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【ヒマワリの撮り方③】ある時間帯にするとドラマチックなひまわりが撮れる

 

応用テクニック

HDR機能やハーフNDフィルターを使って夕空の色を引き出す

朝夕のシーンにおいて、白とびしがちな太陽の描写を改善するには、HDRのような階調補正機能、またはハーフNDフィルターの活用が必要だ。HDRはゴーストが出にくいのがメリットだが、合成なので被写体が揺れたり、手持ちで撮ったりすると画像のズレによってにじみが出る場合がある。ハーフNDフィルターは被写体が揺れても自然なブレ感に仕上がるのがメリットだが、光が強いとゴーストが出やすく、明暗の境界が直線でないと使いづらい。

 

ハーフNDフィルター

 

▼HDRを使う

HDR機能を使うときは三脚を使って、風がやむ瞬間に撮影する

HDR機能を使わないと太陽周辺が露出オーバーになり、太陽の存在がわかりにくい。HDRを使うとハイライトの描写が改善されて、太陽の輪郭がくっきりとした。ただHDRは数枚の画像を合成するので、手持ち撮影だと像が二重になってにじんでしまった。HDR撮影では三脚を使って、風が止む瞬間に撮影することが大切だ。

 

▼ハーフNDフィルターを使う


ハーフNDなし
ヒマワリ畑に露出を合わせると夕焼け空は露出オーバーになってしまい、夕焼け色が失われてしまった。

 


ハーフND8を使用

NDの境界部を畑と空との境いに重なるようにセット

ハーフND8を使って夕焼け空を3段分減光すると、夕焼けらしい橙色を引き出せた。ファインダーを見ながらNDフィルターの境界部がヒマワリ畑と空との直線部に重なるようにセットする。不自然な暗部が出ないよう、位置合わせは慎重に行いたい。

42ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/100秒) ISO800 WB:5000K

 

夏の日差しをさんさんと浴びた元気なひまわりを撮影することが多いかと思いますが、朝日や夕日などの趣のある空とのコラボレーションも、ひまわりに味わい深さを醸し出すことが可能になります。空の色をしっかり引き出したい場合は、HDR機能やフィルターなどを使って撮影してみましょう。

 

写真・解説/深澤 武

 

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