ローパスフィルター(Low Pass Filter)は、画像情報として必要な波長の光だけを通して、それ以外の光をカットする役割を持つ。RGB3色のフィルターをイメージセンサー(撮像素子)の表面に規則正しく並べたベイヤー配列は、ひとつの画素では1色しか捉えられないため、前後左右の画素から色情報を補完しながら画像を作り出している。
その結果、細かい連続模様や網目のある被写体が写り込むと、存在しないはずの縞模様のモアレや偽色が発生することがある。これを防ぐのがローパスフィルターだ。レンズで捉えた像を意図的にぼかすことで、モアレや偽色の発生を抑制している。
ただし、解像感を低下させる副作用があることから、より解像度を重視した「ローパスフィルターレス」のカメラがある。当然、モアレや偽色は発生しやすくなるが、昨今は高画素化と画像処理エンジンの進化によって抑え込めるようになってきている。
ローパスフィルターは撮像素子のすぐ前に取り付けられたフィルムで、光を水平、垂直方向に分離することでモアレや偽色の発生を防ぐ仕組みになっている。