ルピナスは冷涼で乾燥した気候を好みます。ルピナスは伸びた花の形状が特徴で、赤、ピンク、オレンジ、黄、青、紫、白などさまざまな色のユニークな形の花を咲かせます。
低いポジションから撮影すると長く伸びた花の形状を捉えられる
昇りフジとも呼ばれるルピナスはその長く伸びた花の形状が特徴です。低いポジションから上下方向いっぱいに花を捉えるとその高さを生かせます。広角レンズで近づいて背景の広がりを出す場合も、望遠レンズで切り取る場合も、低いポジションから撮影するのがベターです。さらに、主役の花だけでなく、背景にもさまざまな色のボケを盛り込むことでルピナスらしいカラフルな雰囲気を引き出せます。たくさんの色を盛り込むとカラフルさが強まり、色数を少なめにすると色の対比を生かせます。ルピナスは光が強いと色が派手に出すぎることがあるため、仕上がり設定の彩度やコントラストを控えめにしたり、曇天のやわらかな光で撮ったりするのがおすすめです。
基本テクニック
高さを見せるなら縦位置で、広がりを見せるなら横位置でフレーミング
ルピナスの高さを生かすなら、縦位置で上下いっぱいに花を捉えたい。横位置では林立するルピナスを捉えて広がりを出し、たくさんの花色を取り込むことでカラフルさを生かせる。どちらも低いポジションから撮影すると、ルピナスらしい株立ちのよさを生かしやすい。
105ミリ相当 絞り優先オート(F5.6 1/500秒) ISO200 WB:晴天
165ミリ相当 絞り優先オート(F2.8 1/350秒) ISO100 WB:晴天
ルピナスの頂点部くらいにカメラを構えて撮影
上写真は、横位置で広がりを生かしつつ、ルピナスが群生するカラフルな雰囲気を狙った。ルピナスの頂点部くらいの高さにカメラを構えると、背景にたくさんの花々が連なって見えてくる。下写真は、縦位置で紫色のルピナスの花房を上下いっぱいに捉えて高さを生かしつつ、背景をほぼピンク一色で見せた。
応用テクニック
自然に咲くルピナスは周囲の風景も取り込んで現場の様子を伝える
カラフルな色と株立ちのよさから人気があり、大柄な花なので風景的にも狙いやすい。雄大な花畑なら広角から標準レンズで広々と狙い、数輪が庭先に植えられていたら同レンズで近づいて花を大きく見せよう。どちらのシーンも背景を生かして撮影すると臨場感が出る。
中間絞りを選んで残雪の山並みを適度なボケで見せる
北アルプスを背景に咲くルピナスを57ミリ相当の標準域のレンズで切り取った。絞りF8の中間絞りで残雪の山並みを適度に見せ、山里らしさを引き出した。青空を生かすためにPLフィルターを使っている。
57ミリ相当 絞り優先オート(F8 1/60秒) +0.7補正 ISO100 WB:晴天 PLフィルター
写真・解説/深澤 武