メーカーや機種によって、カメラが搭載するイメージセンサー(撮像素子)は異なる。デジタル一眼で主に採用されているのが、35ミリ判フィルムと同じサイズの「フルサイズ」、それよりも面積が一回り小さい「APS-Cサイズ」、フルサイズの約1/4の面積の「マイクロフォーサーズ」の3種類だ。
イメージセンサーの違いによって、焦点距離が同じレンズでも画角(写る範囲)に違いが生じる。そのため、レンズが持つ本来の焦点距離ではなく、「35ミリ判フィルムに換算した焦点距離」が画角を知るための基準値になっている。それが「35ミリ判換算値」で、「○ミリ相当」などと表したりもする。
フルサイズ機のイメージセンサーは、35ミリ判フィルムと同じサイズなので換算の必要はない。APS-Cサイズでは実際の焦点距離を1.5~1.6倍にした値が、マイクロフォーサーズでは2倍にした値が、35ミリ判換算値の焦点距離になる。
フルサイズ>APS-Cサイズ>マイクロフォーサーズの順に面積は大きくなる。なお、1/2.3型は主にコンパクトデジカメに採用されているイメージセンサーのサイズ。
上の写真はフルサイズ機の焦点距離100ミリで、下の写真はマイクロフォーサーズ機の焦点距離50ミリで撮影したもの。レンズの焦点距離は異なるが、35ミリ判換算値ではどちらも「100ミリ相当」となり、被写体が同じ大きさに写っている。マイクロフォーサーズ機では焦点距離を2倍すると35ミリ判換算値となる。焦点距離50ミリ×2=100ミリ相当というわけだ。
撮影/永山昌克