応用テクニック①
道路や川を画面の対角線上に配置する
日中の展望写真の撮り方でも述べたように、道路や川などの「線」を構図に取り入れると、画面に流れを作り出せる。その際、それらを画面の対角線を利用して配置すると、奥行きを引き出せるほか、安定した構図になる。また、これによって単調な広い風景のなかにアクセントも作れる。
ライトアップされた橋を主題に、画面の対角線に川を配置する
ライトアップされた橋を主題に捉えつつ、画面の対角線に川を配置した。左下から右上への流れが表現され、自然と奥行きが引き出された。また船の光跡も画面に動きを与えており、開放感のある展望夜景に仕上がっている。
37mm相当 絞り優先オート(F8 13秒) -1補正 ISO100 WB:オート
車の光跡によって道路がより鮮明に描かれる
道路は、車が通れば光跡となり、通らなくても街灯の明かりで筋として浮かび上がる。展望夜景では最も身近なアクセントで、それを対角線上に配置すると奥行きが出せる。道路が数本あるときは、目立つほうを主題にフレーミングするといい。
40mm相当 絞り優先オート(F11 6秒) -0.7補正 ISO200 WB:白色蛍光灯
応用テクニック②
アクセントとなる被写体を画面奥、または左右に配置する
画面に鑑賞者を引き付けるアクセント的な被写体を入れると効果的であることは前術したとおり。そして、それらを画面のどこに配置するかもまた大切で、奥にあると奥行きを容易に引き出せる。アクセントになる被写体はもともと存在感があるので、画面の真ん中に配置すると主題となってしまう。夜景メインなら中央配置は避けよう。
強い光のアクセントを画面奥に置くと容易に奥行きが出せる
競技場や大規模商業施設などの強い光は、構図的に強いアクセントになる。人の視線は明るいほうに誘導されやすいので、画面の手前側よりも奥に強い光があると、自然と奥行きが感じられて効果的だ。
47ミリ相当 絞り優先オート(F11 20秒) -0.3補正 ISO200 WB:太陽光
△
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東京タワーを右側に配置して夜景の広がりを演出
高層ビルの展望室から、東京タワーを俯瞰して撮影。このとき、シンボルとなる東京タワーを真ん中に置くのではなく、左右どちらか(このときは右側)に寄せることで、ビルが立ち並ぶ都会の夜景の空間を、広く表現することができた。
展望夜景はふとすれば、単調になりがちです。ですので、川や、道路などの線を強調したり、シンボルとなるようなタワーをアクセントに配置して、構図取りしましょう。