日本の各地に素晴らしい展望スポットがある。ここでは夜景写真家の川北茂貴氏に、景色の素晴らしさと撮りやすさを勘案したおすすめ展望夜景スポットを聞いた。これから夏休みで旅行される方、必見です!
【展望スポット①】藻岩山 (北海道札幌市南区)
ロープウェイで山頂まで行ける広角~望遠まで持参したい展望台
標高531mの山頂展望台から、国内第5位の人口196万人の都市と石狩平野が一望できる。街全体を広角で撮ることはできるが、広い構図ばかりでなく、望遠で都会の高層ビル群なども切り取ってみよう。街並みの中で高層ビルが林立している一帯が札幌駅周辺だ。麓からはロープウェイを利用するのが便利だが、中腹までは車で登ることもできる。(屋外・三脚OK)
【展望スポット②】グレットタワーみなと(青森県八戸市湊町)
きれいな工場夜景がたくさん撮れる穴場スポット
意外に思われるかもしれないが、八戸はきれいな工場夜景がたくさん撮れる穴場。港の高台にある館鼻公園の展望塔「グレットタワーみなと」からは、川を挟んだ向かい側の製鉄所と発電所の工場夜景が撮れる。ダイナミックに吹き上がる煙や水蒸気は工場夜景の大事な脇役なので、長時間露光で筋のように描写してみよう。(屋内・三脚OK)
【展望スポット③】新潟日報 メディアシップ(新潟市中央区)
沈む夕日も狙える一石二鳥の展望室
展望室の大きな窓から信濃川と柳都大橋、それに朱鷺メッセと高層ビル・ホテル日航が一望できる。三脚は禁止だが、窓ガラス手前にカメラを直接置けば長時間露光でも撮影可能だ。また西側の萬代橋、高層ビル・NEXT21方面に沈む夕日も素晴らしい。タイミングが合えば、信濃川河口に出入りする大型船を光跡として入れてみよう。(屋内・三脚NG)
【展望スポット④】テレコムセンター(東京都江東区青梅)
東南北に東京の夜景が楽しめる落ち着いた雰囲気の展望台
一直線に並んだ東京タワーとレインボーブリッジを撮れる、落ち着いた雰囲気の展望台。冬のお台場花火ではそのレインボーブリッジの手前に花火が打ち上がる。そのほかにも北東側にはパレットタウンの観覧車の向こうにスカイツリーを、南東側にはゲートブリッジを、南側にはコンテナ埠頭の先に羽田空港を望むことができる。(屋内・三脚OK)
【展望スポット⑤】横浜ランドマークタワー (神奈川県横浜市西区)
夕方は混雑必至の富士山も望める夜景スポット
360度の眺望が素晴らしい展望室。東や南側の窓からは横浜港やベイブリッジが撮れる。遠くには東京タワーやスカイツリーを撮れる北側は、手前のみなとみらい地区のタワーマンション群が未来都市のようだ。西側は富士山が見えるが、夕日の時間帯は一般客で混雑しがち。窓際はカフェのスペースもあって撮影しづらい。(屋内・三脚OK)
【展望スポット⑥】将軍塚 (京都市東山区)
古都京都が俯瞰で一望できる地元では有名な山頂展望台
寺社の多い市街北側地区の夜は暗いが、近代的なビルの京都駅周辺は明るくて狙いやすい。京都タワーがよいアクセントになるので、ぜひ望遠レンズを持参してアップで撮ってほしい。展望台近くには大きな無料駐車場あり。路線バスは昼間のみで、バイクは通行止めなので、車かタクシーで行こう。(屋外・三脚OK)
【展望スポット⑦】梅田スカイビル (大阪市北区)
室内だけでなく屋上からも全方向が撮れる空中庭園展望台
旧JR貨物駅跡地の再開発が著しい北梅田に位置する展望台。室内だけでなく屋上からも全方向が撮れる。おすすめは東のグランフロント方面と、南の大阪駅方面の大都会の夜景。北側には北摂の山並みと街が、西には六甲山も見える。夕方は淀川と大阪湾に沈む夕日を狙ってみよう。時期が合えば明石海峡大橋の向こうに沈む。(屋外/屋内・三脚OK ※混乱時三脚使用不可の場合もあります)
【展望スポット⑨】皿倉山 (福岡県北九州市八幡東区)
北九州市街を一望する絶景が撮れる展望台は特にトワイライトの時間帯がおすすめ
標高622mの山頂展望台から、北九州市街を一望する絶景が撮れる。山頂まではケーブルカーで昇るが、8合目までは車でも上がれる(金土日祝は夜間通行止め)。広角で街並みを広く狙えるが、空も広く構図に入るので、なるべく空に明るさが残ったトワイライトの時間帯に撮ろう。空が暗くなってからは望遠でアップを狙いたい。(屋外・三脚OK)
【展望スポット⑩】城山公園(鹿児島市城山町)
桜島と市街が撮れる名所 夕刻よりも夜明け前の空を背景に撮りたい
桜島は東側なので、夕方のトワイライトタイムは暗い夜空に溶け込んでしまう。背景が明るい夜明け前に撮ることで、夜空に浮かび上がる桜島を描き出せる。夕方のトワイライト夜景とは空の明るさの変化が逆になるので戸惑わないように。ここの朝はラジオ体操を行っている人たちがいるのでにぎやかだ。(屋外・三脚OK)