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【夏山の花の撮り方③】望遠・マクロレンズを使って、花の繊細さや可憐さを撮影しよう!

 

応用テクニック

背景選びで夏山らしさを表現する

背の低い高山植物は普通に撮ると砂礫や土が背景となって雑然としてしまう。花だけでなく、背景にも気を配って被写体を探したい。雪渓や岩稜など夏山らしい背景を生かしたり、低いポジションから青空や白い雲を背景にしたりすると、夏山らしさを出せる。画角の狭い望遠撮影では、10cm程度のポジションの違いで作品の雰囲気が大きく変わる。

 

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上から目線のハイアングルで撮ったので、背景の砂礫が目立ってしまった。生育環境は伝わってくるが、コマクサの魅力は半減してしまう。

 

同じコマクサでも背景によってイメージは大きく異なる

緑を背景にしたものは爽やかであり、山に咲く雰囲気がよく出ている。青空を背景にすると夏らしい光の強さが感じられ、コマクサが力強く見える。残雪模様を生かすと、夏でもたくさん残雪がある北アルプスらしさが感じられ、涼風が吹き抜ける爽快感が伝わってくる。

 

縦構図で爽やかな青空を生かす

青空の下で咲くハクサンイチゲの白色が際立っていた。横位置だと青空をわずかしか見せられないが、縦位置にすることで青空を広々と見せられた。形のよい岩がアクセントになり、白い雲も生きて爽快感が伝わってくる。

108ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/60秒) -0.3補正 ISO200 WB:晴天 PLフィルター

 

低い花の場合は、上から撮ると、砂礫や土が映り雑然としがちなので、花と同じ目線で、カメラを構えることをおすすめします。また、背景の色によっても花の印象が変わるので、撮影イメージに合わせて背景を選び、ローアングルで撮影しましょう!

 

くれぐれも撮影する時は、登山道から外れないように注意してくださいね!

 

写真・解説/深澤 武

 

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