春はいっせいに花が咲き始め、一年の中で最も多くの花が見られる季節です。サクラにモモ、チューリップ、ポピーなど、山に里に公園に、さまざまな花が咲き誇ります。ぽかぽかと暖かい陽気の中で撮影に出掛けるのは楽しいものですが、開花時期が重なることもあるので、あらかじめどこにどんな花が咲くのかをリサーチし、計画的に撮影に回るといいでしょう。
多くの花が咲き始める春は開花時期が重なるので計画的に撮影に行こう
ネモフィラ×フレーミング
青空を広く、花は小さく捉えて爽やかさとかわいらしさを表現
ネモフィラは青空がよく似合う。ひとつひとつの花は小さいが、太陽の光を受けて、懸命に花を咲かせている姿が健気で愛らしい。空の面積を広くとって、5月の青空の広がりを出しつつ、花を小さく捉えて対比させることで、かわいらしさを表現した。一輪の花が顔を出して、こちらをのぞいているようだ。【吉住志穂】
421ミリ相当 絞り優先オート (F4 1/1600秒) +1.3補正 ISO200 WB:晴天
ポピー×ソフト効果
きつめの濃い赤色をソフト効果を掛けて優しいに雰囲気に
ポピーの花びらは薄いので、弱い光でもほんのりと透けて美しい。このシャーレーポピーは濃い赤色をしているので、色がきつく見えることもある。そこで、カメラのフィルター機能を使ってソフト効果を掛けて、やわらかで優しい雰囲気にした。ソフト効果はいろいろな花によく合うので、やわらかに仕上げたいときに使ってみよう。【吉住志穂】
210ミリ相当 絞り優先オート(F4 1/800秒) +1補正 ISO200 WB:晴天 フィルター機能:ファンタジックフォーカス
サクラ×光
天候の回復期を狙って訪れた一期一会の瞬間
牧場に咲く1本のエゾヤマザクラ。ソメイヨシノやエドヒガンなどに比べ、濃いピンク色をした花色が特徴だ。天候の回復期を狙って訪れると、雪山の山頂付近にだけ雲が残り、サクラに光が差し込むというドラマチックな瞬間に出会うことができた。青空がうっすらと透けて見える雲を生かすことで、一時として同じことはない風景の躍動感が感じられる作品に仕上がった。【深澤 武】
128ミリ相当 絞り優先オート (F8 1/40秒) -0.3補正 ISO200 WB:晴天 PLフィルター
ナノハナ×パンフォーカス
標準レンズ+絞りF11でこの絶景を余すところなくシャープに捉える
陸奥湾や釜臥山を見渡せる下北半島に広がるナノハナ畑。この花畑の奥行きや広がりを出すために、54ミリ相当の標準レンズをF11まで絞り込み、近景から遠景までシャープに見せるパンフォーカス表現で仕上げた。広々と気持ちのよい花畑の雰囲気を生かすため、すっきりと晴れた日に撮影したいスポットだ。青空の深みやナノハナの鮮やかさを生かすためには、PLフィルターも欠かせない。【深澤 武】
54ミリ相当 絞り優先オート(F11 1/60秒) +0.3補正 ISO100 WB:晴天 PLフィルター