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人気フルサイズミラーレスの実用度を比較テスト!②EVFの色再現性は?

新機種が続々登場して、注目が集まるフルサイズミラーレスカメラ。今、いちばん「写す力」の高いフルサイズミラーレスはどれなのか? 重要ポイントでの実用度をチェックする。今回テストするのは、EVFの「色の再現・調整」だ。

 

 

EVF描写の細かな特徴をつかめば実際の仕上がりをしっかりイメージ可能

EVFと背面モニターの意味合いの異なるところは、EVFはのぞき込むために外光の影響を受けにくいということ。例えば明るい場所ではモニターは見にくくなるが、EVFはその影響が少ない。もちろん環境による目の慣れがあるが、モニターよりは安定した状況で観察できる。だからこそ、結果に対する再現性の高さが重要で、調整機能が付いているとありがたいのだ。

ここでのテストでは、デフォルト設定での再現性、特に気になるハイライト階調やシャドー階調の見え方、色の傾向などをチェックしてみた。条件を一定にするため、プリントした写真をサンプル(被写体)として、それを複写する形で比較した。照明は撮影用のLEDで照らしている。色階調モードは各社スタンダードに設定、その見た目の印象でチェック。さらにEVFを色温度、露出を一定にした状態で撮影したものだ。
 

 

ニコン Z7

階調はニュートラル、十分な階調幅でハイライトもシャドーも確認しやすい。デフォルトではいちばんオリジナルに近く映し出されている。倍率は大きすぎる感じで、ひとまわり小さい表示もほしい。

 

ソニー α7R III

ニュートラルな階調描写で、ハイライト部やシャドー部の階調確認もしやすい。中間階調も滑らかな描写。色は若干抑えめに感じ、見続けても疲れにくい印象。実際のプリントとの差は少なめ。

 

キヤノン EOS R

今回の中ではメリハリ強めで、色も少し派手めに表示される。そのぶんパッと見はテレビ的でわかりやすい印象。あくまでもザックリとチェック、絵柄はもちろん、情報をしっかり見せつける印象だ。

 

ニコン Z6

スペックがZ7と同等で、見え方もほぼ同じ。ミドルクラスとしてはトップレベルのファインダー描写力といえるだろう。階調もハイライトやシャドーの明暗両端部描写も滑らか。情報表示は細かめ。

 

ソニー α7 III

今回の中では唯一XGAだが、滑らかさという点では十分。ただし、髪のディテール描写などα7R IIIでは出なかったモアレが出る場合もあった。階調はニュートラルで、色は少し抑えめな印象だ。

 

 

ニュートラルなニコンZ、ちょっと硬めのEOS R

やはりEOS Rは他機種と比べても少々コントラスト強めの印象。EOS M5なども近い傾向で、EOS系の特徴なのかもしれない。ニコンは最もニュートラルに近い印象で、Z7、Z6両者の見え方の差はほぼ感じない。α7R IIIもニュートラルだが、若干色が浅めに感じる。α7 IIIは同じ傾向だが、唯一XGAのせいか場所によっては少しモアレが出やすい部分もあった。

ここでテストした機種は、どれも明るさ、色調の調整機能はしっかり搭載されている。ただコントラストは変更できない。ときにはPCモニターと照らし合わせ、傾向をつかんでおきたい。

 

ギャラリーで比べてみてみよう!

 

EVFの色・明るさ調整機能チェック

ニコン

やはりZ7、Z6共通で、調整項目は2つ。[ファインダーの明るさ]で±5の範囲で明るさ調整、[ファインダーのカラーカスタマイズ]でA-B、G-M両方向で細かく色温度調整できるようになっている。

 

ソニー

α7R III、α7 IIIとも同じメニューで、調整項目は2つ。[ファインダー明るさ]で±2ステップで明るさ調整、[ファインダー色温度]で±2の範囲で色温度調整ができる。色温度調整は微調整のレベルだ。

 

キヤノン

[画面の明るさ]で1~5の範囲で明るさ調整、[画面の色調]で1~4の選択肢で色温度を調整できる。色温度では数値ではなく[暖色][標準][寒色1][寒色2]という選択肢になっている。
 

 
写真・解説/増田賢一
モデル/草野 結(シェリーズ・エンタテインメント)