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異次元の「速さ」と「タフ性能」に驚愕! ソニーの次世代メモリーカード&SSDに大注目

「データが読み出せなくなるトラブルにはもう、うんざり」「過酷な環境でも安心して使えるものが欲しい」――そんな声に応えて開発されたSDカード「ソニー SF-G シリーズ タフ仕様」は、昨年の発売以来、メモリーカードに信頼性を求めるユーザーから人気を博している。

<ソニーのTOUGHシリーズはここから始まった>

ソニーSF-G シリーズタフ仕様
参考価格(税別)/128GB 39,880 円(税別)、64GB 19,880 円(税別)、32GB 13,880 円(税別)

一体成型による強靱なボディと最速クラスのスピードを両立したSDカードが昨年秋に登場。曲げ強度180N(ニュートン、SD規格の18倍)、耐衝撃性5メートル落下、水深5メートル72時間の防水性、IP6Xの防塵性という驚異的なTOUGH性能を実現。ソニーのTOUGHシリーズはここから始まった。

 

そんな「TOUGHシリーズ」に関して、ソニーは今回新たに次世代メモリーカード「CFexpress」を開発。さらにCP+2019では参考出品として持ち運びに便利な「ポータブルSSD」の展示も行った。本稿では、圧倒的なタフ性能と高速性能で大きな注目を集める両製品ついて詳しく見ていこう。

 

TOUGH&SPEED! 次世代カードは強い! 速い!

次世代メモリーカード「CFexpress TypeB」がソニーより開発発表された。

インターフェースにPCIE Gen3を2レーン使用し、理論値で最大2GB/sのデータ転送を実現する。XQDカードと同形状のTypeBと呼ばれるモデルで、ニコンZシリーズやルミックスSシリーズなどは、ファームアップによる対応をアナウンスしている。

 

<Topic①>最新フルサイズミラーレスがCFexpressカードに対応!

ニコンZ7/Z6およびルミックスS1R/S1がファームアップによりCFexpressカードに今後対応する。さらにニコンはXQDカードモデルのD5、D850、D500にも順次対応していく予定。今後はハイエンドクラスのデジタル一眼にCFexpressカード対応モデルが増えていきそうだ。

 

<Topic②>驚きのデータ転送速度

デジタル一眼用の記録メディアとして最速を誇るCFast 2.0カードと比べて、ソニーのCFexpressカードは3倍以上の高速性能により、高画素モデルの高速連写や4K/8K動画撮影にも好適。パソコンへのデータ取り込みも瞬時にできそうだ。

 

写真撮影だけではなく、高速連写や4K動画撮影など、1つ1つのデータが大容量化していく中で、パソコンなどへのバックアップを考えると1700MB/sという超高速読み出しはワークフローを改善してくれることになるだろう。

 

SDより大きいXQDサイズのCFexpressとはいえ、やはりメモリーカードへのデータ保存になると、破損の心配はつきまとう。ソニーがSDで実現した潜在的なニーズとしてのTOUGH性能が、CFexpressにも搭載されれば心強い――。

 

そんな期待どおり、ソニーのCFexpressカードはスピード性能に加え、タフ性能も追求。CFexpressカードの試験規格をはるかにしのぐ堅牢性を目指し、高硬度樹脂による一体成型ボディのSDカードとして好評を得ている「SF-Gシリーズ タフ仕様」とともにTOUGHをアピールする予定。

<Topic③>堅牢性に優れたTOUGHボディ

CFexpressカード規格の5倍の耐衝撃性と、3倍の曲げ強度、加えて耐X線、耐温度、耐磁気、UVガードなどがあれば、信頼性が非常に高い。

 

2019年夏に128GBモデルの商品化を予定しており、今後256GB、512GBの大容量モデルの商品開発も検討している。また、その真価を引き出すべく、ソニーのCFexpressカードに最適化した新カードリーダー(USB 3.1 Gen2対応)の開発も進められているそうだ(なお、新カードリーダーはソニー製XQDカードにも対応するとのこと)。

 

SSDも驚くほどTOUGHに! 速度や使い勝手も向上

CP+2019では「タフ仕様ポータブルSSD」も参考出品された。「コンパクトスタンダードモデル」はモバイル機器接続に配慮した省電力設計、「ハイパフォーマンスモデル」は1GB/sデータ転送によるワークフロー高速化を狙う。

<Topic①>超高速と省電力の2モデルを用意

ハイパフォーマンスモデル(写真左):防塵・防水および堅牢性に優れたTOUGH性能に加え、USB 3.1規格の上限に迫る1GB/sのデータ転送を想定している超高速モデル。2TBまでの容量を検討している。

コンパクトスタンダードモデル(写真右):TOUGH仕様のコンパクトモデル。540MB/sの高速データ転送と省電力設計によりモバイル機器でも安心して使用できるモデル。2TBまでの容量を検討している。

 

製品名に「タフ仕様」とあるように、こちらの製品の堅牢性もかなりのもの。防水・防塵性能に加え、曲げ強度2トン、プレス強度6トンというケタ違いのタフ性能を目指す。

<Topic②>安心して持ち歩けるTOUGH性能を実現

曲げ強度2000kgf、プレス強度6000kgfという圧倒的な強度で、カメラバッグの中で重量級機材の下になっても安心なTOUGH性能を目指すというのがスゴイ(写真上:曲げ強度テスト、写真下:プレス強度テスト)。

 

また、タフ性能だけでなく、使い勝手を考えた工夫も随所に光る。シルバーの波面ボディに2本のラバーバンドというSSDらしからぬ見た目だが、デザイン性だけでなく実用性もしっかり考えられている。

<Topic③>利便性を高める工夫

インターフェースはUSB 3.1 Gen 2のUSB -Cポートを装備。端子上部の角にアクセスLEDを配置し、上からも横からも確認できる高い視認性を確保している。手になじむ波面ボディは、バッグ内や暗いスタジオでも目につくシルバーカラー。2本のラバーバンドは、滑落を防ぎ、管理ラベルやメモを挟み込める利便性向上提案だ。

 

デジタル機器の進化に伴って大容量データを扱う機会が増えるなか、圧倒的なタフ性能と高速性能を兼ね備えたタフ仕様モデルは今後ますます必要となっていくだろう。過酷なフィールド撮影を存分に楽しめる、TOUGHシリーズに注目だ!

 

※ポータブルSSD の商品化は検討中であり、発売は未定です。記事に掲載の開発中の製品のすべての数値・仕様は検討中のものです。

 

撮影/我妻慶一