学駅伝競走 2018年1月2日~3日