紅葉シーズンがまもなくスタートする。撮影に出掛ける前に、紅葉撮影に必要な機材から基本となるカメラ設定、撮り方までをこの記事でチェックしよう。そして、基本をマスターしたら実践だ。より紅葉が映える構図や鮮やかな色の引き出し方をマスターして、オススメ撮影スポットにでかけよう。
紅葉撮影の超キホン
鮮やかな色や繊細な描写を引き出す設定に
撮影モード 絞り優先オート
絞り F2.8 ~ 5.6 でボケを生かす& F11 前後でパンフォーカス
シャッター速度 手持ちなら1/125 秒以上
ISO感度 100 ~ 200、ライトアップ時はISO800
ホワイトバランス 基本は「太陽光(晴天)」
仕上がり設定 基本は「風景」
階調補正 基本は「オート」
ピント合わせ AF-S & 1 点AF
紅葉撮影では絞り優先オートで絞りの効果を生かすとよいだろう。葉のアップなどでボケを生かすなら絞りF2.8~5.6、広大な景色の前景から背景までシャープに捉えるならF8~16程度まで絞り込みたい。手持ち撮影では手ブレが心配だが、1/125秒以上のシャッター速度ならひとまず安心だ。ただし、望遠レンズは手ブレしやすいので、できれば三脚を使いたい。三脚使用時は一眼ならではの最高画質を得られるISO100や200にセットし、手持ちならISO400や800に感度を上げてシャッター速度を稼ぐといい。
ホワイトバランスは「太陽光(晴天)」モードにして、現場の色や光など臨場感を引き出す。日中の自然な色合いだけでなく、朝夕の赤い光や日陰の青みを帯びた色など、光の効果を生かせる。ただ曇天や雨天時に紅葉の色が青みを帯びてしまうときは、「曇天」モードで暖かみのある色調にしよう。
仕上がり設定は、適度なコントラストと鮮やかさでメリハリのある描写となる「風景」モードがおすすめだ。ただし、紅葉をアップにすると鮮やかすぎることも多いため、そうした場合は「スタンダード」や「ニュートラル」で優しい色合いと滑らかな階調を捉えたい。さらに、空が白とびしたり、影になった紅葉がつぶれて黒くなったりしてしまうのを防ぐために、階調補正は通常「オート」にしておこう。明暗差が強すぎる逆光シーンなどでは、「強め」や「より強め」に変更するようにしたい。
ピント合わせは、パンフォーカス撮影なら画面の中央付近にピントを合わせて絞り込めばよいが、紅葉をアップにするときは主役の紅葉にしっかりとピントを合わせたい。設定は、ピンポイントに測距点を選べる「1点AF」と、静止した被写体を撮るのに向く「AF-S(シングルAF)」がベターだ。
16ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/40秒) +0.3補正 ISO200 WB:晴天
WB「晴天」
WB「曇天」
曇りの日は色温度が高く、WB「晴天」で撮るとやや青みを帯びた色合いになる。曇天らしい雰囲気を生かすなら「晴天」モードのままでよいが、黄葉らしい黄色を出したいなら、「曇天」モードにしよう。WB「曇天」にして黄葉の深みを出すことができた。
写真・解説/深澤 武