空中に張った“ライン”の上で歩いたり、跳んだりする「スラックライン」。アクロバティックな動きが魅力の新スポーツだ。その世界チャンピオンの演技をFUJIFILM X-T3で撮影し、スポーツへの適応力を試した。
【今回使用したカメラはこちら】
富士フイルム
FUJIFILM X-T3
実売価格/19万9260円(ボディ)、25万3260円(18-55㎜レンズキット)
裏面照射型の約2610万画素「X-Trans CMOS 4」センサーと画像処理エンジン「X-Processor 4」の採用などにより、高画質や高精度で高速なAFを実現したミラーレスカメラ。約11コマ/秒の連写に加え、電子シャッター使用時にはブラックアウトフリーで30コマ/秒の超高速連写も可能。4K/60pでの動画撮影ができるのも魅力だ。
■FUJIFILM X-T3の詳細はコチラ
なぜお寺で新スポーツ? 世界チャンピオンも誕生
「スラックライン」という新スポーツを知っているだろうか? 空中に2.5~5センチ幅のリボン状のラインを張り、その上を歩いたりトランポリンのように飛んだり跳ねたりする(トリックという)競技で、2011年からはワールドカップも行われている。
X-T3で撮影/ラインの上を歩くのがスラックラインの基本中の基本。少し慣れてくれば、誰でも歩けるようになり、歩くだけでも体幹が鍛えられるという。
日本でも競技人口が増えていて、現時点でおよそ5万人が楽しんでいるそうだ。2016年には長野県小布施町にある「浄光寺スラックラインパーク」が世界チャンピオンを輩出。さらに翌年にはアジアで初めてのワールドカップが開催されるなど、小布施は“聖地”と呼ばれるまでになっている。
今回取材した、長野県小布施町にある浄光寺スラックラインパーク。登録や予約などをせずに使用でき、料金も無料。午前9時~午後6時まで使用可能。奥に見えるビニールハウスは屋内練習場だ。/〒381-0211 長野県上高井郡小布施町雁田676浄光寺内 TEL 070-4413-5991
なぜお寺で新スポーツなのか? 気になるその理由を浄光寺の副住職・林映寿さんにうかがうと「老若男女誰もが手軽に楽しめるスラックラインは、お寺で楽しんでもらう屋外活動として最適でした」と語ってくれた。
今回ワザを披露してくれた木下晴稀選手(左/RedBull athlete)と、スラックラインについて語っていただいた浄光寺副住職・林映寿さん(右)。木下選手は2016年のX Games Austinでの優勝以来、数々の世界大会で活躍する期待の選手。林さんは、浄光寺にスラックライン場を整備するなど基礎を築いた“仕掛人”だ。
X-T3の快速AFと連写で「スポーツに強い」を実感
ラインの上でバランスをとるだけでも楽しいスラックラインだが、世界チャンピオンクラスの演技は高度なトリックの連続技など、カッコ良さが際立つ。その激しい動きを写真に撮るには、撮影者の技量だけでなく連写やAFなど、カメラの性能も要求される。
X-T3は背面に各種設定を簡単に呼び出せる「Qボタン」やフォーカスレバー、セレクターボタンなどを配置。素早い設定変更やAF位置選択が行える。特にAF位置は、ほぼ画面全体に及ぶ最大25×17のエリアから選べるなど、使い勝手の良さも魅力だ。
そこで、浄光寺にスラックライン場が開設されるのとほぼ同時期に本競技の記録撮影などを始めたという写真家・大井川茂兵衛さんに、富士フイルムXシリーズの最新世代「FUJIFILM X-T3」で、小布施スラックライン部所属の世界チャンピオン・木下晴稀選手の演技を撮影してもらった。
写真家の大井川茂兵衛さん。1977年長野県生まれ。2005年よりフリーランスに。株式会社Hi-Bush代表。長野県を主なフィールドに広告写真などを撮影。APA(公益社団法人日本広告写真家協会)正会員。
結果、高速AFで動きを的確に捉えられただけでなく、電子シャッター使用で約20コマ/秒、メカシャッターでも約11コマ/秒という高速連写で一瞬を逃さず撮影でき、「スポーツ撮影への適応力の高さを実感した」という。色も鮮やかで、フィルムシミュレーションでシーンに合わせた色再現が選べた点も気に入ったそう。加えて、顔検出・瞳AFも認識速度が速く、一般ユーザーがスポーツを撮る場合などにも有効だろうとのことだった。
<作例①>
約11コマ/秒の連写ができ、高感度にも強いX-T3はスポーツ撮影に最適。AFが高速で顔検出も素早く、一瞬の表情も逃さず撮ることができた。
<作例②>
画面内にいかにしてラインを入れるかが、スラックラインを撮るときのポイント。加えて選手の表情も狙えればベストだ。
<作例③>
ライン上を歩く、跳ぶ、座るなど、動作はトランポリンに近いスラックライン。とはいえ、ラインの幅はわずか2.5~5センチ程しかない。
<作例④>
ライン上で逆立ちする一瞬を60ミリの中望遠で狙った1枚。トーンや背景の色合いを重視し、フィルムシミュレーションは「クラシッククローム」に設定。
<作例⑤>
広角ズーム「XF8-16mmF2.8 R LM WR」を使用し、画面中央付近に太陽光を入れて逆光にしつつ、木下晴稀選手をシルエットにして撮影。厳しい条件にも関わらずゴーストやフレアが少なく、高コントラストに撮れた。
<作例⑥>
木の陰の部分を背景に望遠レンズで切り取った1枚。これにより、木下選手の動きを際立たせることができた。
<作例⑦>
競技の合間の表情を望遠ズーム「XF50-140mmF2.8 R LM OIS WR」で切り取った。絞り開放から収差が少なく、シャープでボケ描写も美しい。フィルムシミュレーションはベルビアを選択し、色濃く仕上げている。
今回はスラックラインという新スポーツの撮影だったが、実際の競技を見ると非常に迫力があって、トリックが決まった瞬間がとにかくカッコイイ。今年の9月15日には小布施町でワールドカップ(※)も開かれるので、興味を持たれた方は、ぜひ見に行ってもらいたい。その際のカメラは、AFや連写が速く、色再現もバッチリなFUJIFILM X-T3がオススメだ!
■FUJIFILM X-T3の詳細はコチラ
※小布施町でワールドカップ開催!/9月15 日に「2019 スラックラインワールドカップジャパン・フルコンボ」が小布施町の小布施総合公園(道の駅 オアシスおぶせ)にて開催されます。詳しくは公式サイトをご覧ください。
状況撮影/我妻慶一