春夏秋冬、いつでも被写体として私たちを楽しませてくれる「花」。撮影する際、「こんな風に撮りたい!」とイメージするかと思いますが、それを写真で再現するためには、カメラ操作における基本的な知識やテクニックが必要になってきます。基本的な撮影のコツを押さえておきましょう。
仕上がり設定では色の鮮やかさやシャープネス、コントラストなど、写真における描写傾向などを選択することができます。この機能はメーカーによって名称や内容が異なります。初期設定は「ナチュラル」や「スタンダード」などで、そのカメラの基本となる描写です。鮮やかになる「ビビッド」や「風景」、逆に鮮やかさを抑える「フラット」や「忠実設定」などがあります。機種によっては「オート」があり、初期設定となっています。
花の撮影では、基本は初期設定のままでOKです。ただし、曇りの日などは色の冴えが乏しくなるので、鮮やかさが増す設定を選びましょう。晴れた日に鮮やかな設定にすると、濃い色の花では色がベタッとなって色飽和が起こることもあるので注意が必要です。鮮やかにするほど見栄えが良く感じられますが、やりすぎは禁物です。
基本は初期設定のままでOK
仕上がり設定は、初期設定のままでほぼ問題ないが、人物撮影に適した「ポートレート」モードも意外に花の撮影に向いている。コントラストが抑えられたり、暗部が明るくなったりするからだ。また、仕上がり設定もホワイトバランスと同様にRAW現像時に変更ができるので、現像時にベストな1枚を探る方法もある。
フラット ×
ビビッド ×
ナチュラル ○
フラットは空が冴えない、ビビッドは鮮やかすぎて不自然
晴れた日はもともと彩度が高めなので、ビビッドにすると鮮やかになりすぎることがある。一見派手な色が目に飛び込んでくるが、比べてみると、赤色がべたっとしていて、緑も不自然に感じる。いろいろなシーンに合うのは、初期設定となっているナチュラルだ。ここでも、自然な描写できれいだ。フラットは彩度が抑えられて落ち着いた印象だが、空の鮮やかさが物足りない。基本設定だと鮮やかすぎる、または、しっとりと見せたいというときがフラットの出番だ。
仕上がり設定の変更で、色の印象は大きく変わります。花を撮る時は、基本的には「初期設定」のまま、自然で撮るのがオススメですが、花の色を強調したい際にはビビッドを選択するなどの調整を試しながら、自分自身の好みの設定を見つけてみましょう。
写真・解説/吉住志穂