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【アジサイの撮り方①】立体感や奥行きのある写真を撮るテクニック

写真の構図のまとめ方を知ったところで、次に、アジサイが身にまとう梅雨の涼しさや、爽やかさを演出するためのテクニックをご紹介いたします。
 

解決法②

 

丸いボケ(玉ボケ)を入れて明るく爽やかな印象にする

品種によるが、アジサイは半日陰を好むものが多く、特にヤマアジサイは林の中に咲くことが多い。そのため、花を見上げると林が背景になり、木漏れ日の丸いボケを入れることができる。自然の中にある白い点である、葉と葉の間の部分を大きくぼかすと、丸い玉ボケになって爽やかな印象を作れる。

 

木漏れ日のある部分を大きくぼかすと、きらめきを感じるボケになる

木漏れ日の白い点を、望遠系のレンズを使って、絞りを開け、花に迫って大きくぼかすと、きらめきを感じる玉ボケとなった。ボケが小さいとうるさく感じるので、大きくぼかすことも大切だ。

92ミリ相当 絞り優先オート(F3.9 1/100秒)+1補正 ISO200 WB:晴天

 

解決法③

雨の日の光を生かして梅雨らしい色彩に演出する

梅雨の花は寒色系が多い。雨の日の光はやや青みがかるので、光と花色が同系色となってマッチする。しかし、ホワイトバランスを「オート」にすると雨の日本来の青みが抜けてしまうし、花の青色を感じて赤っぽく色を加えてしまうこともある。基本は、色が補正されない「太陽光(晴天)」で、自然の光の色をそのまま出そう。

 

WB「オート」 △

 

WB「電球」 ×

 

WB「4600K」 ◎

オートでは温かい色合いに、電球では青すぎて不自然。4600Kで梅雨らしい涼しさが出た

WB「オート」は自然な色合いだが、青みが抜けて梅雨らしさがない。青みが加わるWB「電球」にすると、青色が強すぎて不自然になった。少し青みを加えるならカスタム(色温度設定など)でホワイトバランスの調整を行うのが◎。WB「太陽光」=約5500Kなので、それより値を下げていくと青みが加わる。ここではライブビュー画面を見ながら調整し、4600Kで最適な色彩になった。

300ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/250秒)+0.7補正 ISO250

 

梅雨のジメジメさえも楽しくなるような、アジサイのステキな写真を撮りにいきたくなりますね。

 

 

写真・解説/吉住志穂

 

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