暑い夏!サマーバケーションで、南国や海を訪れる方もたくさんいるでしょう。海はカメラを向けたくなる被写体ですが、静かな海、荒々しい海、太陽ギラギラの海など、その表情はさまざまです。撮りたい海のイメージに適した撮影テクニックをご紹介いたします。
Q.「輝く海」写真を撮るには?
Answer. 逆光で狙い、輝く海面や太陽を捉える
太陽の強い光が差し込むと、海面はキラキラとした輝きを見せてくれる。日の出直後や日没直前は光が弱いため、金色に輝く海面を狙うなら、日の出後(日没前)1時間くらいがベター。またキラメキは逆光線で狙うことが基本となるため、ゴーストやフレアにも注意が必要だ。厚紙等を使ってレンズに直接入り込む太陽光をカットする「ハレギリ」をして、クリアな作品に仕上げよう。光の明暗差が大きいときは、露出決定が難しい。明暗の強さや面積比によってプラスからマイナスまで露出補正はまちまちなので、露出ブラケットを有効活用したい。
日没40 分前、西に傾いた太陽が海面をギラギラと金色に染めてゆく。風景として広く撮ってしまうと輝きの印象が弱くなるため、キラメキが強い部分を300ミリ相当の望遠レンズで切り取った。海面の揺らぎによって輝きの強弱は異なるため、波のタイミングを見極めて、輝きが増す瞬間にシャッターを切っている。
300ミリ相当 絞り優先オート(F16 1/3200秒) -2補正 ISO100 WB:晴天
【! Point】穏やかなキラメキは日中狙い、ドラマチックを求めるなら朝や夕方に
太陽を正面にするとき、海面には美しいキラメキが見られる。海面だけだと単調に感じるなら、岩や波打ち際などを脇役に入れるとメリハリが出る。日中のキラメキは海の温もりが感じられて穏やかさがあり、朝日や夕日の光線では色彩効果も加わってドラマチックかつ力強い雰囲気となる。
【! Point】シルエット描写を盛り込むと単調さが回避でき、キラメキも強調できる
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海面を染める朝日は見た目にはドラマチックだが、海と朝日だけでは平面的になりやすい。前景にシルエットとなる植物などを入れると、明暗差が生じて海の輝きや夕日の印象が強くなる。また前景を生かすことで奥行きも出る。キラメキが主役なので、ピントは海面に合わせてよう。
海のキラメキを撮るには、少し太陽が低いタイミングを狙うといいでしょう。また、前景に植物のシルエット描写を盛り込めば、キラメキが強調され、ドラマチックな撮影が可能になります。
写真・解説/深澤 武