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【ユリの撮り方】周りの環境を生かした臨場感あふれる写真撮影

 

応用テクニック①

シベについた水滴を生かしてクローズアップで狙う

雨上がりや朝露など水滴をまとったユリは、みずみずしさが感じられてフォトジェニックだ。風景的に広く撮ると水滴は目立たないので、マクロレンズなどでクローズアップするのがベターである。水滴に正確にピントを合わせ、ぶれなく撮影するためには、風のない日にライブビューAFの拡大表示を活用するといい。

 

望遠+絞り開放で前後の花びらをぼかして水滴を強調する

ここでは水滴をまとったユリを望遠レンズでクローズアップした。若干のプラス補正で明るく仕上げると、白い色と相まって清楚な雰囲気が醸し出された。絞り開放F2.8で前後の花びらをぼかすことで、水滴の印象を際立たせている。

200ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/250秒) +0.7補正 ISO100 WB:晴天

 

応用テクニック②

森に群生するユリは曇天の拡散光で撮るのが最適、優しい色を引き出せる

晴れた日は光が強く、光を受けたユリが華やかに見える。ただ森の中に咲くユリは、写真にすると強い影が目立ちがちだ。写真的には均一な光となる曇天の拡散光のほうが、見たままのイメージで仕上げやすい。晴天時はスポット的に当たる光を生かすなど、部分狙いで光の効果を生かすのがおすすめ。

 


晴天時、森の中に咲くユリは木々の木漏れ日により、光と影のメリハリが強く出る。肝心のユリが影になってしまうと、黒くつぶれ気味になってもったいない。

 

参考例 ○

曇天下は強い影ができないのでユリの色がきれいに出る

曇天の拡散光なら森の中に強い影が出ず、シラカバの森とユリを均一な明るさで捉えることができた。高原に咲くユリの優しい色合いや清楚な雰囲気がよく伝わってくる。曇り空は見せずに散漫になるのを防いだ。

45ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/20秒) ISO200 WB:晴天 PLフィルター

 

 

6月に色鮮やかな花を咲かせてくれるユリの花。群生でも一輪でも撮影が可能です。花そのものの美しさはもちろん、背景にも気を配れば、より満足のいく一枚が撮れることでしょう!

 

 
写真・解説/深澤 武
 

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