スマホでの料理撮影のポイントとして取り上げた「ピント、明るさ、光、構図」は一眼カメラでの撮影時も同様に大切である。これらを料理撮影の基礎として踏まえつつ、さらに一眼カメラの特徴に注目し、細かな設定やレンズの選択を行おう。本企画では、4回にわけて一眼カメラを使ってより見栄えよく写すプロの技を紹介する。第2回は「色合い」について解説する。
料理&スイーツ写真の一眼テクニック
① まずは一眼カメラとスマホの違いを知るべし! https://getnavi.jp/capa/special/295026/
③ 光の当て方で「シズル感」が大きく変わる!? https://getnavi.jp/capa/special/295035/
④ レフ版やマクロレンズを使って一味違った料理写真に! https://getnavi.jp/capa/special/295046/
室内の雰囲気を生かして撮る
料理を美味しそうに撮るポイントとして忘れてはいけないのが色合いだ。色合いは光源によって変化する。日中の窓辺で撮影すれば光源は太陽だが、人工照明下では電球や蛍光灯、LEDと複数の光源があり、それらが混ざっていることもある。
料理本来の色を再現するにはホワイトバランスを「オート」にするのが基本だが、機種によって補正後の仕上がりが違うので、まずは撮って確認するのがいちばんだ。おかしな色味と思ったら、WB「電球」やWB「蛍光灯」など、光源に合わせた設定にしてみよう。より詳細に色味を調整するには色温度設定が有効だ。
このほか、室内の雰囲気を生かした撮り方もおすすめだ。レストランでのディナーなどは、そのムーディー感を写真に盛り込むと印象的に仕上がる。この雰囲気を出すには、しっかり色味を補正してしまうよりも、少し赤みなどを残したほうが室内っぽく写る。WB「オート」で赤みが残る場合もあるが、「オート」で完全に白く補正されてしまう場合は、WB「太陽光(晴天)」や色温度設定を活用して好みの色合いを探っていきたい。
【ディナーシーン例】
レストランなどでは雰囲気を出すために、テーブルにロウソクなどが置いてある。このムーディーな感じを引き出したい。↓
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<WB「オート」で撮影>
白い皿を見ると色の補正具合がよくわかる。機種によって差はあるが、ここではWB「オート」では完全に色味が補正されず、少し赤みが残った。ロウソクの温かみのある雰囲気が感じられて、ディナータイムらしい仕上がりになった。
<WB「電球」で撮影>
WB「電球」で撮ると赤みが完全に補正されて、白い皿が真っ白に写った。被写体本来の色が再現されている。料理の色を正しく写すには最適な結果だが、ロウソクの温かな雰囲気はあまり感じられない。
また、暗い室内での大敵はカメラブレと高感度ノイズだが、スマホも一眼もどちらも感度が自動的に上がることでブレを抑えることができる。しかし、高感度になると、特有のノイズが発生する。感度が上がるほど画像がざらつき、色の冴えも失われるのだ。三脚使用が最も有効な手段だが、使えないレストランなどでは、手ブレしないぎりぎりの感度で撮影しよう。